西村一朗の地域居住談義

住居・住環境の工夫や課題そして興味あることの談義

兼六園、兼六タウン構想

2005-07-06 | 地域居住学
兼六園は、わが故郷・金沢の名園である。前に金沢の各家の庭のモデルではないかと言ったことがある。兼六園とは「六つの良い所を兼ね備えている」園という意味である。その六つとは「宏大、幽邃(ゆうすい)、人力、蒼古(そうこ)、水泉、眺望」であって、二つずつとって見ると互いに矛盾する面がある(例えば、「眺望台」から左手に日本海、真ん中に卯辰山、右手に戸室・医王山の素晴らしいパノラマ(眺望)が見渡せるが、その「台」の直ぐ横が「霞が池」で、これまた素晴らしい水泉で、「眺望」と「水泉」のどちらを見ようか迷うのである)が、それらを何とか一つの空間のまとめたのが兼六園である。
全然違う話だが、ある時、金沢のまちづくりを考える時「兼六タウン構想」と名づけたら分りやすいのでは、と思ったことがある。曰く(1)町内が20戸位のコミュニティ、(2)何処に行くにも選択できる二つの道(例:表通り、裏通り)、(3)道は曲がりくねって狭いが大人の歩行や子供の遊びに安全、(4)何処にいくにも歩行、自転車そして電車で用がたりる、(5)近くに泳いだり魚とりの出来る清流がある、(6)遠くに緑の山並みが眺められる。これらは、私が子供の頃(1955年前後)に住んでいた金沢市寺町台を原風景としている。(初出:宮本憲一先生との出会いと付き合い、『財政学散歩』1993年5月号)

最新の画像もっと見る

コメントを投稿