西村一朗の地域居住談義

住居・住環境の工夫や課題そして興味あることの談義

西山夘三著『現代の建築』(岩波新書)の再読へ

2012-10-18 | 京都の思い出(学生時代)
今日、自宅(京都府内)の書棚を整理して学生時代(1960年~1966年)に初めて読んだ本を最上段に並べた。その中に今は絶版になっていて古本でしか買えない、あるいは大きな図書館でしか読めないだろう西山夘三著『現代の建築』(岩波新書)があったので、手に取って見た。

この本は、岩波新書の(青版)229番、1956年(昭和31年)1月16日に第1刷、1962年(昭和37年)7月20日の第9刷を買った。130円だった。私は京大工学部建築学科3回生であった。教養課程から専門課程に進み、ある意味、勉学意欲に満ちていた。西山先生の講義も目の前で聞いてはいたが、まとまった著書を読んでみたいと思ったのである。

その新書のカバーの帯書きには、「戦後の建築はぐんぐん美しくなっている。都市美を代表するオフィスやデパート、劇場などはいうまでもなく、集団住宅や個人のすまいにも戦前とは違った近代的な様式が大胆にとりいれられている。本書は、近代建築の美しさや合理性を、その歴史的な変遷、技術上の進歩、生産の仕組みの問題など、さまざまな角度から検討し現代建築の課題を提供する。」とある。

全部で6章構成、Ⅰ私たちの生活と建築 Ⅱ建築技術の進歩 Ⅲ棟梁から建築家へ Ⅳ建築の美しさ Ⅴ国民の建築 Ⅵむすび 計184ページである。

今日は、Ⅳ章 建築の美しさ をざっと読んだ。色々と近代の建築、建築家、建築理論を幅広く取り上げており、西山先生の「学習・研究」の幅広さも窺える。

まあ、モスクワのモスクワ大学や地下鉄のデザインに対する評価は、未だ「社会主義」を前提にしているが、現在生きておられたら又別の評価をされるだろうと思う。

西山先生は生きておられれば101歳、医者の日野原重明さんと同じだ。二人とも学部は違うが戦前の京都帝大の卒業、キャンパスで通りすがりに会っていたかもしれない。

今日、見た書棚には、故人の服部千之先生(名工大、京大大学院、西山研究室修了)や長峰晴夫先生(住宅公団、名大、東大卒)の本もあった。読み返していきたい。

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