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日本を愛したイタリアの文化人類学者

2009-12-08 | 日記
(MSN産経ニュース 2009.12.7 08:14)
 ■フォスコ・マライーニ『随筆日本』 半世紀ぶり翻訳出版
 戦前から戦後にかけて長く日本に滞在したイタリアの文化人類学者で、作家、写真家としても知られるフォスコ・マライーニ(1912~2004)の代表作『随筆日本-イタリア人の見た昭和の日本』(岡田温司監訳、松籟(しょうらい)社)の翻訳出版を記念するイベントが東京都港区のイタリア文化会館で開かれた。
 マライーニはアイヌ文化の研究者として1938年に来日し、京大講師などを務めた。戦時中は43年のイタリア降伏後、日本が承認したムソリーニ派政権への忠誠を拒否したため、敵性外国人として名古屋の収容所に抑留された。
 戦後再び来日し、石川県輪島市の舳倉(へぐら)島の海女(あま)といった日本の習俗や文化を広く世界に紹介した。72年にはフィレンツェ大学に日本語学科を創設するなどヨーロッパにおける日本研究の第一人者として知られた。
 『随筆日本』は56年に出版され、イタリア本国で重版された。英語など数カ国語に訳され、現在でも欧州では日本に興味を持つ知識人の必読書の一つとなっているという。
マライーニの友人の岩倉具忠・京大名誉教授は「半世紀前の西洋人は植民地主義を背景に、日本を遅れた国と見るか、逆に欧州では失われた伝統が残る古き良き国として見るかのどちらかしかなかったが、フォスコの視点は初めから違った」と語る。「彼は人類学者としての鋭い観察と深い理解に基づき、西洋文明の基準には当てはまらない別種の文明を日本に見いだした」と評した。
 イベントでは、2001年の米中枢同時テロの発生にショックを受けたマライーニが、90歳近い高齢にもかかわらず「今からイスラムの専門家になる」と言って、家族が止めるのも聞かず猛勉強を始めたエピソードも明かされた。最晩年になっても、不自由な体を押して最後まで異文化間理解への使命感を抱き続けた。
 閉会に際し、マライーニ夫人の見江子さんが「主人は戦争中の苦しい経験にもかかわらず、日本を第二の故郷だと愛しておりました。現在の日本は主人の見た当時の日本とはだいぶ変わってしまったようですが、根底にあるものは変わっていないとも申しておりました」と挨拶した。

http://sankei.jp.msn.com/culture/academic/091207/acd0912070818004-n1.htm

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