ロッキングチェアに揺られて

再発乳がんとともに、心穏やかに潔く、精一杯生きる

2015.2.27 カドサイラ(T-DM1)投与翌々日に思うこと

2015-02-27 20:06:13 | 日記
 昨夜も、日付けが変わる前に眠りにつくことが出来た。
 そして今朝。しっかり寝たにもかかわらず身体も頭も重く、だるさが酷い。エイヤ!と一旦起きてしまえば普通に動けるのだから、これは副作用などではなく、ただの怠け病かしらん、とも思う。
 気持ち悪さはないし、食欲は十分。いつもどおり朝も昼もロキソニンを飲んだけれど、我慢出来る程度の頭痛が続いている。

 と、あえて書き連ねてみたところで不調はこの程度だから、自覚出来る副作用としてはとても軽度だと思う。

 さて、ようやく待ちに待った嬉しい金曜日の夜である。
 土日はお楽しみな予定や約束が沢山。無理はしないで、それでも出来るだけ精力的に過ごしたいと思う。

 川崎の中1少年殺害事件で、18歳の定時制高校生と2人の17歳が逮捕されたという。息子より一つ年下の18歳がリーダー格。あまりに残虐であると同時に、幼稚な犯行の全貌が見えてくるにつれて言葉を失う。被害者はまだたった13歳・・・これからの人生で色々な楽しいことが待っていただろうに。こちらに引っ越す前に暮らしていたという故郷の島では人気者で、横断幕に「頑張れ」と沢山の人たちに送り出されたという。その僅か1年余り後にこんな不条理な結末が待っているとは一体誰が想像しただろう。

 それにしても、どうしてそんな先輩たちと付き合うことになったのだろう。詳細が判らない状況で無責任なことは言えないけれど、学校に行かなくなってから何度も受けた担任からの連絡に、お母さんは「(息子は)出かけているので」と答えていたというが・・・なぜ?!だろう。
 13歳の少年はどれだけ怖かったことだろう。顔にあざを作り、「殺されるかもしれない」とまでのSOSを出していたにもかかわらず、どうして誰も受け止めてあげられなかったのだろう。
 寒い中、衣類をはぎ取られ、抵抗することも出来なくされた挙句、切りつけられ、引きずられて遺棄されて・・・本当に血の通った人間のすることとは思えない。息子を持つ一人の母として、ご遺族の心中を慮るに、やりきれない。
 こうした残酷な、そして杜撰な少年犯罪が起きる度に何とも後味の悪い思いが残る。
 亡くなった少年の冥福を祈るとともに、取り返しのつかないことをした少年たちには、自分たちのしたことが如何に非道なものであったかを自覚してほしいし、きちんとその罪を償ってほしいと思う。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

2015.2.26 カドサイラ(T-DM1)投与翌日

2015-02-26 21:09:26 | 日記
 就寝前のタイケルブから解放され、久々の点滴でそれなりに疲れていたこともあり、昨夜は早々にベッドに入った。
 途中、お手洗いに起きても、お腹が痛くてというわけでないのが素晴らしい。久しぶりに満ち足りた7時間睡眠である。
 これまで1年以上の間、就寝前にタイケルブを飲むと、5時間から6時間後に腹痛(つまり下痢)で目覚める、ということが続いていた。そもそも朝食後2時間後に飲むという処方だったが、それでは仕事中に何度もお手洗いを往復しなければならないので、一番影響が少ないと思われる就寝前に飲むことにしていた。とはいえ、本来早寝で必要睡眠時間は子ども並みな私が、1年もの間、珍しくも日付けが変わる12時近く迄起きていたのだから、慢性的な寝不足状態が続いていたのは否めない。

 昨夜早く寝たおかげか、今朝は明け方目覚ましが鳴る前に目覚めた。そして直ぐに、身体がベッドにめり込むような何ともいえないだるさに気付く。忘れていたこの倦怠感、やっぱりカドサイラはハーセプチンにくるまれているとはいえ、抗がん剤だったのか!と思い知らされる。
 身体が重くてだるくて(うわっ、もしかすると起きられないかもしれない。かといって今日は休めないし・・・)と、ベッドでウダウダすること30分。
 なんとか起き出し、朝食の用意と夜の仕込みを簡単にして夫を送り出す。食欲はあり、気持ち悪さも熱も身体の痛みも、ない。ただひたすらダルダルなだるさが気になる。
 いつものように朝食前に小建中湯を、食後にラックビー、ロキソニン、低カルシウム血症対策のデノタスチュアブルを飲む。そして今朝からは脳梗塞予防のバイアスピリン100㎎が追加である。

 出勤する迄は(ああ、このままだったら午後はお休みして帰ってくるようかな・・・)などと思っていたのだが、不思議なもので、席に座ればシャンとする。途中来客もあり、(ああ、やっぱり休まないで良かった!)と思う。家にいたらおそらく一日着替えすらせずパジャマのまま、ダラダラ生活だっただろう。
 まあ、来週には投与1週間後の採血でいろいろな変化があるのだろうけれど、投与翌日もこんな感じでやり過ごせて奏功してくれるのなら、本当に楽だ。
 頑張れ、高額カドサイラ!である。朝起きると必ず感じる胸痛が心なしか和らいでいる気もする。ああ、身体中に沁み渡っているのだなあと勝手に解釈する。

 とにかく明日1日乗り切ればまた嬉しい週末がやって来る。しっかり身体の声に耳を傾けつつ乗り切りたいと思う。
コメント (2)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

2015.2.25 頭部造影MRI結果とカドサイラ(T-DM1) 1回目

2015-02-25 20:06:36 | 治療日記
 先週のCT撮影に続き、久しぶりに3週連続の通院である。
 何やら陽射しのないはっきりしないお天気だ。最寄駅に到着するといつになく沢山の人出でごった返している。今日は国公立大学二次試験の1日目、勤務する大学でも入試本番の日なのである。ああ、去年の今日は我が家でも受験生だった息子を送り出したのだ、と思い出しつつ、もうすっかり他人事になっているのだから、我ながら現金なことよ、と苦笑しつつ1年の早さを痛感する。

 電車は順調、乗換駅でも予定した始発電車にしっかり座れた。今日のお伴は、堂場瞬一さんの「共鳴」(中公文庫)。解説で久田恵さんが書いておられる通り、冒頭の序章2頁でいきなり心をづいとつかまれ、頁を繰り続ける。あわや病院最寄駅で降り損ないそうになる始末。
 
 自動再来受付機前ではそれほど待たずにIDカードを通す。今日は採血もないので、そのまま腫瘍内科受付へ直行。
 予約時間より早く到着したが、どのくらいで呼ばれるだろうと思いながら、本が面白いので待ち時間があっという間。合間に自動血圧測定機で計測すると、97-60、脈拍は92。朝一番だからこんなものだ。「中待合へどうぞ」と私の番号が点滅するまで、小一時間待った。中待合に入ってからも読書を続けていると、40分ほどで先生が診察室からお顔を出された。病院に入ってから、先生のお顔を見るまでに1時間半かかっている。

 さすがに先週お目にかかったばかりなので、「1週間、(頭の方は)いかがでしたか。」と訊かれるが、「おかげさまで、その後特になんともありません。」と応じる。タイケルブを一昨日の夜を最後に昨日はお休みしたので、1年ぶりに朝腹痛で目覚めなかったことを報告する。診察室での検温は6度8分。
 目の前には先週撮影した頭部造影MRIの画像が。見ると、白い小さな影がポツンとあるではないか。先生がスクロールすると1つではなく、あちらにも、こちらにも、である。
 あれっきり症状がないので、多分大丈夫、と思っていたが「(多発脳転移が)あったということですか・・・」と訊く。「ええ、ここにも、こちらにも・・・で、残念ながら多発脳転移だと思いました。読影がまだだったのですが、読影が届くと【多発脳転移ではない】とあるのです。造影剤を使っていない画像ではこうした小さな影があちこちにあるのですが、造影剤を使った画像にはないのです。転移だと造影剤の使用の有無にかかわらず影が出るので、転移ではないのだそうです。小さい影がチョコチョコあるのは、慢性的に血液の流れが悪い処があるということで、TIA(一過性脳虚血発作)というものです。嬉しさ半分(脳転移ではなかった)、というところでしょうかね。ただ、このまま状況が進むと脳梗塞が起こる可能性があるので、予防をしましょう。」と言われる。
 12月の症状はどのくらい続いたか、と問われ、思い出しながら短時間で30分も続かなかった、とお答えする。抗がん剤を投与すると血栓ができやすいそうだ。私はCVポートを入れているので、更に血が固まりやすくなるという。そのため、明日朝から毎日アスピリンを飲むことになった。「今回、カドサイラ投与を始めることで血小板が下がる副作用もあり、更に血が固まりにくくなると大丈夫でしょうか。」と問うたが、大きな手術をするようなことがなければ大丈夫とのこと。

 それにしても、一時脳転移を疑ってはみたが、あれっきり症状はなかったし、脳転移の場合、進行が早いので、症状が1回で済む訳はないとも聞いており、少し安心していたところ、まさか脳梗塞の前兆とは・・・。相談に乗ってもらっている友人の医師の話だと、私はメタボ体形ではないので、あくまでも生活習慣から来ているものではなく、基礎疾患や治療の所為だろうとのこと。
 それにしても、病気になるということはこういうことなのだ、と唇を噛む。治療が治療を呼んでいるではないか・・・と、なんだか情けなくなってくる。これまでもホルモン治療で卵巣嚢腫になり開腹手術をしたり、抗がん剤副作用で爪・皮膚の障害等々、枚挙にいとまがない。
 今度はよりによって、脳である。折しも夫と「おそらくがん、脳血管障害、心臓のどれかで死ぬことになるのだろうけれど、その中ではやはりいろいろ準備も出来るし、寝たきりの期間は少ないからがんがいいかな」と話していたばかりである。義母が脳梗塞で2年間寝たきりだったことを思うと、とてもではない。
 がんで命を落とすことについてはもはや受け容れているのだけれど、更に脳梗塞になって・・・と考えると洒落にならない。とにもかくにも検査して良かった、と胸をなでおろす。
 先生がおっしゃるには、セカンドオピニオンで近所の脳神経クリニック等で診てもらって別の意見を訊いても良いが、とりあえず予防治療としてアスピリンをスタートしてよいだろうという判断だそうだ。院内の神経内科の予約が5月まで取れないというのだから、致し方ない。
 脳梗塞の予防には、何か出来るのでしょうか、と問うが予防はまず難しいらしい。せいぜい水を飲むことくらいだろうか、と下を向く。まあ、今急にどうこうということではないからあまり神経質にならないように、と言われたけれど、また心配ごとが増えたことには変わりないトホホな結果である。

 今回の投与とアスピリン服用で、歯磨きの時に歯茎から出血があれば連絡の上、アスピリンは中止するように、とのこと。痛み止めのロキソニンとの飲み合わせもとりあえず大丈夫だという。「さて、それでは今日からカドサイラですね」と言われ、ご挨拶して診察室を出、化学療法室へ向かった。

 化学療法室で点滴をするのはECの後、フェソロデックス、タイケルブと間を挟んで実に2年ぶりである。その間、担当の看護師さんも随分顔ぶれが変わったのでは、と心配していたが、Okさん、Kbさん、Krさんは残留で、去年から異動していらしたOdさんだけが初めまして、だった。遊軍で針刺名人Oさんも近くにおられるし、Hさんも隣の呼吸器内科にいらっしゃるそうだ。知っているKbさんがいらして、ほっとして「またお世話になります。よろしくお願いいたします。」とご挨拶する。

 10分程待ってKbさんから「今日は初めてのお薬なので、椅子ではなくベッドでお願いしたいのですが」と案内される。そして、心臓モニターを装着し、ポートの針刺し。上手に刺して頂き、ラッキーだ。普段は採血、ポートフラッシュ、ランマーク注射と少なくとも3回針刺があるが、今日は後にも先にもポートの針刺し1回でおしまい。
 更に15分程待つと、「お薬届きました、始めましょう」とOkさんがいらっしゃる。今日は初回なのでカドサイラに1時間半かけ、前後の生食フラッシュを加えて2時間、次回からはカドサイラは短縮出来て、1時間とのことである。

 初回なので、5分経過のタイミングで様子を見た後、15分経過、30分経過、1時間経過、終了時に血圧測定や検温がある。6度4分、6度7分、6度7分と続き、血圧は106-58、98-65、113-73と推移。途中に薬剤師のOさんが副作用などの説明にみえる。
 自覚症状として、今日中に過敏反応(発熱、寒気、吐気、頭痛、めまい、じんましん)が出た場合には知らせること、血管炎・血管痛もある時は我慢しないで、と言われるが、ポートなのでノープロブレムである。ハーセプチンを長くやっていたので多分大丈夫だろうとは言われたが、5日後から2週間後までの間に血小板減少はあるようだ。また、長く続けていくことで、末梢神経障害(手足の痺れ、感覚が鈍る)、心機能低下、肝機能低下が出る模様。この病院でカドサイラを使っているのは、私を入れてもまだ片手くらいという。
 先を歩いてくれている先輩患者さんは3,4人だそうだ。実際、昨年4月新発売の薬であるから、長く続けているといっても1年経っていない。その段階で痺れが出るのだとすると、どのくらい続けられるのだろうとちょっと不安になる。いずれにせよ量を少なくしたり、という調整は可能だそう。

 予定通り2時間で無事点滴終了。抜針は新しいOdさんにして頂いた。これも衝撃が殆どなくラッキー。会計を待って自動支払機にIDカードを通すと、なぜか窓口へ、という案内が出る。
 いやはや、高価だとは分かっていたが、なんと3割負担で15万円弱、である。つまり点滴1パック50万近いのである。これが今後3週間に1度、である。本当に共済組合に頭が上がらないなあ、とカードで支払いを済ませる。

 外はなんとなく雨が降りそうな感じである。薬局へ移動すると相変わらず混雑している。また待ち時間が長いかな、と覚悟するが今日はアスピリンとヒルドイドローションだけだったので、15分ほどの待ち時間で済んだ。薬剤師さんから「今回お薬が変わると伺いましたが・・・」と訊かれたので、カドサイラを点滴してきたことをお話しする。そして「MRIでTIAが分かったので、アスピリンを飲むことになりましたが、胃薬も必要でしょうか」と訊くと、「1週間程度なら問題ないでしょうけれど、長く飲むとなると処方してもらった方がよいかもしれませんね。」とのこと。まあ長く飲むことになるのだろうな、と思う。久しぶりにこちらでは1,000円でお釣りが来たので、キャッシュでお支払。

 本日の病院と薬局の滞在時間は合わせて5時間ちょっと。久しぶりに駅ビルでゆっくりランチをし、切りの良い処まで読書をして帰宅した。2冊目は角田光代さんの「幾千の夜、昨日の月」(角川文庫)。
 結局、いつも仕事に行く時間と殆ど変らない時間の帰宅となり、1日仕事である。これから当分このペース。今日は熱が出ませんように、と頭痛もあったので昼食後にロキソニンを飲んでおいた。
 今のところ特に熱っぽくもないし、普通に夕食の支度も出来た。食欲もある。早く休んで明日に備えたい。
コメント (4)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

2015.2.24 “真打”投与前夜に思う

2015-02-24 20:07:20 | 日記
 明日からいよいよ・・・というか、とうとう・・・というかカドサイラ(T-DM1)投与が始まる。
 1年ほど続けてきたビックサイズの内服薬・タイケルブは、昨夜就寝前に服用したのがとりあえず最後になった。規定量の4割に減量されてはいるがといいながら、いまだに昼食を摂った途端にお腹の調子が悪い。今夜は明け方お腹が痛くて目覚めることなく、良く眠れるかしら、と取らぬ狸の皮算用をしている。

 カドサイラ(T-DM1)は、私たちHER2陽性乳がん患者にとって、待ちに待った夢の薬である。一昨年秋、認可されたものの薬価が決まるのに時間がかかり、発売が年を越え春までずれ込んだこともあった。
 ブログがきっかけで交流させて頂いた方たちの中には、「この薬を使う迄は死ねないわ」と言いつつもそれが叶うことなく天に召された方、治験に参加したものの1回投与しただけで旅立たれた方がいる。その方たちの思いを胸に抱きながら、明日から満を持しての投与開始である。

 そもそもこの薬は、抗HER2陽性の分子標的薬であるハーセプチンにエムタンシン(DM1)という強力な抗がん剤が結合されている。そのため、HER2陽性遺伝子を持つ乳がん細胞に“腫瘍選択的”に届いてHER2抗体依存性細胞障害作用(ADCC)を活発化させ、更にDM1が細胞障害活性により抗腫瘍効果を発揮するという仕組み。つまり、薬剤が持つ有害反応を最小限に抑えながら(無駄に元気な細胞を殺傷することがないので、副作用がきつくない。白血球減少も脱毛もしない!)、悪い細胞だけを叩いてくれる(抗腫瘍効果を発揮する)、謂わば“いいとこどり”の有難い薬なのである。

 とはいえ、ガイドブックを見れば、それなりに副作用はありそうだ。承認時までの国内臨床試験では、91.8%に何らかの副作用が認められているという。主な副作用は、倦怠感(43.8%)、鼻出血(41.1%)、悪心(39.7%)、発熱(31.5%)などであり、重大な副作用として、間質性肺疾患、心障害、過敏症、Infusion reaction、肝機能障害、肝不全、血小板減少症、末梢神経障害に注意が必要とのこと。

 実際、現在使用中の患者仲間がいるけれど、血小板が下がってなかなか3週に1度という予定通りの投与は出来ないと聞く。もちろん、4週に1度、5週に1度でも奏功してくれるなら、何より有難い薬ではあるには違いないけれど。

 まあ、案ずるより産むが易し。まずは自分の身体で試してみなければわからない。悪い細胞には上手いこと大人しくして頂いて、副作用がマイルドでありますように、そして、欲張りついでに出来るだけ長くこの薬の恩恵に預かれますように、と祈りたい。

 今夜は、タイケルブ服用の為に夜遅くまで頑張って起きている必要もないし、明日、体調万全で投与が出来るように、出来るだけ早く休みたいと思う。
コメント (2)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

2015.2.21-22 家族揃った宴が終わり、静かな生活に

2015-02-22 20:24:11 | 日記
 土曜日。普段ならベッドの中でのんびり朝の連続テレビ小説鑑賞の日なのだけれど、あいにく息子が朝から晩まで大忙し、綱渡りのような日程である。
 朝食を終えて、まずは朝一番で歯科検診へ送り出す。前回から2か月しか経っていないけれど、虫歯もなく、フロスでさっぱりさせてもらった模様。次回は8月初めに予約してきたという。
 帰宅した息子を、今度は朝一番で予約している美容院へカットに送り出す。夫と私は、昼からの写真撮影のスーツ等の準備を終え、まずは私が一足先に美容院が終わった頃を見計らってピックアップに。昨夜、夫と2人で来た時にはゆったりしていたが、土曜日の美容院はさすがに混雑している。思いのほか仕上げに時間がかかっていて、写真館の予約時間のギリギリになり、ちょっとイライラ。写真館で夫と合流。
 写真館は、我が家と同じ成人式の早撮りの女性や、七五三早撮りのチビッコたちで混雑している。まずは恒例の、息子の誕生日に合わせての家族写真を普段着で撮影。次に、3人ともスーツに着替えて成人式の家族記念写真。その後は、主役である息子の独壇場。昨年までの写真が納まったアルバムを持ち込んだが、去年の入学式記念で撮影したスーツ姿とは別人のようだ。20kgのお肉はどこへ、といった感じ。あれこれポーズをとらされてすっかりモデルになり切っている。続いて、羽織袴の和装に着替える。チビだった頃は、誕生日には和装・洋装とリカちゃん人形よろしく着替えて撮影して頂いたが、子ども用サイズの和装が出来なくなってから10年ぶりになるだろうか。せっかくだから、と白の上下を選んで何やらどこぞの組の人のようである。
 扇子や傘、はては刀まで、ノリノリにさせるような小道具が登場して、見ているこちらも随分楽しませてもらう。結局、撮影に2時間以上かかり、終わって写真を選び、会計を済ませる頃には空腹でクラクラしてしまった。それにしても、あれもこれも捨てがたいと注文し、気付けば6万もの請求書が・・・。
 我ながら、親バカというかなんというかだけれど、とにかく“目指せ、成人式!”を励みに治療をしてきたこともあるから、ここは夫が何と言おうと(言わないけれど)、ニッコリ笑ってカードを切る私である。

 既に3時近くになり、倒れ込むように向いのレストランでランチを済ませる。これでまだ予定は終わらない。
 今度は最寄駅まで戻り、私が勤務する大学の男性合唱団の定期演奏会に3人揃って参加。20年近く勤務しているが、学生たちのコンサートを実際に聴きに来たのは初めてである。息子がちょうど帰省中。徒歩で、しかも無料で全国金賞団体のコンサートを聴けるなんてラッキーだ、ということで、ツイッターでチケットをお取り置きしておいてもらった。
 なんと、女性1名を含む13人の少数精鋭で、昨年の全国大会で金賞を受賞しているとのこと。確かに一人ひとりがソロをとれるくらい粒ぞろいである。相変わらず講堂はもうちょっと暖房を効かせてほしい・・・というエコな温度設定だったけれど、演目はバラエティに富み、2時間弱のステージはあっという間だった。
 さて、これで帰宅出来れば良かったのだが、もう一つ懸案事項ということで、携帯ショップへ息子のプラン変更へ。これまた土曜日の携帯ショップは混雑している。30分程待って結局、うまくプラン変更することが出来ずに、くたびれもうけ。買い物だけして帰宅した。

 そして3人揃って最後の夕餉。当番は夫が引き受けてくれて、2人の好物の焼肉になった。朝からあれやこれやと動き回ったせいで疲れてガックリしてしまい、ブログも書く元気もなし。
 
 夜は同じ病気で無治療を選択しているブロガーさん(昨年夏、毎日新聞の取材で私と同じ回に登場していた京都在住のYさん)がテレビ出演ということを知り、ダラダラと視てしまう。朝日新聞の医療サイト・アピタルで「町医者だから言いたい!」を連載中の長尾先生がコメンテーターとして登場されていたけれど、決して無治療というわけではなく、痛み止め等を用いた緩和治療中ではある。
 そして、「発見された時に既に末期!余命宣告!」と流れていたが、進行していることは間違いないのだが、他臓器に遠隔転移しているわけではなかったようだから、それも言葉の使い方がどうなのだろう、といろいろ考えさせられてしまった。もちろん、テレビ的には“無治療、末期”と言った方がインパクトが大きいのだろうけれど。

 日曜日。なかなか起きられず、身体が重い。とはいえ、息子は明日から合唱団の春合宿ということで、なるべく早く帰寮させねばならない。やむなくのろのろ起床。食後は、夫が傍についてスーツケースのパッキングをさせていたので、私は傍観者を決め込む。荷物が出来たところでタクシーを呼び、夫は途中JR駅まで送ることに。
 洗濯を干した後、1時間半ほどで帰宅した夫と簡単にお昼を済ませ、先週サボってしまった掃除を済ませる。
 息子は美しいちらし寿司のお弁当をゲットして、2時間ちょっとの新幹線の旅。3時過ぎには無事に「ついた」の連絡があった。

 こうして2週間にわたる息子里帰りが終わった。スーツを新調に出掛けたり、先輩と都心連泊して東京観光を愉しんだり、鉄道公園を訪れたり、中高時代のお友達とカラオケで遊んだり、わざわざ新幹線に乗って鉄道写真を撮りに行ったり、祖母とお芝居を観に出掛けたり、成人式の写真撮影に合唱団のコンサート等など・・・実にてんこ盛り、宴のような半月だった。

 そして、また明日から夫婦2人の普通の生活が再開する。次回私達が京都に出向くのは来月の末、息子の引っ越しが終わっての様子見になる。
 水曜日からは治療変更も控え、あれこれ忙しくなりそうな2月最終週である。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする