ロッキングチェアに揺られて

再発乳がんとともに、心穏やかに潔く、精一杯生きる

2024.7.3腫瘍内科診察後、フェスゴ6回目+ドセタキセル6回目(6割減量4回目)+ジーラスタ ボディーポッド6回目無事終了

2024-07-03 23:58:08 | 治療日記
 
 昨夜はブログアップ後、早々に消灯して眠る。途中2時くらいだったか少し寝苦しくて目が覚め、空調の温度を1度下げた。無事二度寝に成功。

 明け方、平日仕様のスマホアラームが鳴る。そのタイミングで腹痛。お手洗いへ向かうが快調だ。すんなり起床。
 今日は真夏日になる予報だ。
 夫におはようLINEを打ち、手足のケア、身支度を済ませて、昨日買ったサンドイッチ、ジュース、紅茶と青いヨーグルトの朝食を摂る。母が午後、Wさんサロンの予約をしていると聞いていたので、今日はかなり暑くなるようなので、くれぐれも気を付けて出かけるようにと電話。

 今日は事前に検査が終わっているので、朝一の予約でも時間にゆとりがある。朝ドラを視て、小休止をしてゆっくり出かけることに。チェックアウトして手荷物を預け、病院を目指す。まだ曇っているが、既にかなり蒸し暑い。

 病院に到着し、受付のIDカード機を通し、腫瘍内科受付へ移動。既にそこそこ椅子は埋まっているが、受付正面のソファを確保した。態勢を整えて血圧測定。104-68、脈拍が92。昨日採血された右腕の血管辺りはすっかり内出血して大きな痣状になっている。やっぱりアンラッキーだった。
 血圧測定を終えて、さて、態勢を整えて読書再開、と思ったら、予約時間1分前、2番目に中待合へどうぞ、の番号が出た。

 今日のお供は昨日のブレイディみかこさんの「ぼくイエ2」の続き。解説を宮台由美子さんが書いておられる通り、「しんみりしそうになると、すぐにユーモアを入れてからりと笑わせてくれるこの絶妙さ。・・・読者に同時に哀と愛の感情を湧かせるブレイディさんの筆が冴え渡る・・・」。
 13歳の息子さんの心の柔らかさと優しさ、きちんと立ち止まって考える賢さ、彼の物言いに対するブレイディさんの声掛けが唸るほど素晴らしい。ここぞ、という時の配偶者の言葉も、労働者として実感が籠っており心に迫る。そんなわけで、昨夜読み切ってしまうのは勿体なくて、今日もその世界に浸ることにした。
 思春期に突入する前の男子とのやり取り、懐かしく羨ましく思い出す。それにしても、イギリスの元底辺中学校(どこが?!)の授業やスピーチ課題の凄いことといったら。この年代でこのテーマ。大人顔負けの意識の高さである。

 中廊下に移動して本の続きを読み始めると、咳が出始める。10分ほどして中から女性が出ていらした。会釈をすると一言「ショックなお話がありますよ」と。「?!」部屋に入る前に全速力で頭が考え始める。ショックなこと・・・まさか?いや、でも、もしや・・・と。

 その5分後、扉を開けて先生が「おはようございます」と声をかけてくださる。荷物をまとめ、「おはようございます」とご挨拶をして入室する。
 「では、まず」と体温計を渡される。診察室での体温は6度8分。
 「今回はどうでしたか?咳が聞こえてきましたが」と問われ、「運悪く夫から風邪をうつされ、副作用とダブルで復調に時間がかかりました。8度超えの発熱もあり、5日間クラビットを飲みました。また一日に12回から15回という下痢の日が2日あり、きつかったです。更に手足の痛みも酷くなっており、右親指の爪囲炎も肉芽になりそうな気配です。」とご報告。

 「(咳の)原因が判ってよかった。レントゲンでは咳が出るようなことになっていないので・・・」と、PCの画像を見せてくださる。前回のものと今回のもの。
 右上は変わっていないが、右真ん中あたりは少し薄くなっており、左のものも痩せてきている感じ。
 「効いているということですね」と言うと「さて、どうしますか、今日、やりますか?」と問われる。「(我ながら私の身体)良く耐えてますね・・・」と言うと、「採血の結果、数値は戻ってきているので、今日は十分投与出来る」とも。
 「6回目までは頑張るということでしたので、今日は・・・頑張ります。もちろんあと2回出来れば叩ける時に叩いた方が良いのでしょうが・・・」と応えると、「では今日は頑張って、これ以降は頑張らない。次回以降はその都度出来そうならやる、ということで。まぁそろそろ打ち止めの時期が来ていると思う。ドセはそう何回も出来るものではない」と。

「一旦止めてこの後、再びドセに戻る、という選択肢はあるのでしょうか?」と問うと、「ドセに戻るより、通院は(毎週で)大変だが、やるとしたらパクリだろう。良く効くが痺れが酷く出るのでウィークリーの3投1休だと、フェスゴの3週毎とずれて毎週の通院になる。2投1休にしてフェスゴと合わせるのが現実的か。」とのこと。
 まぁ、これは次の手と考えておられる、ドセ中止でフェスゴ+タモキシフェンが効かなくなったら、のことだから、まだ先であることを祈りたい。このフェスゴ+タモキシフェンで繋いでいる患者さんは多数おられるようだ。

 次回の予約が入る。前日採血はマーカー測定ありでレントゲンはなし。
 タリージェは夜15㎎、朝5㎎にしているが、朝から昼にかけて眠気が酷く、実際にはあまり効いていない感じだと言うと、2.5㎎にしてみましょう、とのこと。それで効果が変わらないなら少ない方が有難い。
 飲み切ってしまったクラビットをお願いすると今回は3日分と。5日では?と確認するとあまり飲みすぎも良くないので、とのこと。後半はかなり足りなくなって薄くしか濡れなかったヒルドイドとステロイドの混合クリームを倍量出して頂いた。
 明日、明後日だけ飲む浮腫み止めのデカドロン4㎎以外いつも通り。今回ロペミンのストックも大分減ってきたので、次回は様子を見ながら追加をお願いすることに。

 ここで、先生から衝撃の発言。10月末に退職されるという。
 可能なら看取りまでお願いする予定でいたし、4月の段階で今年度末までは安泰とのことだったので、随分急なお話だ。ご家庭の事情で、郷里に単身で戻られ、現地の病院に勤務されるという。
 これぞ前の女性が仰ったまさか、もしや、やはり・・・のショックな話である。
 「月1回なら転院された先でも通院できます。今も前泊しているわけですから・・・」と食い下がったが、「でももし具合が悪くなった時、陸続きなら車で来られるけれど、遠方ではそういうわけにいかないでしょう?」と仰る。ぐうの音も出ない。

 今担当されている同じ病気の患者さんたちは、それぞれを今後視て頂く先生に引き継ぐことを考えておられる。選択肢は3つ、①腫瘍内科の別の先生に診て頂く、②乳腺外科の先生に診て頂く、③以前こちらの乳腺外科にいらした先生が近所にクリニックを開業されており、そちらで診て頂く。だそうだが、③はクリニックなので、ジーラスタ等は難しい。
 ②は若い先生で頑張っておられるが、手術もあるので(腫瘍内科も忙しいが)より多忙。科を移るなら自分がいるうちに相談しながら引き継ぐ必要がある。
 ということで、結局①が一番現実味がある。実際一度だけ先生がご不在だった時に女性のY先生にお世話になったことがある。腫瘍内科の先生は化学療法の匙加減がお上手であることは間違いない。

 「私は長生きをし過ぎましたね・・・」とぽつり呟くと「本当に薬がフィットしてきましたからね。」と。「まさか国保を使うまで生きることになるとも思いませんでしたし・・・」と言うと「退職後も、ということですね」と。
 ぐずぐず言っているわけにもいかないので、お礼を言って部屋を出た。気持ちを切り替えなくてはいけないのだろうけれど、16年半以上命を繋いで頂いた“時の重み”はそう軽くはない。
 先生と出会えなかったら今頃生きていなかっただろう、というのが正直な気持ちだ。ここまで生かして頂けたのだから、笑顔でお礼を言って先生の第二の人生をお祝いしなければならないのに。でも、このまま先生に診て頂きたかったなぁとしみじみ。

 化学療法室に入る。お一人待っていて、受付番号は6番だった。急いで処方箋の写真を撮り、LINEで門前薬局に送る。夫やお友達に報告LINE報告。
 ほどなくして看護助手さんからリクライニング椅子に案内される。今日は窓側のナースステーションより。日差しが大分きつくなってきている。

 お手洗いを済ませ、態勢を整えたか整えないかのうちに針刺しの看護師さんが見える。無事終わって本を読み始めたら、担当のAさんがフェスゴの注射に見える。
 今日は6回目の偶数回なので左腿だ。今日も5分以上かけてゆっくり。刺して薬が入っていく最初だけちょっとぴりぴり。後はお喋りで紛れる。抜く時もそれほど痛まなかった。

 そして点滴も順調にスタート。まずは吐き気止めデキサート15分、続いてドセタキセル。15分経って様子見に初めましての看護師さんが。ご挨拶すると5月からこちらに異動されたというSさん。このところ、本当に入れ替わりが激しい。名前をろくに覚えないうちにもう異動されたような方もいるかも。

 今日も薬剤師のIさんが見えて、薬局へ提出する報告書をくださる。痛みや痺れのことを相談する時間はなく、次回以降あと2回は出来ればやる、という方針だけお伝えする。
 1時間10分ほどかかってドセが終わり、最後は生食を10分ほど。最後の血圧測定もSさんだった。106-67、脈は70。すっかり落ち着いている。
 抜針はAさんで殆ど痛みも衝撃もなし。

 その間にジーラスタボディーポッドの準備も着々と。Aさんから、新しいスタッフに見てもらいながらやらせて頂きます、ということでSさんが同席。問題なく装着出来た。合間に認定看護師Krさんが今日の採血データを持ってきてくださった。
 今日は前回より1時間ちょっと早かったので、明日のジーラスタボディーポッド抜去予定も早めで有難い。やはり前日検査、大変だけれど捨て難い。

 門前薬局からとうに「お薬の準備が出来ました」とLINEが入っていた。
 化学療法室滞在は2時間半。受付票を戻し、頃合いを見て会計待合いに移動する。やはり混雑している。10分ほどして自動支払機にアクセスし、12万弱をカード払い。

 外に出ると、太陽が燦燦。日傘を差していても暑い。七分袖のブラウスだったが、暑い。薄手の七分袖のジャケットは丸めて手提げに入りっぱなし。
 門前薬局に寄ると、普段よりとんでもなく混んでいて、椅子が一杯だ。そんな中、5分ほどで担当のIさんから呼んで頂ける。今回も体調伺いのLINEのやり取りで状況を把握して頂いているので、細かい体調報告は不要で、有難い。眠気があり、あまり改善されないので朝のタリージェを2.5㎎にしてもらったことをお話する。

 ここで、後ろの長椅子で待っていた女性がイライラした声で「もう40分以上待っているんですけれど!」とクレーム。早く呼ばれた私が無駄話をしていたと思われたのだろうか。暑いし、待ち時間が長いとなるほど、そう言いたくもなるだろう。
 私もかつてLINE方式がなく、病院を終えてから薬局に行って初めて受付をして、1時間待ちはザラだった頃は、治療後で疲れている所へ持ってきて、食事も抜きのこともあり、ぐったりだったことを思い出す。「すみません・・・」とIさんに目で合図をして切り上げ、コード決済で4,000円強の支払い。今日の病院と薬局滞在時間は4時間強。

 ホテルに戻ってお手洗いを済ませ、預けた荷物をピックアップして、涼しいロビーで荷物をまとめる。
 今日はまだ時間的には早いけれど、既に空腹だったので、駅ビルのイタリアンへ向かった。ランチのお値段は据え置きだったが、3種前菜盛り合わせ、パスタ、これ迄ついていたフォッカチオがなくなって、すぐに氷少な目アイスコーヒーが運ばれた。
 メニューをよく確認せずにいつも通りだろうと注文したので訊いてみると、これ迄含まれていたデザートが別になったそうだ。内容を聞いたら美味しそうだったので、食べられるうちに栄養補給、と追加注文したが、うーん、昨日の定食屋さんと同様、どこも実質値上げの大嵐。
 ゆっくり頂き、文庫を読み切った。
 
 各駅停車に乗ってのんびり乗り換え駅まで向かった。そのまま最寄り駅へ。日差しが強いので、迷わずタクシーに乗って帰宅。おかげで万歩計は5,000歩を割った。

 今日は生協のお届けの日だ。先週お休みしたのでかなりの量を注文しており、フウフウ言いながら搬入した。
 荷物を片付け、着替えを済ませ、もろもろ片付け。薬の仕分けやら家計簿付けやらメールチェックやら、やることは沢山。カツラのシャンプー、リンスも済ませて、やっとソファに腰を降ろしたら夫が帰宅した。
 
 母にMeet通話する時間になる。今日も何やらうまく通じない。試しに夫のスマホでかけたら繋がった。その後、もう一度私のスマホでかけ直したら繋がったが、今度は母がかけられなくなった。何故か。
 携帯は何度もかけてくるのだけれど、なかなか話が噛み合わない。Wさんサロンには無事に行って来たそう。行きと施術中は良かったが、帰りはマッサージ疲れと暑さでちょっと草臥れたそうだ。切り花も無事お届け出来たそう。「今日は暑かったので、病院往復は疲れたので、また明日」と、通話を切る。

 お昼をしっかり頂いたので、全くお腹が空かない。夫には生協で届いたお蕎麦やお寿司を食べてもらう。何となくお腹がモタモタ気持ち悪くて、夫が昨日買って来たという桃やシャインマスカット、生協で届いたプラムやピンクグレープフルーツをちょっとずつお腹に入れたのが夕食替わり。今日はボディーポッドを装着しているのでお風呂に入れない。疲れているのに治療当日はステロイドハイだ。

 夫は変則で明日も出勤だ。明日は今日より更に気温が上がる模様。洗濯日和なのは有難いが、治療後の身で外出するのは避けた方が良さそうだ。

コメント (2)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

2024.6.12 採血・心エコー、腫瘍内科診察後、フェスゴ5回目+ドセタキセル5回目(6割減量3回目)+ジーラスタ ボディーポッド5回目無事終了

2024-06-12 23:24:42 | 治療日記
 
 昨夜は機内で岡山名物ままかりの押し寿司等を夕食に頂いた。飛行機は予定より早く着陸。
 夫には予定通りリムジンバスに同乗して宿泊先ホテルまで送ってもらった。

 バスは順調に海沿いを走り、定刻通りホテルに到着し、チェックイン。夫には少しでも早く帰宅してほしいので、そのままロビーで別れた。
 朝食のサンドイッチ等を階下のコンビニで調達。16階の部屋に入ったら、誕生日月ということで、カードとプレゼントが置いてあった。
 途中で買ったスイーツと暖かいほうじ茶で人心地着いて、お風呂にお湯を貼る。入浴後、夫が無事帰宅したのをLINEで確認してから消灯。

 明け方、お手洗いで目が覚めたが、二度寝に成功。スマホアラームが鳴ってすんなり起床。5時間近く眠れたことになる。
 今日は真夏日になる予報だ。部屋の窓からは病院が見える。
 夫におはようLINEを打ち、手足のケア、身支度を済ませて、朝食を摂る。お腹は快調だ。BSで朝ドラを視て、天気予報を見てから部屋を出る。3時間のレイトチェックアウトがついているので、キャリーケースは置いたまま身軽に出かけられる。

 朝から日差しが強い。病院迄は15分弱かかった。
 病院に到着し、受付のIDカード機を通す。そのまま採血・生理検査受付へ移動する。システムが変わって、混雑防止のため、予約時間の1時間より前にならないとどんなに早く行ったところで採血はしてもらえない。
 このシステムになってから治療当日の朝に採血をするのは初めてなので、少し早めに行ったが、ピンク色の受付番号はその時間帯の6番目だった。

 生理検査は紙の番号受付札が5番目。採血が終わったら戻ってくるように言われる。5分ほどすると採血室に入れた。今月は1回の通院なので、マーカー測定ありで5本の採血。
久しぶりにベテランの臨床検査技師のYさんが担当してくださった。刺す時は殆ど痛まず、抜く時は若干痛んだが、特に問題なく終了。
 お礼を言って採血室を後にし、止血をしながら生理検査受付に「採血終わりました」と声をかけると中待合に入るように言われる。
 3週間ぶりの心臓超音波検査予約時間までまだ小一時間。次々と患者さんが入ってくる。

 今日のお供は芹沢央さんの「神の悪手」(新潮文庫)。
 帯には「このどんでん返しが切なすぎる‼羽生善治氏絶賛‼夢を追う苦悩と孤独を深く刻むミステリ短編集!」とある。
 そう、棋士の話である。恥ずかしながら、将棋のルールをこれっぽっちも知らないのだけれど、何故か将棋小説が好きである。芹沢さんの作品はいくつか拝読したがどれも面白かったので、迷わず手に取った。5編の短編から成る。ご本人が将棋愛溢れる方とは知らなかった。「将棋の事が深く描かれているが、全くの素人でも問題なく楽しめるのが凄い所である」というのは、解説を書いておられる斜線堂有紀さんと全く同感である。

 中廊下の待合椅子に座りながら、頁を繰っていると、検査予約時間の20分前に男性技師さんから名前を呼ばれた。検査着に着替え、少し薄暗い検査室のベッドに横になる。
いつも1番端のベッドだったが、今日は初めて真ん中2番目のベッド。名前、生年月日を訊かれ、身長、体重も確認される。2月末に測定した時より3kg近く減っている。

 頭と背中に枕。最初は左を下に横になって、左手は上に、右手は腰に下げて左胸を、続いて背中の枕により寄り掛かるように身体を開いてプローブで押される。普通に呼吸を続ける。息を吸ってそのまま止めて、吐いてそのまま止めて、を何回か。
 最後は仰向けになって鳩尾からお腹の辺りもプローブで押され、お腹を膨らませて深呼吸を繰り返す。20分弱の検査が無事終了した。温かいおしぼりを渡され、着替えを済ませ、お礼を言って検査室を後にした。 
 向かいの腫瘍内科受付へ移動する。待合椅子はそこそこ埋まっている。1列目のソファを確保して腫瘍内科受付に並ぶ。態勢を整えて血圧測定。102-63、脈拍が81。

 「中待合にどうぞ」に番号が出たのは、15分ほどしてから。予約時間より大分早いのでびっくりして中に入る。本の続きを読んでいると、30分ほどして扉を開けて先生が「おはようございます」と声をかけてくださる。荷物をまとめ、「おはようございます」とご挨拶をして入室する。
 「では、まず」と体温計を渡される。診察室での体温は6度9分。
 「どうでしたか?」と問われ、「前回はフェスゴがなかったので、酷い下痢は続きませんでしたが、ドセタキセルだけでも下痢は何回かありました。月が替わってからはおかげさまで大分元気に過ごせました。」とご報告。

 「採血の結果、白血球は回復しているし、カドサイラの影響で高めだった肝臓の値も正常値、心臓のBNPも2,3月は高かったですが、4月からは正常値に戻っています。マーカーも若干下がっていますね。」と画面に折れ線グラフを示しながら説明してくださる。「心エコーではこの前よりポンプ機能(EF)が上がり61%。フェスゴを再開しても大丈夫かな、と思います。前回と比べ若干改善の可能性あり、全体的には著変なし、というレポートです。3つの弁の機能低下はありますが、程度は軽い。機械が良くなっているので見えやすくなっているようです」とのこと。

 CTの画像を見ると、左側の肺の腫瘍はどこも一回り小さくなっている。右肺は変わらない。前回、腫瘍なのか肺炎だったのか分からなかった影の部分も消えている。
 縦郭リンパ節の腫瘍も小さく、分からない感じになっている。骨は不変。つまり、効いているということだ。体調と採血結果等を見ながら、ドセタキセルはもう嫌、というところまでやりたい、との判断だ。

