西村一朗の地域居住談義

住居・住環境の工夫や課題そして興味あることの談義

月給と週給(日本とイギリス)

2007-12-14 | 生活描写と読書・観劇等の文化
日本の給料の払い方の基本は月給で、かっての(1982年頃にも聞いた)イギリスは、基本が週給だった。現在は、月給も増えているようだ。
19世紀頃のイギリスの風俗画というか庶民生活の「写生」を見ていると、パブ(イギリス風居酒屋)の前で週給を貰っての帰りの旦那を女房が待ち受けていて、旦那の手から週給(袋)をもぎ取っている図がある。これは、黙っていると旦那がパブで週給を使い果たす恐れがあるためだ。これは、極端な一例だが、週給だと「7日間の生活が持てばいい」ので、計画的使用への強制力は弱い。その点、日本の月給では、それで30日間もたねばならないので勢い計画的に配分して使わざるをえなくなる。日本で大抵の世帯が家計簿をつけているのも、計画的消費、生活のためだ。

イギリスで住宅管理を始めたオクタヴィア・ヒル女史が、定期的に借家の家賃を集めつつ、住宅や共用空間の傷み具合をチェックすると共に、計画的生活の勧めを説いて回ったのは、1860年代、日本の明治維新の頃で、それが「住宅管理人(兼生活指導者)」という特に女性の職種を生み出したのだ。最近は、イギリスでも経営の観点からも月給が増えているらしいが、庶民の計画的生活態度はどうなっているだろうか。
(写真は、ナショナル・トラストも創始したOctavia Hill女史)

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