ロッキングチェアに揺られて

再発乳がんとともに、心穏やかに潔く、精一杯生きる

2022.5.2 GW家族旅2日目 再びリゾートしらかみ号で城下町・桜の街弘前へ

2022-05-02 23:14:18 | 
 昨夜、記事アップ後、大浴場に行ったのはクローズまであと30分という時間。誰も居ない貸し切り状態だった。さっと入って脱衣所に戻ると、宿で働く方が1人、2人とやってきた。
 夫と息子と合流して部屋に戻り電気を消したところで、2人が露天風呂で見た星空が素晴らしかったと言う。私は内風呂だけだったので見ていないと言うと、部屋から見える筈、と。

 部屋を暗くして窓を開けたら、口をあんぐりあけるほど満点の星空だった。こんな星空を見たのは小学生の頃の林間学校で行った長野の高原以来か。
 なるほどホテルのパンフレットには環境省の全国星空継続観察で深浦町は「日本一、星空が美しい場所」に設定されているという。ああ、見ておいて良かった、と満ち足りた気持ちで眠りについた。

 そして今朝。遮光カーテンではなかったので夜明けとともに部屋が明るくなる。昨日の曇天とは打って変わって良いお天気だ。青い海、青い空が部屋の外にパノラマのように広がる。4時半過ぎ、夫が早々とお手洗いに起きた後はもう眠れない。息子も起こして、5時過ぎには海辺の露天風呂に向かうことに。
 “海と一体化したような野趣溢れる露天風呂”との触れ込みだが、混浴と、女性風呂の二つはともにかなりワイルドな造り。女性にはフロントで湯浴み着を貸してくれる。最初に女性風呂に入ったところ、38度で大分ぬるい。外気温は10度に満たないし、風が強く吹いているし、かなり寒い。
 隣の混浴で浸かっている息子に、垣根越しに女性がいるかどうか確かめると、お一人いらっしゃるという。思い切って混浴へ移動する。こちらは41度でほどよい暖かさ。

 地球はかくも丸いのだということを実感する、水平線のダイナミックな眺めに見とれる。暫し言葉を忘れるほどの日本海の大パノラマ。全国の温泉フリークが訪れる処というのが頷ける。自然が織りなす壮大な空と海に抱かれる贅沢かつ至福のひとときを楽しむことが出来た。
 ちょっと大胆だったかもしれないけれど、湯浴み着で混浴というのは南紀白浜以来のこと。還暦退職記念のいい想い出になった。ぱぱっと着替えて大浴場へ移動。朝は男性と女性の浴室が入れ替わっている。こちらもほぼ貸し切り状態だ。こちらの露天風呂はさっと入るのに留めたが、海猫が近くを全く怖がらずに音もなく静かに旋回していくのに目を見張った。

 部屋に戻り、ぽかぽかする身体を投げ出して暫し休憩。
 起きてから2時間以上、昨夜は殆ど何も食べられなかったので文字通りのブレックファストである。和洋折衷のバイキングの朝食は海山の食材がたっぷり。昨日の夜頂けなかったお刺身もしっかりお腹に入れた。ストレートの林檎ジュースがお腹に染み渡るほど美味しい。果物も、雪人参のソースをかけたヨーグルトも美味だった。調子に乗って食べ過ぎるとまたお腹を壊すので8分目程度に留めた。いつもこうすればいいのに、ついつい・・・懲りないのである。すっかり満足して売店を冷やかしつつ、部屋に戻る。

 電車の時間まで1時間半ほど。荷物をパッキングし、食休み。夫は珍しく朝風呂に入ったことで疲れたのか鼾をかいて眠っている。
 チェックアウトし、記念写真撮影を済ませ、再びウェスパ椿山駅までシャトルバスで送って頂く。物産館でお土産を買い、ソフトクリームを食し、リゾートしらかみ号で今日は弘前まで。
 私は昨日と同じ行程を折り返すが、夫と息子はこれで秋田から全路線制覇である。昨日はくまげら号、青池号と2種類に乗り、今日は橅号ということで、これも3種類制覇の息子は満足そうである。今日はサロン席。ソファを、足を伸ばせる形に整えて、これまた快適なことである。
 それにしても昨日と同じ行程とは思えない。日本海の青、空の青、言葉に出来ないほどの美しさ。見事である。昨日とは停まる駅が大分違ったけれど、途中駅で津軽三味線のライブ演奏もあり、今日は先頭車両まで行って実際に目の前で楽しむことが出来た。
 日本海の絶景が終わると今度は雪を被った津軽富士と呼ばれる岩木山が美しく聳える。山々の稜線もくっきり、八甲田方面まで見渡せる。雲の動きが早い。林檎畑、一面の菜の花、大地が春の訪れを喜んでいるように見える。車内でオリジナルのグッズも買って満足して弘前駅で下車。2時間ほどの鉄旅だった。

 弘前駅では桜のアーチがお出迎え。大きなりんごやねぷたの飾り、りんごジュースだけの自販機等面白いものが目にとまるが、まずはキャリーケースをロッカーに預け、駅前で弘前さくらまつりの入園手続きをして、ブルーのリストバンドをゲットする。

 弘前には洋館建築が多く、素敵なフレンチレストランが沢山あるという。息子がお薦めのレストランを予約し、(3ヶ月前で既に予約が一杯になったそう)ご馳走してくれるというので、有り難くタクシーでレストランへ移動。赤い椅子と白いテーブル、桜のステンドグラスの置物が置かれ、素敵なレストランだ。13時半からの2回転目、満席である。

 アミューズ、前菜、スープ、メイン、デザートのコースをお願いする。奇跡のりんごのスープが絶品とのことで、スープは3人ともそれにアップグレード。夫と息子は弘前城シードルを、私はこの地域のお薦めスチューベンジュースをチョイスして乾杯。どれも彩り良く目も舌も喜ぶ幸せなランチタイムだった。前菜もメインもデザートも3人とも3種類、それぞれ味見してお肉、お魚、アップルパイやタルト等など愉しめた。

 心もお腹も満ちたところで、息子にご馳走様とお礼を言いながら、弘前城公園を目指す。
 生きているうちに一度は弘前の桜が見てみたいと思っていた。
 例年GWが桜の見頃、とのことで楽しみにしていたけれど、今年は暖かく20日に開花との報が入り、花筏さえ間に合わず、ちょっと残念に思っていたのだけれど、さくらまつりは6日までで、実際は嬉しい誤算だった。
 追手門を入ると、福禄寿、楊貴妃、鬱金等、とても珍しい八重桜が沢山迎えてくれた。しだれ桜もまだまだ元気。そしてソメイヨシノもよくよく見ると、何輪か花が残っている木が多い。

 天守閣の急な階段は登りよりも下りが怖かったけれど、ちゃんと最上階の3階まで頑張って登れた。そして、そこから見る青森県最高峰岩木山の美しかったこと。弘前の方たちの心の山なのだろうな、と感じる。
 北の郭まで歩け歩けと公園を一周。様々な屋台や、お化け屋敷やらびっくりハウスなどの見世物小屋を冷やかしつつ、津軽藩ねぷた村へ。
 エントランスでは大きな太鼓を叩かせて頂く。長いバチを持ってドンドンドドーンとリズムに合わせて3人ずつ。息子も次の回で参加し、夫はカメラマンに終始。せっかくなのにもったいないことである。可愛らしい金魚ねぷたあり、大きなねぷたの絵の迫力に圧倒されながら館内を進む。

 ここでも津軽三味線のショーがあったけれど、帰りの電車の時間もあり、我慢して独楽やこけしなどの工房を覗き、庭園の池で鯉に餌をあげて、村を出た。
 もう一踏ん張り、旧東奥義塾外人教師館を見学。木造2階建ての洒落た洋館は入場料も無料で申し訳ないくらいだ。隣は旧弘前市立図書館。こちらは見学時間を過ぎてしまったので外観だけ写真撮影を済ませ、その裏にリトルワールドのように設置された模型を見て本日の観光は終了。

 タクシーで駅まで戻ろうとすると、循環バスがやってきて100円のワンコインで乗れるという。ちょっと時間はかかったけれど、街を見ながら弘前の地元の方たちと一緒に駅に到着。
 荷物をロッカーから出して、青森までの特急つがるに乗車。林檎ジュースの自販機で3種類のジュースをゲットすることも忘れない。30分少々で青森に到着した。車窓からは夕焼けに輝く山々を見、雲の色があかね色に染まるのを愛でることが出来た。

 リニューアル中の駅は何やら出口が迷路のようで都心の某駅のようだった。駅前のホテルにチェックイン。各々、旅の後半に備えて自宅から送った荷物を受け取り、部屋へ。ツインとシングルの隣同士にしてくれた。
 荷物整理を始めたけれど、とりあえず夕食に、と大通りへ繰り出した。けれど、残念ながら目当てのラーメン屋さんはクローズ。朝が早く夜も早いようで、なかなか開いているお店がなかったが、なんとか中華料理店に入ることが出来た。クローズまで1時間ほどだったけれど、それぞれが好きな麺を、そして一品料理も取り、2人はビールで乾杯も出来て満足。店に入る時にはポツポツとしてきた雨も止んでいてほっとした。
 日中は暖かかったけれど、風が吹くとかなりの寒さ。やはり本州の最北なのだと実感する。

 本日の万歩計は14,000歩超。明日は今日よりは少しゆっくり起きて、近辺を散策後、また移動である。
 今回の旅は市街でも大風呂のあるホテルをチョイスしたので、旅の疲れも手足を伸ばしてリフレッシュ出来るのが有り難い。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする