西村一朗の地域居住談義

住居・住環境の工夫や課題そして興味あることの談義

巽 和夫先生の思い出と思い

2012-11-08 | 京都の思い出(学生時代)
巽 和夫先生(京大名誉教授)が11月6日に亡くなられた。享年83歳。私より丁度「一回り(12年)」年上の先生であり先輩だった。

私が京大大学院修士2回生の頃(1965年頃)、建設省建築研究所から京大工学部建築学科助教授で「戻られた」と思う。西山夘三教授の下の「建築計画学講座」の助教授である。

以後、経緯色々あって、西山先生が、新設の「地域生活空間計画学」教授に横滑りの後、巽先生が「建築計画学講座」の教授になられた。

私は、京大大学院工学研究科修士課程を「西山研究室」で過ごして修士論文を書き、西山先生の推挙で愛知県にある国立豊田高専に助手として就職、4年後に、これも経緯あって京大「三村浩史研究室」助手として戻った、そして2年後に「西山研究室」助手に移り、西山先生最後の助手を勤めた。

そして更に2年後、西山先生が退官されて、私は西山先生の推挙と扇田先生(扇田 信奈良女子大教授)の「引き」で奈良女子大学に助教授で赴任した。

ところが、32歳を過ぎているのに未だ学位(京大工博)が取れていなくて、以後、奈良では扇田先生、京大では巽 和夫先生の助言・指導で、ようやく40歳をこえて取得出来た。巽先生に心から感謝している。

特に豊田高専時代は、月に一回京都に来て「自主研修」(費用は竹中奨学金)していたが、巽先生には「オープンゼミ(誰でも参加できるゼミ)」を開設して頂ただき、大いに議論、指導して頂いた。「豊田高専」に就職したこともあり、「建築技術論」をテーマに選んだこともあって、巽先生に「指導教官」になっていただいたのだ。

「オープンゼミ」は楽しく、夏休みに京都西山のお寺で合宿したこともある。

実際の私の学位論文の題は『都市集合住宅地共用空間の共同管理に関する研究』で、多分、巽先生ご指導の学位論文では「住宅、居住地管理」テーマの「はしり」と思う。

巽先生は、元々「建築生産学派」であると私は思っていたが、その後、「ハウジングの研究」「建築企画の研究」「行政建築家の提案」などもされていて、一言で言えば「建築プロセス制御工学」を目指しておられたのではないか、と推量している。

後に続く「若手」に大いに期待する。

巽先生、本当にありがとうございました。安らかにお眠り下さい。

通知ー

通夜: 11月9日(金)19時~
告別式:11月10日(土)11時~
場所: 龍雲寺
(JR京都駅よりJR奈良線(約15分)に乗り換え、JR桃山駅下車徒歩10分ー北へ歩く)
(近鉄桃山御陵前下車、東へ歩く、国道24号線を越え更に東に、JR奈良線踏切を越え直ぐ北(左)に折れる、まっすぐ北へ約5分)
*まことに勝手ながら、御供花、御香典の儀は固くご辞退申し上げます、とのことです。


最新の画像もっと見る

コメントを投稿