毎日新聞 2025/8/28 東京朝刊 有料記事 1019文字
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興味深い地図がある。形はオーストラリア。そこにパッチワークのように細かく色分けがされている。一見、アートのよう。
このオーストラリア先住民研究所(AIATSIS)の地図は、先住民を言語、社会、地域グループごとに視覚的に表している。
18世紀後半、英国は「無主地」だとして植民地支配を始めた。だが、先住民がいた。250を超える言語と800を超える方言が話されていたという。カラフルな地図は多様な文化の存在を物語る。
先住民であるアボリジナルの女性たちによるアートや演劇作品の存在感が高まっている。東京・京橋のアーティゾン美術館で開催中の「彼女たちのアボリジナル・アート オーストラリア現代美術」は7人と1組の作品を紹介する。
オーストラリアは1960年代に先住民の市民権を認め、70年代には白豪主義から多文化主義へかじを切った。先住民のアートに注目が集まるようになったが、当初は男性中心だったという。
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