ロッキングチェアに揺られて

再発乳がんとともに、心穏やかに潔く、精一杯生きる

2022.5.4 GW家族旅4日目 盛岡出発、世界遺産・平泉観光後、仙台入り

2022-05-04 23:11:39 | 
 昨夜は、前の日に宿泊したホテルよりお風呂が大きくゆったり出来てほっとした。
 入浴後は2人の部屋で林檎ジュース飲み比べ大会。自販機で買える様々な種類のストレートジュースがあまりに美味しくてびっくりする。王林、ふじそれぞれの甘みと舌触りの良さに、青森の方たちが羨ましいねと話し合った。

 そして、今朝。前日より1時間ほど遅い朝食時間だったので、少しゆっくり眠ることが出来た。夜中に1度目覚め、また寝直して普段通りのアラームが鳴った後、再びとろとろ眠って予定通りに起床。
 浴槽足湯をして身支度、パッキングも済ませる。10階の部屋の窓から見える山々がとても美しい。時折新幹線はやぶさ号が発車する姿も見える。
 その写真を2人に送るが、なかなか既読にならない。大丈夫かな?と思うが、案の定約束時間の10分前まで寝ていたという。寝起きでぼーっとした2人とエレベーター前で合流する。

 レストランは長蛇の列。なんとか4人席を確保して朝食スタート。三陸産サンマのつみれ汁など郷土食も味見して、今朝もちょっとずつ色々しっかり頂く。

 今日は盛岡を出発し、東北本線で平泉へ移動する。メインは中尊寺観光である。大昔、まだ結婚して間もないころ、夫とバス旅行で訪れたが、息子は初めて。息子のリクエストである。
 朝のニュースで、3年ぶりに春の藤原まつりが開催されていることを知る。昨日は源義経公東下り平安絵巻行列再現で、俳優の伊藤健太郎さんが義経役をされたとのこと、映像では凄い人出だった。新聞記事にもなっていた。

 ホテルをチェックアウトして在来線のホームに降りると、定刻の10分前に2両編成の電車が入線した。乗車待ちの列が実にソーシャルディスタンスを守っているのに驚く。そのくらい乗車客が少ないということか。
 しっかり座席を確保して、ロングシートに揺られること1時間20分ほど。

 今日は天気が良い。最高気温が24度、夏日に近くなるという。この旅行で初めてコートを脱いで薄いニットとジャケットになったが、それでもまだ着すぎのような気がする。夫も息子もシャツにジャンパーだ。
 私も薄手のブラウスを持ってくれば良かったのだが、寒くては困るということで、暖かいものばかり用意してきてしまった。

 定刻通り平泉駅に到着。世界遺産に指定された後、駅舎をリニューアルしたとのこと。雅な雰囲気を感じさせる駅舎である。まずは駅前の観光センターで地図と巡回バスの時刻表をゲットし、手荷物を預ける。

 徒歩で毛越寺(もうつうじ)を目指す。広大な境内には、かつて金堂園隆寺、嘉祥寺、南大門などの堂舎が並び、その前庭に“大泉が池”を中心とする浄土庭園が配されていたという。
 夫はかつて訪れた際の大きな池を覚えているというが、私はすっかり記憶の彼方。建物は殆ど何も残っていなかったが、池には昨日のまつりで義経公が乗った龍の頭の船が2隻浮いていた。
 芭蕉の「夏草や兵どもが夢の跡」の句碑もこちらにある。宝物館をゆっくり見る時間もなく、巡回バスに乗り込み、1日フリー乗車券を買って天台宗東北大本山中尊寺を目指す。

 中尊寺は850年、慈覚大師円仁の開山で、12世紀初め奥州藤原氏初代清衡公が前九年・後三年の合戦で亡くなった人々の命を平等に供養し、仏国土を建設するために大伽藍を造営した。堂塔の多くは14世紀に焼失したが、金色堂を始め三千余点の国宝・重要文化財を伝える平安仏教美術の宝庫である。

 中尊寺はとにかく坂がきつくて歩くのが大変だった・・・ということだけは覚えていて、しっかり歩けるようにスニーカーでやってきたのだけれど、30年前に比べて当然歳も取り、病気もあり、マスクもして、ということでハンディは相当大きくなっている。
 急な坂を黙々と歩くが、気温も上がってきており、かなりのきつさだ。弁慶堂、薬師堂、地蔵堂を経て、東北大本山の大きな提灯が下がる本堂へ。密を避けるために入場制限をしており、長蛇の列だ。
 ご本尊は丈六の釈迦如来。内陣には伝教大師最澄以来1200年の間受け継がれている不滅の法灯が灯されている。

 参拝を終えて、大日堂、不動堂、鐘楼等を巡りながら、願成就院で黄斑前膜の手術以来左目の調子が悪い母に「め」のお守りを買い求めた。ようやく金色堂の拝観券発行所へ辿り着く。
 寺社仏閣の拝観券はコロナ禍を経た今なおキャッシュオンリーのところが多いが、さすがに金色堂はカードが使えて助かった。息子は歴史の教科書の写真通りだ、とわくわくしながら歩を進めている。まずは三千点を超える国宝重要文化財を収蔵し、展示室で仏像仏具、藤原氏の副葬品等を拝観出来る讃衡蔵から入館。