 次回は7月3日。、2日に前日検査でレントゲンと採血、マーカー測定は24日に廻し、そのタイミングか次の8月に心エコーをもう一度入れたい、とのこと。
 「ではいつまでドセタキセルを?10月にはイベントがあるのでギリギリまでやらずに体力温存と体調調整をしたいのです・・・」と言うと、「ドセタキセルを10回出来る人は、まずいない。8回出来れば御の字だと思う。」と仰る。
 ということは、今回が5回目なので漸くの折り返し。7月2回、8月で一旦ドセは打ち切り、9月からはフェスゴ単独にするか、+αとしてホルモン内服を考えておられるとのこと。
 「ホルモン剤は何を?」と訊くと、初発の時に3年近く使ったタモキシフェンだと仰る。なるほど、一番間が空いているし3年近く使った実績がある。
 
 痺れと痛みが結構きついので、前回からタリージェの5㎎を朝飲んでいるが、昼くらいに強い眠気があり、痛みや痺れは酷くはなっていないものの、痛み等は緩和はされていない。夜に5㎎プラスするのはどうか相談する。ひとまず様子を見ながら飲んでみることに。飲んだり飲まなかったりでもOKとのこと。

 コデインもロキソニンも手持ちがあるのでなし。ヒルドイドローションは小さな携帯用を追加して頂いた。タリージェの15㎎にプラスアルファの5㎎。いつも通りのミヤBM、タケプロン。そして明日、明後日だけ飲む浮腫み止めのデカドロン4㎎が処方される。

 お礼を言って診察室を出て、化学療法室へ入る。流石に今日は採血と心エコーを行ってからの大分遅い入室なので、受付番号は15番。待合席にはどなたもいなかった。門前薬局に処方箋の写真をLINEで送付する。
 久しぶりに椅子は窓側か内側のどちらが良いですか、と訊いて頂き、迷わず窓側をお願いする。奥から2番目のいい席だ。お手洗いを済ませ、態勢を整え、夫やお友達に報告LINE。

 ほどなくして認定看護師Krさんがポートの針刺しに見える。Krさんの姿を見ると、ほっとする。早業で痛む時間がない。このところの報告。ドセをまだ続けることになったので、と新しいノートを頂くようお願いすると、毎回毎回ちゃんと体調を整えて、スキップすることなく予約通り通院を続けられていることに敬意を表します、と言われる。

 薬剤師のIさんが見えて、薬局へ提出する報告書をくださる。痛みや痺れのことを相談するが、治療中なので悪化しないだけ良いかも、とのこと。うーん。

 門前薬局から「お薬の準備が出来ました」とLINEが入っていた。
 「今日担当します」と看護師のAさんがみえる。6週間ぶりのフェスゴは右足。5分かけてゆっくり注入する。最初以外は殆ど痛まない。
 続いて点滴スタート。副作用前投薬の吐き気止めステロイド(デキサート)が15分、ドセタキセルが70分弱、最後に生食を10分流して終了だ。
 読書を続けたが、途中であまりに眠くなって15分ほど目を瞑る。

 点滴が終わり、抜針。衝撃は殆どなかった。終了時の血圧測定は100-60。脈拍は69。
 ほどなくしてジーラスタボディーポッドをセットに見える。位置を決めて印をつけ、お腹の肉を摘まんで針刺し。今日はいつもより1時間遅いので、明日の抜針予定も夕方遅くなってからだ。
 化学療法室滞在は2時間半強。受付票を戻し、頃合いを見て会計待合いに移動する。やはり大分混雑している。10分ほどして自動支払機にアクセスし、12万弱をカード払い。

 外に出ると、太陽が燦燦。日傘を差していても暑い。半袖のブラウスに日差し除けの七分のカーディガンを羽織っているが、日焼けをよしとすれば1枚で十分。公園のガクアジサイやアジサイが美しい。季節は確実に進んでいる。
 門前薬局に寄ると、お二人ほど待っておられたが、殆ど待たずに担当のIさんから呼んで頂ける。今回も体調伺いのLINEのやり取りで状況を把握して頂いており、心強い。タリージェは1回に付き15㎎が最大なので、+5㎎については製薬会社に確認してみます、とのこと。
 バンテージやハイドロコロイドテープで足の爪囲炎をケアしていることをお話したり、あれこれ報告をして、コード決済で4,000円強の支払い。今日の病院と薬局滞在時間は5時間半。

 ホテルに戻って涼しい部屋で暫し人心地着く。荷物をまとめてチェックアウト。キャリーケースを引きずって遠くまで行きたくないので、ホテル隣接のショッピングモール内のイタリアンに入ってサラダ、パスタ、デザートお茶のランチコースを時間をかけて完食し、読みかけの本を読み切った。
 女性のグループや親子連れ等結構遅い時間なのにお店は賑わっていた。
 キャリーケースは大分重くなっている。快速電車は終わっていて各駅停車に乗って乗り換え駅まで向かった。そのまま最寄り駅に到着。まだまだ日差しが強い。迷わずタクシーに乗って帰宅。

 今日は生協のお届けの日だ。それなりの量を注文しており、フウフウ言いながら搬入した。
 キャリーケースの荷ほどきをする。夫が出しておいてくれた洗濯物も大量にあるので、ひとまず1回目の洗濯を開始。
 
 着替えを済ませ、もろもろ片付け。薬の仕分けやら家計簿付けやらメールチェックやら、5日も空けたのでやることは沢山。PC前に座っていると夫が早々と帰宅した。
 ほどなくして洗濯物が仕上がり、夫と一緒に干す。もう1回分たっぷりあるが、干すところがないので明日朝に廻す。

 なかなか片付かずに母にMeet通話する時間になる。今日は3か月に1度の腎がんの経過観察で通院だったという。さすがに自分の通院日とバッティングだから付き添いが出来ずに申し訳なかったが、採血採尿と診察で特に問題もなく、次回は9月にCT撮影をして5年間の経過観察が終わり、腎がんも卒業できそうだという。素晴らしい。
 直腸がんと腎がんのダブルキャンサーを克服である。私はどこで間違ったのだろう、とぼんやり思う。
「今日は暑かったし、当日検査もあり、大分時間がかかったので疲れた」と報告して、通話を切る。

 お昼が遅くボリューミーだったので、全くお腹が空かない。夫には生協で届いたお蕎麦やお寿司を食べてもらうが、何となくお腹がモタモタ気持ち悪くて、私は今しがたようやく青いヨーグルトとピンクグレープフルーツを2房お腹に入れて、夜の薬を飲んだ。今日はボディーポッドを装着しているのでお風呂に入れない。かなり疲れているのに治療当日はステロイドハイだ。

 夫は今回の旅で休みを頂いた関係で、明日は出勤だ。私も沢山の洗濯物が残っているので、寝坊はしていられない。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

2024.6.5ドセタキセル4回目(6割減量2回目)+ジーラスタボディポッド4回目14日後のこと 朝の断捨離読書会出席後は、4か月ぶり造影CT撮影~頚部から骨盤

2024-06-05 23:50:25 | 治療日記
 昨夜は、下痢ですっかりげっそり。入浴してお腹を温め、手足のケアを済ませてベッドに入ったのは、やはり日付が変わってから。

 今朝はスマホアラームが鳴るまではよく眠れ、途中でお手洗いに起きることもなかった。まあ、すっかり空っぽだったわけだ。
 昨日はここで二度寝してしまったが、今日は頑張って起きてリビングへ。夫はもう起きている。今日はずっと晴れマークの洗濯日和だ。
 昼過ぎには出かけるので早く干せば、出かける前に取り込んで畳めるかも・・・と夫を急かして洗濯物を集め、洗濯機を廻した。
 夫を送り出し、いつものように朝ドラを2回視るうちに朝食を摂り終え、出来上がった洗濯物を急いでベランダに干す。

 お化粧をしてカツラを被って身支度を済ませる。明日はオンライン断捨離読書会夜の部に参加出来ないため、今朝、朝の部に初参加だ。都合によりどちらに出ても良いし両日出ても良いことになっている。出欠を取るわけでもなく緩い感じに進むので参加しやすい。
 今日の進行はKトレーナー。挙手したり指名されたりと、8人の方が分担して今日の部分を読み、その後、8分間ほどブレイクアウトルームに別れる。
 静岡県から参加の方、大田区から参加の方と私の3人だった。断捨離歴等の自己紹介をして、実家の断捨離等会話が弾んでいるうちにすぐにタイムアップ。再びメインルームに戻って、最後の締め。朝は夜より参加者は随分少ないようだったが、今日も新鮮な発見があった。

 出かける準備を済ませ、リビングで録画したドラマを視ながら暫し休息。
 タリージェのせいかなんとなくウトウトしてしまい、はっと気づくともうお昼だ。慌てて乾いた洗濯物を取り込み、畳めるだけ畳み、あたふたと家を出た。いいお天気。日差しが眩しい。かなり気温が上がっている。

 前回の造影CT検査は2月初めだった。昨年8月末、3年余りお世話になったエンハーツを44クールで終了し、10月から6年半ぶりにカドサイラを再開、6クールを終えたものの、12月、1月とマーカーが上昇、コデインを飲んでも咳はしぶとく、息切れ等の自覚症状も緩和しない。
 鎖骨や胸骨転移の痛みもあり、で、カドサイラ続行可否の効果測定の結果、待ったなしで3月からドセタキセルとフェスゴをスタートした。結果、副作用は辛かったが、あれだけ酷かった咳は止まり、びっくりするほど自覚症状がなくなり、3月末から4月にかけてイタリア旅行まで強行出来た。そのドセタキセルとフェスゴを3か月続行しての効果測定である。

 予定通りの電車に乗る。
 予約時間の15分前に病院に入るように指示されていたが、その5分ほど前に到着した。急ぎ足で歩くと、汗ばむほどの陽気だ。自動受付機をすんなり通って、エスカレーターで2階の放射線受付に上がる。空いている。
 待合椅子にはどなたもおられない。紙の受付番号を受け取ると、すぐに受付して頂ける。受付票、IDカード、保険証を出すと、CT準備室の前で待つように言われ、そのまま移動する。

 準備室前はお一人座っているだけ。ほどなくして名前を呼ばれ、ロッカーに荷物を入れて造影剤注入のためのルート確保の針刺し。
 準備室の看護師さんはKさん。初めましての看護師さんだ。今日も検査対応で、ブラトップと無地のカットソー、ウエストゴムのプリーツスカートだから着替えは不要だ。いつものように右腕を差し出して、名前と生年月日を言い、紙テープで、とお願いする。

 造影剤用の針は太いから大抵痛むが、今日は刺す時それほど痛まずラッキー。中廊下に出て予約時間10分前に呼ばれる。一番奥、初めての検査室だった。靴を履いたまま、服を着たままCT装置に寝っ転がる。
 
 この16年半で数えきれないほど受けてきた検査だ。いつもはベッドの上にある枕に頭を載せるのだが、今日は枕がないので、ぶつけないように、と言われる。
ん?と思っていると、頚部から骨盤ではなくて頭から骨盤の検査になっているようだった。
 脳転移でも疑われているのか、とちょっとドキドキする。体幹部分に金属はないけれど、「カツラなのでおでこの正面にクリップがついていますが・・・」と言うと「そこだけなら大丈夫です。後頭部に何もなければ・・・」とのことでほっとする。
 その場でカツラを外せ、と言われたらちょっと大変だった。ベッドに寝て顎をやや上げ加減にして、両手万歳の姿勢になったらもうお任せ。静かに目を瞑る。1回目は造影剤なしで、次に造影剤を入れて2回撮影するが、始まってしまえば10分もかからない。

 ドクターがいらして「造影剤が入ると身体が熱くなりますが、もし気分が悪かったり呼吸が苦しかったりしたら教えてください。」といつもの注意をされる。注入が始まると薬液の匂いがツーンと鼻を突く。
 これまで1度もアレルギー反応が出たことはないが、瞬く間に造影剤が体中を駆け巡り、体の芯がカーッっと熱くなり、なんとなくじーんと痺れたような感じがする。いつも通りの反応だ。「ご気分悪くないですか」と訊かれ、静かに頷く。

 「息を吸って。止めて下さい・・・。」を繰り返して終了。「看護師が針を抜きますから、そのままでお待ちください」と言われて看護師さんが現れる。抜針と止血は別の方だった。腕を止血テープでぐるぐる巻きにして針を抜いてくださったが、それほど痛まず、ラッキー。

 これまではロッカーから荷物を出したら、外廊下で止血確認まで5分間待つように言われていたが、今日はシステムが変わって、バンテージテープは15分くらいしたら自分で外してください、とのこと。そのままロッカーから荷物を出して準備室を後にする。2階の放射線受付に寄ってファイルを戻すと、総合会計受付に行くように言われる。
 
 1階の会計に向かうと、待合椅子はさすがに混雑している。番号をもらってお手洗いを済ませ、10分ほど待ち、私の番号が出た。自動支払機で8,000円強をカード支払。本日の病院滞在時間は僅か45分ほど。

 朝は遅めだったものの昼抜きだったので、さすがに空腹だ。
 今日は夫が宴会で夕食不要なので、夕食は手抜きになるだろうから、しっかり頂こうかと駅ビルのレストラン街を物色するが、なかなか食べたいものが見つからず。結局、焼肉屋さんに入って、冷麺を頂いた。
 冷房が効いている中で冷麺。昨夜下痢をしたのに、ちょっと無謀だったか。持っていたカーディガンを羽織る。食後には温かいお茶と口直しの一口サイズのアイスミルクキャンデーが出された。お腹一杯になってお手洗いを済ませ、エスカレーターで各階をちょっとのぞき見しながら駅へ。快速電車に乗って帰路についた。

 乗換駅ショッピングセンター内にある美味しいケーキ屋さんでケーキでも買って帰ろうかと思うが、夫の帰りが遅いし・・・、と考え直してそのまま電車に乗る。
 何となくそのまま家に直帰する元気がなくて、駅前カフェでロールケーキと蜂蜜トッピングのカフェラテを頂いて、暫し休息兼エネルギーチャージ。
 いつも前日検査プラス前泊で病院までは前日に行き、翌日の治療日に帰ってくるという1日片道だけの移動なので、1日で往復するCT検査の日はやけに疲れる。毎日通勤している方たちからは何を戯言を言っているかというほどの体力のなさだ。

 気を取り直してアウトレットモール経由で帰宅。万歩計を見ると10,000歩近い。足の裏はジンジンと痛む。
 まずは生協のお届け物の取り込み。
 気温が高いので冷凍モノは厳重にドライアイスで固められている。えっちらおっちらと取り込んで、収納を終える。続いて、出かける時に取り込んだだけで畳み切らなかった洗濯物を畳む。
 生協のパンフレットを始末し、注文書を記入する。それだけで疲れてしまう。あれこれ片付けてようやくソファに座ると、母にMeet通話をする定刻になっていた。

 今日は午前中にシーツ等を洗濯してから午後はWさんサロンに行ってきたという。見れば、びっくりするほど眉が濃く描かれ、更に左右がやけにアンバランスだ。訊けば眼鏡を持って行かず、Wさんにお借りした眉墨がとても濃く描けて、そのようになってしまったらしい。うーん、なんともオカメのようである・・・。
 Wさんは遠慮して「おかしいですよ・・・」と言えなかったのか。本人は今日はよく歩いたので、届いたお弁当をペロリとたいらげたと言うが、こちらは昼が遅かったので、夕飯はまだどころか、ようやく片付け終わったレベル。あれこれ喋るのを聴いていたらだんだん疲れてしまい、通話を切った。

 リビングのソファと一体化。お昼が遅かったので、お腹も空かない。ドラマの録画を視ながら気づけばまたしてもウトウトしてしまっていた。何故こんなに眠くて疲れているのだろう。
 宴会に出た夫が帰宅して、ようやく重い腰を上げて、レンチン焼きそば等をお腹に入れて、夕食後の薬を飲んだ。
 
 ということで、またしても体力低下を思い知らされるちょっと情けない1日となった。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

2024.5.22 腫瘍内科診察後、フェスゴ5回目中止! ドセタキセル4回目(6割減量2回目)+ジーラスタ ボディーポッド無事終了

2024-05-22 22:53:02 | 治療日記
 
 昨夜はブログアップ後、手足のケアを済ませてからベッドに潜り込み、ほどなくして眠りについた。夜中に1度も目覚めることなく、スマホアラームが鳴る30分ほど前に自然に目覚めた。あ~よく眠った、という満足感。
 ベッドでニュースを視ながら夫におはようLINE。今日は30分早く家を出たとのこと。浴槽足湯は出来ないし、検査も昨日のうちに終わっているし、ホテルから病院までは7分ほどなので、朝一の予約でも時間に余裕がある。
 
 手足のケアや身支度を済ませ、昨夕調達したサンドイッチ、ジュース、青いヨーグルト、ダージリンティーの朝食を摂る。お腹も快調だ。

 今年最高気温をマークした昨日よりは気温が下がるというが、それでも日中は快適なお天気になりそうだ。朝ドラを視て、ゆっくりチェックアウトして手荷物を預け、病院を目指す。

 予約時間の15分ほど前に病院に到着。受付のIDカード機は待たずにすんなり。そのまま腫瘍内科受付へ移動する。
 待合椅子はそこそこ埋まっている。1列目のソファを確保して腫瘍内科受付に並ぶ。ずっと記入していたコロナ関連問診票は、コロナが5類になって1年経過するため、中止になったそうだ。態勢を整えて血圧測定。97-64、脈拍が91。朝は上が100に届くか届かないかがずっと私のスタンダードだったが、最近高めになっていたので、ようやく以前に戻った感じ。

 今日のお供はブレイディみかこさんの「他者の靴を履く アナーキック・エンパシーのすすめ」(文春文庫)。
 帯には「『ぼくはイエローでホワイトで、ちょっとブルー』の大人の続編本!現代社会の様々な思い込みを解き放つために 他者はあまりに遠い。”共感“だけでは辿り着けない。ジャンプするために、全力で『考える』知的興奮の書!」とある。
 “「ぼくはイエローで・・・」の著者は母ちゃんだったが、本書は「わたし」という一人の人間として(時には一人の女性として)、エンパシー(他者の靴を履くこと)を思索する旅に出た「大人の続編」・・・“、と「はじめに」でブレイディさんが書いておられるが、その通り。実に興味深く、沢山の気づきを与えられつつ、コロナ禍だからこそ、の話題も満載で思索する旅に同行させて頂きつつ頁を繰った。

 「中待合にどうぞ」に番号が出たのは、予約時間を10分過ぎた頃。今日は2番手だ。中廊下に入り、本の続きを読んでいると、10分ほどして扉を全開にして先生が「おはようございます」と声をかけてくださった。荷物をまとめ、「おはようございます」とご挨拶をして入室する。
 「では、まず」と体温計を渡される。診察室での体温は6度7分。
 「6割減量後はどうでしたか?」と問われ、「おかげさまで寝込む日は減りました。けれど、相変わらず下痢が酷かったです。痛みも咳もなく、コデインは飲みませんでしたが、腰痛や筋肉痛が酷く、ロキソニンは何度か飲みました。」

「浮腫みはどうですか」と訊かれ、「浮腫み始めています」と言うと、「体重は?」と訊かれ、「一時減ったのですが、今は44kg台まで戻りました。手と足は痛く、右足親指の爪が浮き始めていて痛みます。お風呂に入った後、浮いた爪を押すと水が沁み出してちょっと臭います。(色素沈着で黒ずんだ)汚い足を診て頂いていいですか」と(フェスゴを打つためニーハイソックスを履いていたので)裸足になる。

 先生は「あ~、膿んでますね。抗生剤の軟膏を出しましょう。」と。「採血の結果、白血球は戻っており、マーカーもさらに下がっています。」とのこと。
 「(前回レントゲンは変わらずでしたが)心エコーでちょっと気になることが、左室壁運動障害。他には以前から僧房弁、三尖弁の閉鎖不全がありますが、これはあまり気にしなくてよい。(心毒性のある)ハーセプチンを長く使っていると心臓の動きに問題が出てきますが、EF(駆出率)が去年の10月、その前、一昨年まで遡って徐々に下がり続けている。一方採血ではBNP値(心不全を診断する指標)が2月、3月は高かったが、今回は正常値である。ということで、今日はドセタキセルだけにしてフェスゴは中止しましょう。」とのこと。
 次回の治療直前の朝一番でもう一度心エコーを予約してから判断する、ということになった。ドセタキセル中止ではなくて、フェスゴ中止は全くの想定外だったので、突然のことにちょっと驚く。
 心臓に問題があるならば、ハーセプチンと組み合わせたエンハーツやカドサイラ、今回のフェスゴ等の分子標的治療薬が使えなくなる。となれば、今後は抗がん剤一択になり、かなりピンチなのでは?と訊くと、「休薬すれば改善する(ハーセプチンの毒性は可逆性)ことを期待しましょう。」とのこと。

 薬については、タリージェの5㎎を朝飲むことで痛みや痺れが調整出来るかもしれないということで処方して頂く。朝飲んであまり眠くなるようなら(夜に飲むなど)調整しても良いとのことだが、具合が悪くて横になっているくらいなら、眠くなってしまってもそれはそれで良いのかもしれない。様子を見て止めてもOKとのこと。
 コデインもロキソニンもなし。ヒルドイドローションは小さな携帯用を追加して頂いた。タリージェの15㎎はそのまま。いつも通りのミヤBM、タケプロン。そして明日、明後日だけ飲む浮腫み止めのデカドロン4㎎。ステロイドとヒルドイドローションのミックスとリンデロン軟膏。

 お礼を言って診察室を出て、心エコーの説明を受けるため、中廊下に出てクラークさんを待って心エコーの予約表を頂いてから化学療法室へ入る。受付番号は6番。待合席はお一人だけ。門前薬局に処方箋の写真をLINEで送付する。内側の真ん中あたりの席に案内される。お手洗いを済ませ、態勢を整え、夫に報告LINE。

 ほどなくして看護師Aさんがポートの針刺しに見える。
 今のポートになって14年近く経過する(1つ目のポートはナベルビン投与の折、破損で漏れが認められ、抜去した。)のだが、今回初めてポートの針刺しに失敗した。全然痛くないのでラッキー!「お上手でした」とお礼を言ったら、ポートから生理食塩水が上手く入っていかないとのことで、「すみません、このままでは投与出来ない(薬が入らない)のでやり直します」と抜針。アチャー。
 暫くして止血を確認して、別の看護師さんが針刺しに見えた。今回は結構痛かったが、無事投与出来るとのこと。
 そんなこんなのうちに、もう門前薬局から「お薬の準備が出来ました」とLINEが入っていた。
 フェスゴが中止になったので、今日は点滴のみ。ドセタキセルは6割減量のまま。今月2回目なので薬剤師さんのインタビューもなし。
 副作用前投薬の吐き気止めステロイド(デキサート)が15分、ドセタキセルが70分弱、最後に生食を10分流して終了だ。
 お友達にLINEをしたり、眠くなることもなく(昨夜たっぷり眠ったせいか)、本もしっかり読んだ。

 点滴が終わり、抜針。これまた衝撃が強かった。うーん。終了時の血圧測定は105-68。脈拍は73。
 ほどなくしてジーラスタボディーポッドをセットに見える。まだ不慣れな看護師さんなのか、Hさんが同行して一緒に確認しながら位置決め。お腹の肉を摘まんで針刺し。逆血の確認で生食を流した時、思わず「痛いです・・・」と言ってしまった。今日二度目にポートの針刺しをしてくださった看護師さんもチェックに見える。3人体制、厳重だ。
 今日の化学療法室滞在は2時間半強。受付票を戻し、頃合いを見て会計待合いに移動する。かなり混雑している。10分ほどして自動支払機にアクセスし、3万5千円ほどをカード払い。

 外に出ると、ブラウス1枚で日傘を差して丁度良い。公園のビオラや薔薇が綺麗だ。
 門前薬局に寄ると、数人が待っていたが、殆ど待たずに担当のIさんから呼んで頂ける。今回も体調伺いのLINEのやり取りで十分状況が判っているので有難い。心エコーの結果、フェスゴが中止になったことを報告。足の爪が膿んで浮いてきているので抗生剤が出たが、病院で教えてもらった、皮膚にくっつかず貼っても爪が剥がれないバンテージテープがこちらの薬局で手に入ったら買いたいのですが・・・と訊いたところ、ここにはないが・・・、とネットで一緒に探してくださった。薬を受け取り、コード決済で4,000円強の支払い。今日の病院と薬局滞在時間は4時間半強。

 ホテルで出がけに預けた荷物を受け取り、ロビーで荷物を整理する。荷物が重くなっている。やはり手袋必須だ。駅前でランチを摂るか途中駅で摂るか迷ったけれど、丁度快速電車に間に合う時間だったので、そのまま乗って読書の続きをしながら乗り換え駅まで向かった。

 乗換駅のショッピングセンターのレストラン街をうろうろしたが、これといって食べたいものが見つからず、別のショッピングセンター内のレストランで限定のキッシュを食べようと入店。時間が遅かったので売り切れ。やむなくBLTサンドにした。野菜たっぷり。氷少な目のアイスコーヒーにミルクたっぷり、ガムシロップもたっぷりで完食。食後切りのいい所まで本を読む。
 リクライニングの姿勢でジーラスタボディーポッドを装着したが、今日はいい位置につけて頂けたのか、座った姿勢で食事をしてもそれほど圧迫感がない。
 
 最寄り駅に到着。夫のおやつを買ってタクシーに乗って帰宅。
 今日は生協のお届けの日だ。そこそこ注文しており、えっちらおっちら搬入した。
 着替えを済ませ、もろもろ片付ける。薬の仕分けやら家計簿付けやらメールチェックやら。DMもチラシもその場で片付けないとあっという間に溢れてしまうので、どんどん断捨離しないと、である。ようやく座ったと思ったら夫が帰宅した。

 訊けば、なんと夫は昨夜からなぜか酷い下痢で、今朝も今日の昼も抜きでフラフラだという。私が下痢の時、とても食べられないし、飲めないのが良く分かったと宣う。何やらげっそりしている。それで今朝はお手洗いで途中下車したら困る、と30分早く出たようだった。ずっと立ちっぱなしでかなりきつかった模様。可哀想に。

 母にMeet通話。こちらは通院で心エコーの結果、注射が出来ずに点滴だけだったと報告する。90歳を超える母に1日でも長生きして、美味しいものを食べて、行きたい所に行ってね、と言われるとなかなか微妙である。
 今日は1日何の予定もなかったけれど、明日はデイサービスだ。黙っていたけれど、実は一昨日は酷い下痢だったとのこと。うーん、一族郎党皆オーケストラではないか。

 2人のお腹の話を聞いているうちに何やら私迄急にお腹が差し込むように痛み出す。お手洗いに行くと案の定下痢になった。トホホ。アイスコーヒーがよくなかったか。

 夫には生協で届いたお蕎麦を食べてもらい、私は夫用に買ったわっぱ飯を温めてほぼ頂く。お肉の部分は夫に。それに小さいバナナと赤いヨーグルトを頂く。吐き気止め点滴が効いているのか、お腹は空っぽになったし、それなりに食事が摂れたのが有難い。お腹を温めて休みたいけれど、今日はお風呂に入れない。そして疲れているのにいつも通り治療当日はステロイドハイだ。

 夫は先週休みを頂いた関係で、明日は出勤だ。今はお夕寝中だが、ちゃんとベッドで寝てもらわなくては、である。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

2024.5.21 治療前日 家事諸々を済ませた後は前日検査 心エコーと採血

2024-05-21 21:59:42 | 治療日記
 昨夜は、ブログアップ後、録画したドラマを視て今日が出勤の夫に一番風呂を譲ってから入浴。手足のケアを終え、日付が変わってほどなくベッドに滑り込んだ。

 今朝はスマホアラームが鳴る一時間前に目が覚める。ちょっとウトウトしたかと思ったら平日仕様のスマホアラームが鳴り、頑張って起きる。リビングに行くと、夫は朝食を摂り始めていた。
 外はいいお天気で洗濯日和だ。気温もかなり上がるという予報。夫がタオル等を使ってから洗濯機を廻す。夫を送り出し、洗濯が出来上がる迄溜まった日記を書く。洗濯が出来上がったタイミングで朝ドラが始まり、干しながら視る。働く女性の悩みは昔も今も殆ど変わっていない。
 洗濯物をベランダに干し終わり、新聞を読みながらゆっくり朝食を摂る。

 洗濯物は昼過ぎにはカラリと乾き、取り入れて畳み、収納を終える。遅いランチはレンチンパスタとフルーツゼリーのいつものパターン。

 前泊の準備をして身支度を整える。夕方の検査に備えて、家を出る。
 車内のお供は中島京子さん、角田光代さんらの「いつか、アジアの街角で」(文春文庫)。
 帯には「あの町空気が呼び起こす遠い記憶と、かすかな希望、そして・・・人気女性作家6人の競作」とある。あんなに好きだった東南アジアへも随分長いこと訪れていないな、また行きたいな、と思いながら手に取った。中島さんの作品から読み始め、あっという間に小説の世界へ彷徨う。

 順調に病院最寄り駅に到着する。
 今日は、久しぶりに岩盤浴と温泉付きホテルを予約した。脱毛中ではあるが、ケア帽子と脱毛時用の黒いヘアキャップを持参した。脱毛中だからといって大きなお風呂に入るのをずっと我慢するのはやはり哀しい。さもなければこのまま一生大きなお風呂に入れないということになってしまいそうだ。5階のダブルルームにチェックインし、荷物を置いて身軽になって病院に向かう。
 
 病院に到着し、受付のIDカード機を通す。そのまま採血・生理検査受付へ移動する。さすがに遅い時間なので、待合椅子はガラガラだ。
 採血受付機前でピンク色の受付番号表を取る。今月は2回目の通院で、今回はマーカー測定あり。5本の採血。若い男性臨床検査技師のTさんが担当。刺す時も抜く時も殆ど痛まず、ラッキー。
 お礼を言って採血室を後にし、止血をしながら生理検査受付に。昨年10月初め以来7か月半ぶりの心臓超音波検査予約時間までまだ20分あるが、すぐに中廊下へ移動するように言われる。

 中廊下の待合椅子に座ると、検査予約時間の15分前に男性技師さんから名前を呼ばれ、検査着に着替えて少し薄暗い検査室のベッドに横になる。いつもながらなんとなくぼんやり眠くなってくる。名前、生年月日を訊かれる。
 頭と背中に枕。最初は左を下に横になって、左手は上に、右手は腰に下げて左胸を、続いて背中の枕により寄り掛かるように身体を開いてプローブで押される感じはするが、普通に呼吸を続ける。
 最後は仰向けになって鳩尾からお腹の辺りもプローブで押されながら普通に呼吸を続ける。20分弱の検査が無事終了した。温かいおしぼりを渡され、着替えを済ませ、お礼を言って検査室を後にした。         

 腫瘍内科会計経由で総合会計窓口へ。久しぶりに化学療法認定看護師のOkさんの姿を見つける。暫し待合椅子で現状報告。痩せた?と訊かれる。同じ認定看護師のKrさん情報で、イタリア旅行に行けたことも喜んで頂き、息子の結婚話等もお話する。10分ほど待って自動支払い機にIDカードを通す。今日の検査代7,000円弱をカード払い。病院滞在時間は50分足らず。
 
 ホテルに戻る前に、院内のカフェに寄り道してカフェラテとレモンパウンドケーキで水分と糖分を補給。コンビニで明日の朝食等を調達して部屋に戻った。カツラを外しリラックスして暫し休息を取る。食事も甘い物も我慢せずに摂りたいように摂っているが、ようやく体重が44kgを割らないようになった。

 母にMeet通話。今日は、ヘルパーさんがいらして、午後は庭が花盛りの実家に行って、咲き始めたストケシアを切って玄関に飾ったそうな。また、駅前ショッピングモールのスーパーで少し買い物をしてきたそうだ。水分もしっかり摂っているので、大丈夫とのこと。

 当てにしていたレストランがクローズになっていたので、バランス良く野菜たっぷりのお弁当を買い求め、部屋に戻って頂いた。その後、岩盤浴(貸し切りだった)でたっぷり汗をかき、大きなお風呂で手足を伸ばし、サウナにもちょっと入ってスッキリさっぱり。よく眠れそうだ。

 明日はドセタキセル4回目プラスフェスゴ5回目の治療だ。前回からドセタキセルを6割減量にしたので、副作用はありながらも1週間の沖縄旅行に行くことが叶った。これ以上の減量はないだろうが、諸々の不調を抱えながらこのままあと何回続けられるのかは神のみぞ知る、である。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする