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先住民族関連ニュース

先住民族関連のニュース

参加者興奮!“もり”を使ってアイヌ伝統のサケ漁を体験 水族館で「アイヌフェスタ」開催 北海道千歳市 

2022-11-14 | アイヌ民族関連
HBC2022年11月13日(日) 11:33

11月11日の「鮭の日」に合わせて、千歳の水族館で「アイヌフェスタ」が開催されています。
 このイベントは、サケのふるさと千歳水族館で、アイヌの文化を市民や観光客に発信することを目的に、12日から開催されています。
 近くの千歳川では、専用のもりを使ったアイヌ伝統のサケ漁「マレク漁」を体験できるコーナーが用意され、参加者は体を使ってアイヌの文化に触れました。
 参加者が捕獲したサケは、持ち帰ることができるということです。
参加した男児
「とれて、めちゃくちゃうれしいです」
 「鮭の日・アイヌフェスタ」は、サケのふるさと千歳水族館で、13日まで開催されています。
11月13日(日)午前6時45分~「JNNニュース」
https://newsdig.tbs.co.jp/articles/-/202726?display=1&mwplay=1

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人間を超えた力の導き 〈アイヌ語を語り継ぐ〉中川裕=思索のノート

2022-11-14 | アイヌ民族関連
信濃毎日新聞2022/11/13 20:02有料会員記事
私の若いアイヌの友人の詩乃(うたえ)さんは、近頃張り切っていることがある。それは「トゥレンカムイ」という言葉を流行語大賞にしようということだ。
 トゥレンカムイというのは「憑神(つきがみ)」などと訳されていて、その訳語だけ聞くと何かおどろおどろしい迷信じみたものに感じてしまうが、実は人間であれば誰にでもついているものだと、昔の人たちは考えていた。
 それはうなじの「ぼんのくぼ」のところにいるとか、見えないけれどそこに穴が開いていて、そこから出入りしているとか、いろいろ言われている。うなじのあたりを強くたたくと失神してしまうのは、そこにいるトゥレンカムイが気絶するからだという話もある。それは人間の行動や運命を制御している存在で、好むと好まざるとにかかわらず、人間はそのトゥレンカムイの思惑によって動かされている。
 今でも、アイヌの伝統的な儀式で、男性がさまざまなカムイたちに祈りを唱え、杯でお酒をささげた後で、そのお下がりを女性に渡すと、受け取った女性がパスイというへら状の祭具の先をお酒に浸して、自分の襟首のところに酒の滴を垂らす動作をする。それは自分のトゥレンカムイにお酒をささげ…
(残り1213文字/全文1710文字)
https://www.shinmai.co.jp/news/article/CNTS2022111300048

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【写真特集】北海道、青森を回る遺跡探求ツアー

2022-11-14 | アイヌ民族関連
十勝毎日新聞2022/11/13 11:29
 十勝幌尻農場(山口富嗣代表)は3日から5日までの3日間、北海道と青森県を回る「遺跡探求ツアー」を開いた。その様子を写真で紹介する。
初日、帯広から平取へ
 帯広市内では、シカ用の落とし穴が見つかった宮本遺跡(JICA帯広付近)、道内最古とされる若葉の森遺跡(西16南6付近)、全国的にも豊富な8000点以上の石器が出土した暁遺跡(聖公会幼稚園付近)などを回った。山口代表は「小高い地域には決まって集落ができた」と言い、これまでに帯広では数多くの集落跡が発見されている。
内閣府が公開している資料によると、縄文時代の日本国内の人口は10~26万人ほどだったとされており、人々が長きにわたって帯広に居住していた事実は歴史的な価値がある。「水資源が豊富だったこと、縄文人の主食とされるウバユリなどが豊富に採れたことに加え、十勝が黒曜石の一大産地だったことが、帯広が栄えた要因だ」と山口代表は語る。
 帯広を離れ、一行は音更町内の郷土文化資料室(生涯学習センター内)を訪れた。今年リニューアルされた資料室では、古代から現代までの音更の歴史を展示資料によって振り返ることができる。参加者は展示室を埋め尽くす土器の数々に目を奪われていた。
 一行を乗せたバスは平取町へ走った。アイヌ民族初の国会議員となった萱野茂氏の先祖は、同氏の親戚によると十勝出身(伏古アイヌ)だという。町内にある萱野茂二風谷アイヌ資料館には萱野氏が収集していた4000点を超えるアイヌ民族の生活用品などが展示されており、うち200点が国の重要文化財に登録されている。参加者はアイヌ資料の数々を熱心に見入った。