 この辺りで既に空腹と喉の渇きのため、ヨレヨレしている。見るべきものは沢山あるのだけれど、完全にガス欠である。斬首した首を入れる桶が凄かったと息子が言うので引き返して確認するが、相当注意力散漫になっている。隣の枕の凹みは見たんだけれど・・・。蔵を出たところで息子が夫と私に飲み物を買ってくれて、ベンチに座って人心地着く。

 再び気を取り直して金色堂拝観の列に並ぶ。国宝金色堂は現存する唯一の創建遺構だ。ご本尊は阿弥陀如来。堂全体を金箔で多い、皆金色の極楽浄土を現世に表わしている。螺鈿細工、蒔絵等の漆工芸、精緻な彫金で飾られた平安仏教美術の最高峰。初代清衡公から四大泰衡公のご遺体が納められている。まさに歴史や美術の教科書通りである。ここには芭蕉の句碑「五月雨の降り残してや光堂」がある。

 さて、いよいよ空腹である。能舞台があるとのことで、さらに上へと登っていくと、丁度舞台が始まるところですよ、と案内される。沢山の観客に混じって冒頭だけ拝み、食事処を目指すが、40分待ちとのこと。これでは帰りの電車に間に合わない。
 我慢してひたすら山道を降り、どこかすぐに入れそうな処があれば入ることにする。

 急な下り道は膝にくる。転けないように歩く、歩く。結局、昼食時間には遅く、売り切れの食事処ばかりで駐車場まで降りてきてしまった。がっくり。何かお腹に溜まりそうなものを売っている場所もなく、ベンチに座って自販機で飲み物だけ買い、持っていたお菓子をお腹に入れる始末。とほほ。

 再び巡回バスで義経終焉の地・高館義経堂へ。またしても階段と上り坂である。かなり急。はあ。頑張って歩け、登れ、である。
 義経伝説の中心的存在である高館、その頂に建つ義経堂は仙台藩主伊達綱村が義経を偲んで建立したもので、本尊として木造の義経公像が祀られている。
 弁慶が立ち往生したという衣川を望み、眼下には北上川が静かに流れている。平泉随一の眺望とのこと、なるほど絶景である。ここにも芭蕉の「夏草や・・・」の句碑があった。

 這々の体でお参りを終えてバス停まで戻る。歩く元気もなく、隣の無量光院跡まで1停留所分だけ巡回バスに乗る。
 三代秀衡が建立した寺院の広大な境内地の中心に池があり、その中島に本堂となる阿弥陀堂が建てられていたというが、建物は全て失われており、発掘調査が進み、現在は池を中心に復元整備が行われているとのことで、池のみ。水面が光って美しかった。

 ということで、時間切れ。この後は、てくてくと駅まで歩く。帰りの電車の時間まで30分ほど。駅内のコンビニでパンやお菓子と飲み物を買い、駅のベンチで昼食代わりに。
 預けた荷物を受け取って、10分ほど2両編成の電車に乗って一ノ関まで。一ノ関に到着すると、着いたホームの向かいには、なんと1日1往復しかしないというポケモン列車がちょうど到着したところ。26歳児の息子の目が輝く。先頭車両で記念撮影をし、中を覗き写真を撮りまくって新幹線へ乗り換えである。
 新幹線の改札付近にはスタンプラリーもあって、ちびっこだけでなく、カップルや大人もスタンプを押している。みんな、1996年生まれ(息子と同い年)のポケモンが好きなのである。

 はやぶさ号で40分ほどの乗車で仙台入りした。さすがに草臥れ果てており、眠くて眠くてたまらない。
 仙台に到着。いきなり都会の匂いを感じる。さすが東北一の100万人都市である。人の多さと駅の立派さに目を見張り、あたかもお上りさんのようである私達である。
 昨日も一昨日も、ホテルは駅のすぐ前にあったが、今夜の宿は駅から少し離れていて歩道橋から見つけた時には皆でほっとする。
 ホテルにチェックインし、荷物を整理し、母にDuo通話で報告を終える。

 夕食は仙台麻婆焼きそばが食べられる中華レストランに繰り出した。息子が東北唯一のポケモンセンターに行きたいというので、同じショッピングセンターのレストランに。実質お昼が抜きだったし、各々があれこれチョイスしたどの料理も美味しく満足した。食後、息子と別れ、夫と私はコンビニで飲み物などを調達し、息子はポケモンセンター経由でホテルまで戻ってきた。

 長旅も最終宿泊地になった。私の旅も4日目。夫と息子は6日目となる。本日の万歩計は16,000歩超え。毎日の強行軍で夫も私もかなり疲労が溜まっている。今夜は天然温泉で疲れを取って明日に備え、早めに休みたい。
 今日、明日と仙台に2泊し、明後日にはようやく帰京である。

コメント
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