西村一朗の地域居住談義

住居・住環境の工夫や課題そして興味あることの談義

言葉による反応ーアンケート調査ーと行動観察、行動追体験。要求統合。

2008-03-16 | 地域居住学
一昨日、友人のN.先生、梶浦恒男さん達と楽しい「駄弁リング」会があったのだが、その席で私は、住民の(空間)要求を把握するのにアンケート調査だけでは、全く十分ではない、限界がある、という話を、私のもうすぐ1歳になる末孫の要求を例にとって説明した。
参考:おじいちゃんのはいはい:http://blog.goo.ne.jp/in0626/e/774066407f6c9f55028d37d8b11d4c5a

すると梶浦さんは、「アンケートは、言葉で反応する、言葉で答えるのだが、言葉には、嘘が混じる可能性がある。それに対して行動は嘘をつかない。行動をしっかり観察すべし。」と言った。まことにその通りである。口先三寸は、どこでもありうるが、実際に体が動いていることは、そういう要求が実際にあるからなのだ。

そこで、物言わぬ赤ん坊や「論理的言い方」が出来ない認知症の人の(空間)要求を把握するには、彼らの行動の観察と、出来れば彼らの行動の追体験をする必要があるのだ。

こういう話をしていたら「教育学」のK.先生が、「群として要求をまとめて、それが傾向、とやるのではなく、個々人の要求を丁寧に捕まえる必要がある」といった発言をされた。それももっともなことだ。

アンケート調査で、一番要求の強いものを取り上げ、そのようにする、というのは、まあ多数の要求に応えることにはなるが、大多数(全員)の要求に応えることではない。そのようにするためには、個々の要求を先のような方法論で明らかにし、それらを取り上げ、それらをコンピューター技術を駆使して重ね合わせるようにする、というのが今後の方向であろう。