西村一朗の地域居住談義

住居・住環境の工夫や課題そして興味あることの談義

「階級、階級闘争」から「小集団、個人参加」へも

2011-07-30 | 地域居住学
マルクスは、色々なことを「発見」し、我々に伝えたが、階級および階級闘争の発見は、凄いインパクトを世に与えた。

私は、学生時代、卒論のことを助教授の上田 篤さんに相談した時(喫茶店「進々堂」で)、私は無前提に「労働者階級の住まいに先進性があるのではないか。だから、それらの調査をしたい。」と言った時、上田さんから厳しい「教条主義批判」を受けたことを覚えている。

今でも大きく言えば階級、階級闘争が重要なことは、論をまたない。

しかし、実態として「労働者階級」やそれを主体とする「階級闘争」は、色々な理由で下火と言わざるをえない。

そのかわり、「小集団(アソシエーションやコミュニティ)や個人(地域住民、市民)」の多様な活動、運動が目立っている。NPOやボランティアもそうである。

私は、それらを正にマルクス、エンゲルス時代にはなかったこととして、現代的動きとして評価し、励まさないといけない、と思っている。それらの活動は、代議員制度とともに将来の新しい豊かな民主主義にとっても一つのベースとなりうるだろう。

皆さん、それぞれの持ち場で頑張っていきましょうね。

デンマークのアンデルセン

2011-07-30 | 生活・空間・芸術と俳句・川柳・短歌・詩
テレビ北欧特集でデンマークの童話作家アンデルセンの「生い立ち」を見た。

デンマークの第三都市オーデンセに19世紀の初頭に生れ、家庭的に色々な悩みを抱え、10代にコペンハーゲンに出た。当時のデンマークは絶対王政で、下層階級出のアンデルセンは、ある意味で苦労した。しかし、ある貴族の「引き」を得て童話作家として地歩を築いていく。

「みにくいあひるの子」「マッチ売りの少女」 など良く覚えている。下層階級の悲哀と誇りを反映している。

有名になってから、彼はヨーロッパ中を旅行し、フランスのバルザック、デューマ、ユーゴ、イギリスのディケンズなどと面会、交流した。

ヨーロッパは「革命の世紀」、1948年にフランスで革命がおこるが、それについてアンデルセンは何も言っていない。デンマークは、絶対王政から立憲君主制に「平和的に」移行したのに。その年は、正にマルクス、エンゲルスが『共産党宣言』を著した年である。

まあ、とにかく「隔世紀」である『19世紀 再考』を実践していきたい。