2日目、函館の遺跡を巡る
 昨年、「北海道・北東北の縄文遺跡群」として青森の三内丸山遺跡などとともに世界文化遺産に登録された大船遺跡と垣ノ島遺跡を訪れた。
 大船遺跡は100棟を超える竪穴式住居や墓地、祭祀場などが出土しており、縄文人の精神生活のあり方を垣間見ることができる。再現された縦穴式住居などを見学した参加者からは「村長は存在したのか」など質問が飛んだが、同遺跡のガイドによると「まだ分かっていないことが多く、現在も調査発掘中」。
 垣ノ島遺跡に作られた、道内唯一の国宝「中空土偶」が展示されている縄文文化交流センターで縄文人の暮らしを学んだ。矢尻や土器など1500点もの展示に参加者は圧倒されていた。新潟から採取されたひすいが見つかっていることなどから、「北海道と本州を結ぶ公益の中継地点として栄えていたと考えられている」(同館ガイド)。
 同遺跡では函館では採れない黒曜石も展示されており、十分なデータがないことから現時点では十勝産と判別できる石は見つかっていないものの、同館ガイドは三内丸山遺跡で十勝産の黒曜石が見つかっていることなどを踏まえて「十勝産の黒曜石もあるのではないか」と話し、十勝と本州の間で交易があった可能性も示唆した。
3日目、青森県の遺跡巡り
 3日目は同じく世界遺産登録された青森県内の大森勝山遺跡、大平山元遺跡を訪れた。
 弘前市にある大森勝山遺跡は標高140メートルほどの丘の上にあり、国内では珍しい環状列石の跡が発見されており、祭祀遺跡として貴重な存在だ。丘の下には沢が流れ、集落を囲むように栗の木やワラビが自生している。食が豊富で縄文人にとって格好の居住地だったと考えられる。
 津軽半島に位置する大平山元遺跡では土器のかけらなどが発見されながらも住居跡は見つかっておらず、「遊牧生活を送る縄文人の季節的な拠点だったのではないかと考えられている」(同遺跡ガイド)。詳細は不明だが、見つかった土器は津軽半島で採れた粘土で作られていた。わずかに黒曜石も発見されているが北海道産のものはなく、山口代表は「北海道は資源が豊富で、黒曜石の代わりに受け取る物がなかったからではないか」と推察している。
帯広の遺跡、もっと発信を
 帯広には3万年以上前から人々が住んでおり、これまでに道内最古の石器や土器も見つかっている。これらは帯広百年記念館などで展示されているものの、その存在が積極的に発信されていないとの声もある。
 山口代表は「帯広には看板すらない遺跡も多く、市はもっと積極的に発信すべき。せめて広報紙などで周知することはできる」と指摘する。実際に3万年前の石器が出土している若葉の森遺跡に看板は設置されていない。
 ツアー最終日には弘前市内にあるリンゴ農家「葛西農園」の畑を訪れ、リンゴ狩りを楽しんだ。名産地の味に参加者からは笑みがこぼれた。
 帯広市から参加した渡辺勇さん(84)は、「地元にたくさんの遺跡があることは知らなかった。帰ったら友人にも教えてあげたい」と話していた。
 山口代表は遺跡を中心とした観光産業の活性化もできると考え、私財で歴史文化施設を設立することも考えている。
https://kachimai.jp/article/index.php?no=2022116113059

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世界遺産登録名称が「楽園」、世界最大の砂の島・豪州フレーザー島のエコツーリズム

2022-11-14 | 先住民族関連
現代ビジネス11/13(日) 7:02
ニーズが広がるエコツーリズム

 行動制限や入国制限の大幅な緩和で、国内外の旅行が活発化する中、世界のエコツーリズム市場は2021年に1,525億米ドルに達し、5年後には現在の倍以上にもなると予想されている(2022年11月1日「GII-NEWS.JP」より)。
人々の環境意識や、観光が地域に与えるダメージへの認識が高まり、エコツーリズムを望む旅行者は様々なタイプに広がったという。
今年8月、エコツーリズムの取材先としてオーストラリアを選んだ作家 山口由美さんは「エコツーリズムとは、その土地の自然や文化のありのままを旅人が共有し、その対価が地元の人たちの経済的利益として寄与し、結果として、地元の自然や文化が未来に継承されていく旅」と説明する。
旅とホテルをテーマにノンフィクション、小説、紀行、エッセイ、評論など幅広い分野で執筆する山口さんが、オーストラリアで初めてのエコツーリズムを実践する大型リゾートとして開発されたフレーザー島のキングフィッシャーベイ・リゾートの魅力を紹介する。
どこまでも続く海岸を空から眺める
 島内観光バスに突然、乗り込んできたのは小型機のパイロットだった。
「遊覧飛行に参加する人はいますか。約15分で100AUDです」
日本円で1万円弱。迷わず手をあげた。
世界最大の砂の島、フレーザー島の景観は空から俯瞰しなければわからない。ラフティングやヘリスキーなどと同じ免責同意書にサインし、クレジットカードで支払いを済ませると、すぐに出発だ。
 「準備はいいかい?」パイロットの問いかけに答える。
「OK」
プロペラが廻り始めた。滑走路はどこまでも続く砂浜、75マイル、およそ120kmのビーチ。あっという間に浮上すると、眼下に砂浜と熱帯雨林と湖がおりなす風景が広がった。
楽園と呼ばれる世界最大の砂の島
オーストラリア、クイーズランド州の南部、州都ブリスベンから車で北へ2時間ほどのところにあるフレーザー島は、先住民バッチュラ族の言葉で「ガリ」と呼ばれる。「楽園」という意味だ。1992年に世界自然遺産になった世界最大の砂の島である。
だが、荒涼とした砂丘だけの島ではない。砂の上に熱帯雨林が生い茂り、砂丘のくぼみに雨水がたまってできる「宙水湖」が点在する。砂と緑と水がおりなす独特の景観は、まさに美しい楽園だ。 フレーザー島の名称は、1830年に難破したイギリス船の船長の妻、エリザ・フレーザーに由来する。唯一の生存者で、先住民と生活した後に帰国している。
近年、オーストラリアでは、地名を先住民の名称に回帰させる動きがある。たとえば、「エアーズロック」も「ウルル」とあらためられた。フレーザー島も「ガリ」の名称が使われつつあり、2021年には世界遺産の登録名称を「ガリ」とする取り決めがなされた。
 私が参加したのは、その名も「ビューティースポッツ・ツアー」という、フレーザー島の代表的な美しい景観を4WDのバスで巡る島内観光である。ツアーのハイライトが島の東側に延々と続く75マイルビーチの疾走。その途中で、遊覧飛行を体験した。
 車で走れる砂浜は、日本にも石川県羽咋市の千里浜ドライブウェイがあるが、ここはスケールが違う。千里浜は約8km。世界最大の砂の島であるこちらは約120kmである。しかも途中に岩があったり、波打ち際まで車が走行したりと、かなりワイルドなため4WD専用になっている。
 そもそもフレーザー島は、島内の主要道路も舗装されていない。島全体が砂でできているため75マイルビーチならずとも、内陸部を移動するのも砂の道を走ることになる。あえて便利にしないことで、自然を守り、理念を理解する人だけを誘致するのは、エコツーリズムの考え方の一つだ。
エコツーリズムとは何か
 ツアーの主催はフレーザー島が世界遺産に登録された1992年に開業したキングフィッシャーベイ・リゾートだ。オーストラリアで初めてのエコツーリズムを実践する大型リゾートである。
エコツーリズムとは何なのか。
 日本エコツーリズム協会は
「自然・歴史・文化など地域固有の資源を生かした観光」
「観光によってそれらの資源が損なわれることがないよう適切な保護、保全をはかる」
「地域資源の健全な存続により地域経済への波及効果が実現する」
の3項目をあげている。だが、本当のところ、明確な定義はない。
 私なりに調べてみたところ、サステナブルツーリズムより以前、1980年代頃に生まれた概念で、自然の体験を重視するものである。エコツーリズムと比較すると、サステナブルツーリズムはより包括的な概念と言える。
持続可能性のコンセプト、例えば環境に配慮したホテルや、そうした食材を使うレストランを利用するなどの条件に合致していれば、大都市でもサステナブルツーリズムが成り立つのに対し、エコツーリズムは、独自の自然や文化のある土地がフィールドになる。
 エコツーリズムの発祥は、野生動物の宝庫であるアフリカや熱帯雨林の多い中南米だ。
かつてアフリカでは野生動物の狩猟、中南米では熱帯雨林を破壊する林業や大規模農業が地元の経済を支えてきた。自然を守るためにそうしたことを止め、代わりに地元の経済的利益を確保するため生まれた観光のかたちがエコツーリズムである。
1980年代以前からそうした観光自体はあって、後から、エコツーリズムという言葉や概念が当てはめられるようになった。これらのエリアでは、今も観光業イコール、エコツーリズムである国が少なくない。
豊かな資源が生んだ悲劇
 フレーザー島の歴史も中南米などの状況に似ている。イギリス人に「発見」された後、19世紀以降、建材に敵した材木が多かったことから、林業が盛んになった。さらに砂の中に希少鉱物が発見され鉱業も発展した。
その結果、美しい緑と砂の風景は破壊され、島を「楽園」と呼んだ先住民は入植者との軋轢を経て、居留地に閉じ込められ、持ち込まれた伝染病で多くの人が亡くなった。
 こうした負の歴史に終止符を打ち、本来の美しい景観を取り戻すために注目したのがエコツーリズムだった。キングフィッシャーベイ・リゾートが開業する前年、島の林業は終了した。
1993年、屋久島が日本で最初の世界自然遺産となったが、ここもかつては林業の島だった。森を破壊する林業からエコツーリズムへ、それは1990年代の潮流でもあったのだ。
 今回、私がフレーザー島を訪れたのは8月初旬。南半球では冬の季節にあたる。
常夏のクイーンズランド州だが、最南部にあるフレーザー島の朝晩は肌寒く、泳ぐには水が冷たい。
 ◇120キロ続く美しい砂浜の景観を、陸と空との両方から堪能した山口さんだが、水は冷たく、泳ぐことはできなかった。だが8月はフレーザー島の観光ハイシーズンだという。
常夏のクイーンズランド州にいながら泳げない季節がなぜ人気なのか。
山口さんが遭遇した感動の体験は、後編「クジラ遭遇率100%! 豪州・フレーザー島がエコツーリズムの先進地である理由」でお伝えする。山口 由美(旅行作家)
https://news.yahoo.co.jp/articles/fe71230fc0909ae6cd2a6dcb2de3c47bd55dbe8b?page=1

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末広でアイヌ文化に触れて 19日釧路でライブ【釧路】

2022-11-14 | アイヌ民族関連
釧路新聞2022.11.13
 東北海道最大の歓楽街「末広」で、観光やビジネスで来釧した旅行者に、音楽や文化の思い出をつくってもらおうという新事業「Rir(リル)」が19日、釧路市川上町4の多目的ホール「アイコム・イベントホール」で始まる。釧路市体験型観光コンテンツ造成支援事業補助金を活用して今年度内に合計3回実施。2023年度以降も継続して開催できるよう準備を進めている。(山本雅之)
 アイコム・イベントホールは2010年6月、フォグタウンビル2階にオープン。釧路、道東から音楽やダンスなどのエンターテインメント文化を発信し、プロアマ問わずステージに立つ機会を提供しようと、定期的にステージイベントを行ってきた。プロミュージシャンの演奏を聞きながらの歓送迎会やクラス会、忘新年会などでも利用されてきた。コロナ禍で休業を余儀なくされたが、今春から、少しずつイベントを再開している。
 新事業の立ち上げは、同ホール運営のほか、観光遊覧船の運航などを手掛ける、アイコム(釧路市愛国西1)の佐久間陽介代表取締役の発案。観光客から「市街地でアイヌ文化に触れたい」「ライブバーはないのか」という要望を耳にしたのがきっかけで、同ホールで音響や照明などを担当する楽音ファクトリー(釧路市阿寒町布伏内)の真野知也代表取締役と計画を練った。釧路出身の地元アーティストによるステージにこだわり、ステージセットも阿寒湖温泉在住の木彫り作家、藤戸康平氏が手掛けた。
 初回のテーマはアイヌ文化と現代音楽の融合。アイヌ民族の伝承歌謡を歌う姉妹「カピウ&アパッポ」、ラッパーの「ザ・クエスチョン・ラヴ」、スリーピースバンドの「タデクイ」が出演し、ジャンルを越えた共演も予定している。「Rir」はアイヌ語で「波」を意味し、佐久間さんは「釧路を旅する新たな楽しみを創造する思い。多様な文化の波が寄せては返すイベントにしたい」とにっこり。真野さんも「阿寒湖温泉街に行かなくても、アイヌ文化を楽しめる意義は大きい。ツアーの旅程に組み込まれるような事業に育てる」と話している。
 開場午後6時30分、開演同7時。料金は一般2000円、学生1500円(中学生以下無料、ドリンク別料金)。問い合わせは、アイコム0154(36)7272へ。

釧路市中心街でアイヌ音楽と現代音楽の融合を楽しんで」と来場を呼び掛ける佐久間さん(右)と真野さん
https://hokkaido-nl.jp/article/27186

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【今週のSDGs Picks】民族衣装で6000メートル峰へ ボリビア先住民女性

2022-11-14 | 先住民族関連
AFPBBNews2022年11月13日 20:00 発信地:その他/ボリビア [ ボリビア 中南米 ]

いてつく夜に氷を踏みつける足音を突風がかき消す。その風でスカートが大きく膨らんだ。
 ボリビアの先住民アイマラ(Aymara)の女性10人がゆっくりと山腹を登っていく。身に着けている伝統衣装は彼女たちにとって、解放を意味する。
 このグループは、登山を通して先住民女性の権利運動に取り組んでいる「チョリータス・エスカラドーラス・デ・ボリビア・ワルミス(Cholitas Escaladoras de Bolivia Warmis)」だ。ボリビアで先住民女性は「チョラ」とか「チョリータ」と呼ばれる。 
 山岳ガイドの父を持つセシリア・リュスコさん(36)は、標高6000メートルを超える雪山ワイナポトシ(Huayna Potosi)の登頂を少女の頃から夢見ていた。
 だがリュスコさんはもっぱら男性の登山準備を手伝うばかりだった。次第に「なぜ私たちは山に登れないの?」と改めて疑問に思うようになった。男性たちからは「女が山でいったい何をしようというんだ」といった反応しか返ってこなかった。
 最初の遠征から7年を経て、ボリビアからペルー、アルゼンチンの10か所前後の山を制覇した今年、チョリータスは再びワイナポトシ山に挑んでいる。
 そしてあくまでも自分たちの装いにこだわった。リュスコさんは長い髪を編み込み、毛糸の茶色い髪飾りを着けている。「女性の強さや勇敢さ、自分たちの服で登頂を成し遂げられることを示したかったのです」
 一行は山小屋で数時間休んだ後、夜の11時に起きると、伝統衣装の色鮮やかな「ポリェラ」と呼ばれるプリーツスカートをはき始めた。
 専業主婦や歩荷(ぼっか、荷物を背負う運搬業者)、ツアーガイドなどさまざまな女性から成るグループは、真夜中に氷河を登り始める。山頂で迎える日の出に間に合うようにだ。
「ポリェラをはいている女性はたくさんの差別を受けてきました」とリュスコさんは言う。国際機関によると、ボリビアはフェミサイド(女性を標的とした殺人)の発生率が南米で最も高い。ボリビア人口の約半分を占める先住民は長年、社会から疎外されている。
「雲の合間を飛ぶ」
 夜の暗闇の中に見えるのは、氷上を照らすランタンの列だけだ。
 一人、また一人と安全ベルトにしっかりつかまり、30メートル下の谷底に落ちないよう、慎重にアイゼンを氷に突き刺して進んでいく。
 登るにつれて酸素レベルが下がり、気温も氷点下10度まで落ち込んだ。山頂近くで、メンバーのうち2人が力尽き、断念した。
 夜明けの光が差すと、18~42歳の日焼けした女性たちの顔が輝いた。眼下の雲の合間には、雪をかぶった山の頂がいくつも突き出している。チョリータたちは立ち止まって携帯電話を取り出し、日の出を撮影する。
 険しく狭い最後の坂をロープにつかまり、ゆっくり進むと山頂に着いた。全員が笑顔で抱き合い、踊り出した。「頂上にたどり着くと、雲の間を飛んでいるみたいです」とリュスコさん。数メートル下の平地で、女性たちはサッカーに興じた。
 アルゼンチンにある南米最高峰アコンカグア(Aconcagua)を2019年に制覇したチョリータスの14人の次の目標は、世界最高峰エベレスト(Mount Everest、標高8849メートル)だ。
「私たち女性はいくつかの障壁を打ち破ってきました。(中略)アイマラ文化を高く掲げて、さらに進んでいきたいです」とリュスコさんは語った。
 映像は8月13、14日撮影。(c)AFP/Martín SILVA
https://www.afpbb.com/articles/-/3433325

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コロナ禍で平均寿命が大幅に低下 人種・民族により違いも

2022-11-14 | 先住民族関連
Forbes2022/11/13 08:30William A. Haseltine
新型コロナウイルス感染症が人類の歴史にもたらした暗黒の時期を忘れて未来に進みたい人は多いが、私たちは今後数世代にわたり、新型コロナウイルス感染症やその余波を感じ続ける可能性が高い。
理由は、新型コロナウイルス感染症の長引く後遺症だけではなく、新型コロナで平均寿命が劇的に低下したことにある。
米疾病対策センター(CDC)の新たなデータからは、米国の平均寿命が2019~21年の間に計2.7年短くなり、76.1歳になったことが分かった。これは、1996年以降最低の数字だ。
痛ましいデータはこれだけにとどまらない。特定の人種や民族集団の平均寿命が、他の集団よりも大きく影響を受ける状況が続いているのだ。
米国は世界で最も裕福な国であるにもかかわらず、平均寿命は先進国の中でも特に短い。世界銀行のデータによると、米国は新型コロナウイルス感染症流行下での平均寿命の低下幅が先進国でも特に大きかった。
日本の新型コロナウイルス感染症による死者数は10万人当たり36.73人だが、米国では10万人当たり324.25人だった。 
しかし、平均寿命が短くなった国は米国だけではない。科学誌ネイチャー・ヒューマン・ビへービア(Nature Human Behavior)に今年掲載された調査によると、平均寿命がコロナ禍前の水準に戻った国は、世界でもベルギー、フランス、スウェーデン、スイスの4カ国のみだ。 
研究者らは、期間生命表と呼ばれる技術を用いて平均寿命を計算した。この技術は、仮説上の乳児10万人に対し、乳児の生涯のそれぞれの年に、2021年に実際の人口で観測された死亡率を適用するものだ。
こうして作られたデータは、2021年に実際に生まれた子どもの平均寿命ではなく、平均寿命が特定の時点でさまざまな年齢集団にどう当てはまるかを示している。 
米国の平均寿命は、1918年のインフルエンザの流行と第2次世界大戦、HIV危機を除き、過去100年で少しずつ伸びてきていた。
新型コロナの流行は、こうした進歩の大半を失わせてしまった。米国で2020年と2021年に平均寿命の変化をもたらした死因全体において、50%以上は新型コロナウイルス感染症に直接関連していた。
麻薬の過剰摂取を主な理由とした不慮の損傷も、平均寿命の変化に寄与した死因の15%を占めた。他の原因としては、心臓病や慢性肝疾患、自殺による死者の増加もあった。 
新型コロナ関連の心的外傷後ストレスの影響も軽視できない。米国では2020年、麻薬の過剰摂取による死者数が9万1799人に達し、その数は2020年3月から加速的に増え、2019年と比べると30%増加している。
またメンタルヘルス障害の割合もコロナ禍で急増している。米国人の間で報告されるうつ病や不安障害の割合は、2019年の6倍になった。
患者の体や心、社会的な健康を治療する統合医療システムを作ることが、コロナ禍に続く心的外傷後ストレス障害(PTSD)や依存症などのシンデミック(複数の疫病などが重複して発生し、相互に悪影響を及ぼすこと)と闘う上で非常に重要だ。 
インフルエンザや肺炎による死亡件数の低下により部分的に相殺されていなければ、平均寿命はさらに大きく低下していただろう。こうした病気による死者数は、マスク着用や対人距離の確保など新型コロナ関連の予防策を理由として減少していた可能性が高い。
しかし、呼吸器疾患に対する予防策がほとんど実践されず、オーストラリアのデータが示すように深刻なインフルエンザの時期が見込まれる中、こうした死者の数は増える可能性が高い。 
一部の人種や民族集団の間で新型コロナが特に大きな影響を及ぼしていることは憂慮すべきことだ。平均寿命の下げ幅は非ヒスパニック系米先住民やアラスカ州の先住民の間で最も大きく、6.6年だった。ヒスパニック系の間では4.2年、非ヒスパニック系黒人の間では4年、非ヒスパニック系白人の間では2.4年、非ヒスパニック系アジア人の間では2.1年だった。
米先住民やアラスカ先住民の2021年の平均寿命はあらゆる人種や民族の中で最も短く、65.2年だった。これは、米国の人口の1944年の平均寿命と同じだ。 
多くの米先住民やアラスカ先住民はヒスパニック系や黒人と同様、新型コロナウイルスにさらされる可能性が高い必要不可欠な仕事に就いていた人が多く、コロナ禍1年目に他集団よりも死亡率が不相応に大きかった。
CDCの調査の研究者らは、コロナ禍前の慢性疾患のまん延や貧弱な医療により、先住民が特に大きな影響を受けたと示唆している。こうした格差が広がり続けないようにするには、国民意識やコミュニティーリレーションズ、医療システムの説明責任を改善する必要がある。(forbes.com 原文)
https://www.msn.com/ja-jp/news/opinion/コロナ禍で平均寿命が大幅に低下-人種・民族により違いも/ar-AA142IdQ

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