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縄文遺跡 世界遺産登録の一助に あす岩手でアイヌ舞踊や歌 千歳保存会

2012-05-21 | アイヌ民族関連
(北海道新聞 05/19 16:00)

 【千歳】千歳アイヌ文化伝承保存会(石辺勝行会長)が20日、岩手県一戸町の御所野遺跡で古式舞踊などのアイヌ文化を披露する。縄文遺跡を世界遺産に登録する活動の一環で、石辺会長は「千歳も遺跡の多いマチ。世界遺産登録の一助になれれば」と練習を重ねている。
 保存会は、アイヌ民族以外も入会できる団体で、現在会員は36人。アイヌ語と刺しゅうの教室を月2回ずつ開催するなど、アイヌ文化を伝えていこうと活動している。道外での公演は7年ぶり。
 岩手県で公演するのは8~69歳のメンバー12人で、2種類のリムセ(舞踊)とウポポ(座り歌)、ホリッパ(踊り歌)、カムイユカラ(動物神話)を披露する。
 一方、2015年度に世界遺産登録を目指している縄文遺跡は道内4カ所のほか、青森、秋田、岩手の3県に計11カ所。今回の御所野遺跡もその一つだ。公演を主催する御所野縄文博物館の高田和徳館長は「アイヌ文化を学び、発信を深めたい」と狙いを語る。
 縄文とアイヌ文化について、伊達市噴火湾文化研究所の大島直行所長(考古学)は「自然に畏敬の念を持ち共存する自然観や、決して争わない社会観など、現代人が失った高い精神性が共通点」。その上で「アイヌ民族がその精神性を縄文から受け継ぎ、現代まで継承してきたことが、縄文遺跡の価値を高めることにつながる」と解説する。
 保存会が披露するカムイユカラは、千歳川のサケを自分たちだけのものと思っている人間にキツネが談判する話。またリムセは、動物の霊をあの世に送るイオマンテなど祝いの席で踊ることが多い。「送り」は縄文からの思想といわれている。
 「しっかり練習して恥ずかしくない踊りを披露したい。岩手に行くメンバーの心にも残るような公演にしたい」と石辺会長。アイヌ文化と縄文、互いの魅力を高め合う公演になりそうだ。(鈴木誠)
http://www.hokkaido-np.co.jp/news/sapporo/373550.html

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