ロッキングチェアに揺られて

再発乳がんとともに、心穏やかに潔く、精一杯生きる

2022.5.5 GW家族旅5日目 松島へショートトリップの後は脱落・・・

2022-05-05 22:18:15 | 
 昨夜、入浴に辿り着けたのは日付が変わる頃。最上階の天然温泉は内湯、サウナ、水風呂と露天風呂があり、なかなか充実していた。時間が遅かったのかほぼ貸し切り状態。露天風呂は菖蒲湯になっていたのが、粋な計らいで嬉しかった。
 今回初めての連泊で、荷物のパッキングから解放されて気分的に楽。夜中にお手洗いに起きることもなく、目覚ましをかけた小一時間前までよく眠れた。

 今日はこどもの日。天気予報によれば、降水確率は終日0パーセント。夏日に近い最高気温になるという。温泉付きホテルのせいか部屋にはシャワーブースのみだったので、残念ながら朝の浴槽足湯はなし。朝風呂に入ると疲れそうなので、それも我慢。BSで朝ドラを見終えて、隣の部屋の2人とエレベーター前で待ち合わせて階下のレストランへ。思いのほか空いている。

 朝食ビュッフェは充実していて、朝からマイ海鮮丼を作ることが出来た。明日は洋食をチョイスすることにして、私としては珍しく海の幸満載の和食をメインにした。こどもの日ということで、小さな柏餅まで振る舞われ、名物ずんだ餅と合わせて美味しく頂いた。
 ゆっくり食事を終えて、今日は日本三景の一つ、松島までショートトリップすることに。

 仙石線の始発駅まで徒歩で移動する。ICカードが自動チャージされるので、東日本なのだなと安心する(関西に行くと、自動チャージされないので毎回不便を感じていた。)。
 松島には昨日訪れた中尊寺同様、夫と結婚して間もなくのバス旅行で訪れているが、息子は初めてだ。これで日本三景は制覇だそう。私達夫婦は残念ながら天橋立が未踏である。

 電車に揺られること40分ほど。ロングシートのほどよい揺れと、車窓からの日差しの暖かさでとんでもなく眠くなる。やはり旅の疲れが溜まってきているのだなと思う。
 松島海岸駅に到着すると、沢山の観光客が押し出されるように改札を出る。すると、いきなり松島湾遊覧船の勧誘である。まあ、知床観光船の事故があった直後だから、かえって安全重視だろうし、ここに来て遊覧船に乗らないわけにはいかないので、その場で乗船券を購入することに。
 何故か予約している人たちの方が長蛇の列で、飛び込みの私達は連絡先メモを書いたらすぐにチケットが手に入った。

 そこから皆の後をついて船着き場まで5分少々。ほぼ待つことなく11時発の便に乗り込むことが出来た。夫が2階のグリーン席を奢ってくれるといったけれど、2階席もそれなりに混んでいるようで、たまたま窓際の3人席がぽっかり空いたので、そこに座ることにした。直ぐに出航だ。

 松島湾一周の「仁王丸」コースは所要時間50分。17キロのコースだ。中央桟橋から双子島、穴が空いた鐘島、仁王様の顔の形が岩の上に乗っかっているような仁王島を経て、大きな水島など、ポイントポイントでわかりやすい説明があり、楽しい。
 30年前に訪れた時はデッキからカモメの餌やり(かっぱえびせんだったと思う。)がとても楽しくて、大喜びしたが、残念ながら今回は「松島の緑を保全するために当分の間カモメの餌やりは中止」との貼り紙が出ていた。致し方ない。海風が気持ち良い。

 チリ地震の時に切り離されたというチリ島。自然の圧倒的な力に目を見張りながら、石浜水道を通り、小学生が渡し船で通学するという野々島を右手に見て再び中央桟橋に戻ってきた。お天気に恵まれ、海も空も青く、思いのほか海風も冷たくなく、まさに風光明媚な風景を満喫出来た満足な船旅だった。

 船を下りた後は、国宝・瑞巌寺へ。奥州随一の古刹で、臨済宗妙心寺派に属する禅宗寺院だ。昨日の毛越寺同様、慈覚大師円仁によって開創された天台宗円福寺がその前身だそう。仙台藩主・伊達政宗公がその復興を手掛け、松島青龍山瑞厳円福禅寺と改めたという伊達氏の菩提寺だ。2018年に、10年に及ぶ平成の大修理が完了し、創建当初の姿が現在に蘇っている。

 参道の両脇にはすっくと伸びた背の高い杉の木が。周りはしーんと静まりかえって心が洗われる雰囲気だ。国宝の庫裡から見始め、本堂へと進む。10ある部屋は、使用目的にふさわしいテーマに沿って描かれた絵画や彫刻で装飾されており、精巧な復元模写が建て込まれている。
 他の部屋より畳面が一段高い、藩主御成の間の隣には天皇陛下がお泊まりになったという更に一段高い上々段の間が。なかなか居心地が悪かったのでは、などと余計なことをつぶやきつつ廻る。

 最後に宝物殿を見学して、無事終了。既にお昼を過ぎていて、息子は、松島名物の牡蠣が食べたいと落ち着かない。
 夫は何やら旅の疲れで腰痛が出てきているようで、口数少なである。具合が悪くなられては大変だが、私自身も結構疲労気味。ひとまず息子が探し出してきた海鮮処に入った。奥の和室の4人テーブルに通された。鶯が鳴いている。いい声である。
 息子は牡蠣づくしのお膳を、普段なら牡蠣を食べる夫が何やら食欲がないらしい。私も生ものは避けたいし、と同じ海老天丼をチョイスした。それでも食べきれず、息子に横流しして昼食終了。

 その後は、坂上田村麻呂の創建と伝えられる奥州現存最古の桃山建築である五大堂へ。ここにかかる透かし橋は縁結び橋ともいわれるようだが、高所恐怖症の夫は「趣味が悪い」と言いつつへっぴり腰。かなり怖じ気づいているようで、クスリとする(といっては可哀想か)。
 五大堂の屋根の下には十二支の動物の彫刻が施されており、家族それぞれの写真を撮ってきた。

 さて、そろそろ駅に戻ろうかというと、ポケモン大好き息子が、芝生広場にポケモンマンホールがあるというので、それを探しにテクテク。人が集まっている筈だから直ぐ分かる・・・とのことだったが、なかなか見つからず。お年寄りが座ってお話をしているところに地味にあったのでちょっと笑ってしまった。
 帰りの電車もすぐに来て、ラッキーにも席が確保出来た。いきなり3人とも船をこぎ出した。マスクをしているから口を開けて眠っているのもわからない2人と、右に左にガクンガクン倒れながら隣の方に謝る私。もう正体不明であった。

 仙台駅で下車すると、夫が伊達氏3代の霊廟である瑞鳳寺に行きたいという。ちょうど巡回バスがあると息子。バスロータリーに降りると、まさに出発間際の鶯色と白木で飾られた巡回バスが停車中。急いで3人で乗り込む。
 最終バスなので、帰りは巡回バスには乗れず、路線バスで帰ってこないといけないらしい。更に目的地は4時半迄の入場なので、坂道を頑張って登るように、熊が出るので注意、等とガイドさんに恐ろしいことを言われる。

 昨日の中尊寺に続き急な上り坂を登る元気はなく、私はそのまま巡回バスを1周してホテルに戻ることにした。20代の元気な息子に終日付き合うのはとても骨が折れる。体調を崩してからでは遅いのである。
 2人が降りた後、一度見たかった東北大学の青葉台キャンパス等の立派さに目を見張り、広瀬川を渡り、大通りのケヤキの新緑の美しさを車窓から眺めながら1時間ほどで再び駅まで戻ってきた。

 ホテルに戻り、がっくり疲れて横になる。今回の旅、1日出ずっぱりで戻るとすぐにブログを書いて、殆ど休むことなくへとへとな毎日だ(自業自得とも言う)。2人から離れて先に戻って横になったのは初めて。小一時間ウトウトしてしまったようだった。
 2人は急な階段を上り、4時半迄に入れば4時50分まで見学が出来ると言われ、しっかり廻ってきたようで写真が送られてきた。見学後はジェラートを楽しみ、ホテル近くの展望台に上がり、夕日を見てきたそうだ。

 2人が部屋で小休止した後は、息子が食べたいという牛タンとイタリアンが同時に楽しめるというレストランで夕食になった。大分胃腸が疲れていて、ブラッドオレンジジュースで乾杯した後はピザとサラダ、パスタをちょっぴりつついてご馳走様。息子があまりの迫力でみるみる2人前たいらげるので圧倒される。
 その後、2人は職場のお土産(私にはもうその必要はない。)を見繕った後、アーケード街を見て帰るというので、私はその足でホテルに戻ってきた。本日の万歩計は13,000歩弱。
 今日も元気だご飯が旨い2人(息子は若いから当然だが、年長な夫がさらに)は、大したものである。

 ということで今日が長旅、最後の夜である。
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