ロッキングチェアに揺られて

再発乳がんとともに、心穏やかに潔く、精一杯生きる

2024.6.4ドセタキセル4回目(6割減量2回目)+ジーラスタボディポッド4回目13日後のこと 一人で過ごした火曜日は

2024-06-04 23:29:35 | 映画

 昨夜は今日が出勤の夫のために、ブログアップ後はすぐに入浴を済ませ、諸々のケアを終えて早めにベッドに入った。

 今朝は、平日仕様のスマホアラームを消してしまい、次に目覚めたのは40分ほど経ってから。慌ててリビングに行くと、夫はもう朝食も済ませていた。うう、申し訳ない。

 とりあえず夫を見送り、BSと地デジの朝ドラを視ながら朝食を摂る。外はいいお天気だ。お腹は快調。ちょっと迷ってこれまで行ったことのない映画館迄、最寄り駅前では上映していない観たい映画を観に行くことにした。
 洗濯もせずに、身支度をしてから余裕を持って家を出た。

 こんな気分になるのもお腹の心配がないからだ。治療後はいつも寝てばかりで、録画したドラマや映画だけがお友達のほぼ引き籠り。今回は結果としてドセタキセル単剤になったので、脱・引き籠りをトライしているわけだ。
 チケットをネット予約した時は結構ガラガラだったのだけれど、実際にスクリーンに入るとそれなりのお客さんの数だった。どちらかというと年齢層が高い。

 観た映画は「関心領域」。原題は「THE ZONE OF INTEREST」。
 “天は青く、誰もが笑顔で、子どもたちの楽しげな声が聞こえてくる。そして、窓から見える壁の向こうでは大きな建物から煙があがっている。時は1945年、アウシュビッツ収容所の隣で幸せに暮らす家族がいた。・・・スクリーンに映し出されるのは、どこにでもある穏やかな日常。しかし、壁ひとつ隔てたアウシュビッツ収容所の存在が、音、建物からあがる煙、家族の交わすなにげない会話や視線、そして気配から着実に伝わってくる。その時に観客が感じるのは恐怖か、不安か、それとも無関心か? 壁を隔てたふたつの世界にどんな違いがあるのか?平和に暮らす家族と彼らにはどんな違いがあるのか?そして、あなたと彼らの違いは?”という触れ込み。

 久しぶりにドイツ語を聴いた感じ。タリージェ5㎎のせいにするわけではないが、途中でかなりの眠気に襲われる。最後に現実に引き戻され、エンドロールと共に重苦しい音楽が身体に響いてなかなか席を立てなかった。

 昼食を摂る気分になかなかなれず、暫し彷徨う。駅前ショッピングセンター内の、前から気になっていたカフェで席が確保出来たので遅いランチ。食後はスマホで、鑑賞した人達のコメントを結構じっくり読んでしまった。うーん、なるほど。食後も普通に排便があり、スッキリ快調。
 
 その後、駅ナカ書店で今月の新刊を数冊買い、百貨店サテライトで今日から受付開始のお中元の手配をする。前回最終日に駆け込み手配をした時、抽選スクラッチカードでいい思いをしたけれど、今日は初日。残念ながら沢山のティッシュを手にしただけだった。

 最寄り駅まで戻り、駅前で用足しをして、アウトレットモールでこの数日買おうか買うまいか迷っていたブラウスを、とりあえず試着をしてみようと思ってショップに入る。顔映りがどうかなぁと思ったけれど、思いのほか良かったので、買うことに。ほぼ1年振りの自分の衣類の買い物だ。お誕生月で更に割引。

 帰宅したのは夕方近く。7,000歩ほど歩いてちょっと疲れて、喉も乾いている。あれこれ片付けてから暫しソファと一体化して休息。ウトウトしてしまう。やはり体力が落ちているのは否めない。
 今回はフェスゴなしであまり酷い下痢がなかったので、外出をしようかという気分になっているが、ドセタキセルとフェスゴの相乗作用の下痢はかなり辛い。

 晴れていたと思ったら、予報の通り急に凄い雷雨になる。母にMeet通話をすると、やはり凄い降りでびっくりしたと言う。今日は人の出入りが多くて落ち着かなかったそうだ。ヘルパーさんがいらした後、福祉サービスの方たちがいらして押印したり何したりと忙しなかったとそうだ。草臥れて午後は腰のマッサージに出かけ、既に夕食も済ませて、お風呂を付けたとのこと。明日はWさんサロンだそうだ。マッサージ三昧、羨ましい。

 その後、遅い夕食に冷凍のおうどんを頂く。身体が温まったところで、デザートには、お腹の調子が悪かったから冷凍庫に入りっぱなしだったミニカップのアイスクリームを頂きながら、好きな旅番組をご機嫌に視る。

 夫は美容院でカットだったのだけれど、酷い雨、雨宿り出来ているかとLINEすると、カフェで時間潰し中だそう。そんなわけで普段より遅い帰宅だった。
 ところが、夫が帰って来るや否や、腹痛でお手洗いに飛び込む羽目に。あっという間に、快調だったお腹はどこへやら、の下痢になった。お手洗いから出られず、出てもまた往復で合計5回の下痢。とほほ。やはりアイスクリームはご法度のようだ。

 明日は午後、お昼抜きでの造影CT撮影だ。
 今日より長く電車に乗るのだから、お腹が落ち着いてくれていないと困ってしまう。せっかく一人で気ままに過ごせた火曜日の顛末が、下痢再開とは・・・まぁ、自業自得なのだけれど。

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2022.9.30エンハーツ33クール目 さらに6割に減量29回目投与後翌々日のこと 長月晦日、退職半年経過雑感

2022-09-30 22:34:24 | 映画
 昨夜は、夫が今日は出勤だというのに、眠れないのを言い訳に夜更かしになだれ込んだ。先に夫が入浴したお風呂には、ASHAREさんから頂いた癒しの森の香りのバスソルトが入っていた。
 吐き気止めオイルでマッサージをして、ベッドに入ったら1時半になってしまった。そして既に朝刊が届けられていた。いくらなんでも早すぎないか。

 ベッドに行ってもお腹がモタモタして気持ち悪いまま。今日はRubanRoseさんのおしゃべりカフェで送って頂いたフランキンセンスのスプレーを枕と部屋に撒いたら、少し落ち着いた気持ちになって、1時間強のマントラCDが終わる迄にはなんとか眠りにつけたようだった。2時半近くだったか。

 朝はいつもの時間にスマホアラームが鳴って目が覚める。続いて目覚ましが鳴り、止める。目が覚めるとやはりその途端にどちらを向いても気持ちが悪く、ふと二度寝をしてしまう。
 次に気づけば間もなく夫が出かける時間。やってしまった。お行儀悪く夫をベッドから送り出す。

 今日で今季朝ドラが最終回。BSで1回視て、んっ?という感じ。リビングに移動して地デジの朝ドラを2回視る。なんとか時間の辻褄を合わせたけれど、いきなり40年近くワープしたヒロインたちがあまりに若すぎて・・・。

 のろのろ身支度をして、とりあえず朝食を摂ることに。朝ドラに続き、あさイチのゲストがオーナー役の原田美枝子さん。3歳上でおられるが、同世代として台詞も重く響き、ついついダラダラと視てしまった。
 今朝もピンクグレープフルーツジュースからのスタート。ジュースはグラスに半分ほど飲み切った。昨夜も夕食が殆ど摂れていないので、空腹だ。ナンドッグをレンチンしてみたらなんとかお腹に入れられた。果物はバナナ1かけ、シャインマスカット、巨峰、ピオーネ1粒ずつ、あきづき1かけ。味が分かった。

 紅茶は味が分からずどうせ飲めないのでパス。青いヨーグルトは時間をかけて1つ食べ切った。
 食後は、半分残しておいたジュースでイメンド80㎎、デカドロン4㎎。いつもの整腸剤ミヤBM錠を飲み、胃薬タケプロンを口内で溶かす。今日もあまりお腹が動かず、腹痛にはなるもののウサギさん状の便が少しだけ。

 外は秋晴れの快晴。朝から日差しが強い。夏日の予報で、まさしく洗濯日和だけれど、昨日すっかり洗ってしまったし、ヨガスタジオにも行けなので洗い物は殆どない。せっかくだから、衣替え出来そうなものやお洒落着洗いでもしようかなと思いながら、身体は重く、決めきれないままグズグズ。

 ソファに横になるとついついウトウトしてしまうので、PCに移動してメールチェックやネットの各紙をざっと読み、溜まった日記をブログを見ながら書く。
 外では草刈り機の音がかなり騒々しい。具合が悪いと作業中の人には申し訳ないが、大きな音が鳴っているのがとても鬱陶しくしんどい。

 電話が鳴る。昨夜、カタログと注文書が届いた夫の郷里の果物屋さんにFAXしたところ、早速FAXで確認書が送られてきたのだった。1年が経つのが早い。
 今度はピンポンが鳴る。避難梯子の点検だそうで、上の階のベランダから我が家のベランダに梯子で降りるのに、我が家の植木鉢(カポックがとても大きくなって場所を取っている。)が邪魔になって降りられないとのこと。
 ああ、お知らせチラシをまた読み落としたか。上の家にはもう行けないので、家の中を通ってベランダを確認したいとのこと。今日がだめなら明日でもよいと言われたが、何度も来て頂くのも恐縮なので、10分ほど待って頂いて、廊下とリビング等をざっと片付け、ベランダの鉢(ミツバやルッコラ等ハーブのプランターが例年になく沢山ある。)で、軽くて動かせるものだけ動かす。日差しが強くて下向きの作業は気持ち悪くてクラクラする。

 去年は洗濯物を目一杯干していて、これは・・・と注意されたのだったが、今年もまた一筋縄ではいかなかった。下の階も植木鉢が邪魔をしているので、降りられないとのこと。写真を撮って終了した。とほほ。

 瞬く間に昼過ぎになる。イメンドが効いてきて眠い。このままソファと一体化したらそのまま夕方だ。今日は夫が美容院経由のため、夕飯の支度も不要。迷った末、カップ麺を半分ほどお腹に入れてから今日封切りの邦画を観に行くことにした。
ポイントがたまっていて無料鑑賞出来たのは「アイ・アムまきもと」。初日2回目の上映で観客は10名ほどだった。夫の郷里の庄内地方を舞台にした阿部サダヲさん主演の映画だ。
 去年の5月から6月にかけて撮影されたとのことで、青々とした水田風景が広がり、鳥海山(庄内富士)等何度も見た美しい風景がスクリーン一杯に広がった。私は生まれてこの方住民票が都内を出たことがないので、ふるさとと言える原風景がない。夫のおかげで、こうした風景に繰り返し接することが出来たわけで、何やら懐かしくも温かい。

 昨日は義母の祥月命日だった。彼女が好きだったりんごや北海道土産のお菓子と白と薄紫のお花を仏壇に供えた。天に召されたのは2013年。もう9年も経ってしまった。存命なら101歳になる。バイタリティに溢れ、パワフルで健康な人だったから、100歳まで楽勝で生きると周囲は思っていたし、本人もそう思っていたに違いない。卒寿のお祝い会は自分で仕切っていたほどだ。
 その年の暮れに脳出血で倒れ、2年間近く入院と施設入所でほぼ寝たきりの状態で逝った。
 私が病を得た時、「もし貴女がいなくなったら、私が2人(夫と息子)を見るから・・・」とまで言ってくれたのに。その私が今、こうして生きているのは不思議と奇跡以外の何物でもない。

 映画のストーリー自体はかなりシリアスな内容だ。原作「おみおくりの作法」は2015年1月に本邦公開された2013年のイギリス・イタリア合作。既にWowowで録画していたので、先にこちらを観てからリメイクの本作を観たかったのだが、順序が逆になってしまった。
 コメディというには冒頭からとても重い内容なのに、どこかクスッとさせられ、何度もしんみりし、ラストは衝撃的な結末から一転。いい映画だった。

 2時間弱の映画が終わってまっすぐ帰宅。ブラトップと八分袖のブラウスを着ていたけれど、暑かった。かなり気温が高かったようだ。万歩計は3,600歩ほど。
 薬局のIさんからご機嫌伺いのメールが入った。治療後3日目でだるさや吐き気が強い時期だとは思いますので朝もゆっくり過ごして頂ければと思います、何か気になることがありましたらご連絡ください、とのこと。有難いことである。

 母にMeetでご機嫌伺い。今日は、朝予定通りヘルパーさんが来てくださり、天気が良かったので2回洗濯をして、夕方はスーパーでお寿司を買ってきて夕飯にしたそうだ。頑張っていて、何より。

 お腹も空かないし、原作もなるべく早く観なくては・・・と夫が帰ってくる迄に観終わるつもりで観始めた。ところがソファと一体化したら案の定途中でウトウトして、何度もビデオを戻す羽目に。大分時間がかかってしまい、後半の30分ほどは帰宅した夫にも見せてしまうことになった。原作の方がよりコメディ度が低かったので、リメイクの邦画を先に見たのは正解だったかも。

 遅い夕食はレンチンのカレードリアと朝食べられなかったシャインマスカット、ピオーネ1粒とあきづき1かけ。それにピンクグレープフルーツジュース(ひたすらこれ)を何とかお腹に入れて、食後の薬を飲んだ。

 さて、長月晦日。今日で退職からちょうど半年。病欠と休職以外26年間ほぼ毎日通った構内には、4月初めに、合唱団時代の友人Rちゃんとお花見をし、学内レストランでランチをした後は、1度も足を踏み入れていない。
 毎年、9月半ばには小径に群生する彼岸花を楽しみに愛でていたのだけれど、今年はそれを見ることもなかった。別に敢えて遠ざけているつもりはないのだけれど、職場の後任からは度々メールは来るものの呼び出されることはなかったし、まぁ退職とはこんなものなのだと思う。

 そんなわけで、今日は2時間の映画を観て2時間半ほど外出出来た。家事らしい家事はろくに出来なかった。食器を片付けてお風呂を洗っただけ。だが、映画の台詞を借りれば「疲れた、疲れた」ではなく、「頑張った、頑張った」である(自分に甘すぎ)。
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2020.1.30 観尽くした、満ち足りた

2020-01-30 21:39:21 | 映画

 昨年の大晦日に交換した映画1か月フリーパス、今回は本当によく使った。
 交換するまで全く知らなかったのだけれど、このサービス(映画鑑賞時間1分=1マイルとして6,000マイル貯めたら、同じ系列のどの映画館でも使える1か月フリーパスゲット)は昨年末の交換をもって終了になったようだ。つまり本当に最後の期間にフル利用させて頂いたという次第。

 私にとっては2年に1度のお楽しみ(6,000マイルつまり6,000分に相当する映画を見る勘定になり、概ね1本100分とすると60本相当になる。マイルは2年で消滅するので1年におよそ30本観れば、2年に1回フリーパスが頂けるというわけだ。)で、たいてい大晦日(この時点で、当該年のマイルと、有効期限が切れる前年分のマイルを合算して使うのが一番無駄がない。)に引き換えて1か月間利用させて頂いていた。

 けれど、フルタイムで勤務していればそうそう毎日通うわけにもいかないし、土日にまとめて観るか、平日のどこかで1本、が精々だ。2011年、13年、15年、17年と今回2019年、それぞれ何本観られたのかチェックしてみたら、15本、20本、16本、11本、そして今年も20本の大台。

 1日2本(時間さえかぶらなければ1日何本観てもよい。)の日も数日あった。
 学生時代、お小遣いが潤沢にあったわけでもない頃、大学界隈の名画座で3本立てなどに挑戦したこともあったけれど、さすがにクッションの悪い草臥れた椅子で3本は身体が持たず、2本観るのがせいぜいだった。
 それが今は椅子も環境もよいし、目や腰が疲れるとはいえ、若干インターバルを置いて全く違う毛色のものを観れば、それほど憔悴することもなかった。

 観た映画は邦画10本(うちアニメ2本)、洋画10本。1月に上映中で、男児向けの戦隊もののような、どうあっても見ないな(息子がちびの時はよく観たものだが・・・。)というもの以外全部制覇した。この単純さ、というかスタンプラリーみたいなものはすぐにコンプリートしたくなる。実に貧乏性である。だからいつも時間がない、と言っているのだけれど、好きな事をして時間がないとは呆れたものである。

 レビューを書こうかなんて思ったら、色々考えながら観ることになってしまうので疲れるけれど、今回はそんな無理なことも思わず、ただその時間観て楽しむことだけにした。だから、普段だったら(お金を払って)観なかっただろうなという、いわゆる食わず嫌いの作品も観ることが出来て良かった。なかでも韓国映画「パラサイト 半地下の家族」はびっくりするほど面白かった。

 ということで2020年の睦月はすっかり映画三昧月間になった。
 ところで、懸案だった母のこと。今日の午前中に、先日受けた大腸内視鏡検査の結果を伺いに行ったところ、外科の先生から「大丈夫、心配ないよ。」とお墨付きを頂いた、とスマホから弾んだ声が聞こえてきた。良かった、良かった。

 以下、記録のために。
 月曜日、今月2回目のお花が届いていた。前回はちょうど伊勢・志摩旅行で不在のため、代金を用意できなかったのだが、今回はちょうど朝出勤する時に呼び鈴が鳴ったので、初めてお届けのお兄さんに直接お目にかかってお渡しすることが出来た。

 淡いピンク、赤、橙色のガーベラがそれぞれ3本ずつ。麦が2本。菜の花、カスミソウ、アカメヤナギが1本ずつ。すっかり春の装いだ。玄関がぱっと華やいだ。花言葉はそれぞれ「感謝」、「富」、「快活な愛」、「清らかな心」、「強い忍耐」だという。昨日今日のあまりの温かさであっという間に菜の花が満開になっている。
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2019.1.19 42年経ってもこの曲に胸が高鳴る!~クリードⅡ~

2019-01-19 20:51:02 | 映画

 表題の映画「クリードⅡ 炎の宿敵」を観た。ラッキーなことにペアチケットが当たったので、夫を誘って。
 ロッキーの新シリーズ、2作目である。1976年の「ロッキー」から2006年のシリーズ6作目「ロッキー・ザ・ファイナル」まで漏れなく観てきた。なんといってもあのロッキーのテーマ曲が大好きである。ブラバンでも演奏した思い出の曲だ。我ながら実に単純なのだが、頑張るぞ!の気力が湧いてくる。
 そんな私なのに2015年の「クリード チャンプを継ぐ男」をなぜか鑑落としていた。幸い先日WOWOWで放映されていたので、しっかり録画して予習し、満を持して映画館へ向かった。

 2002年、愛妻エイドリアンをがんで喪い(2006年の第6作でそれがわかるのだが、おりしも自分ががんに罹患した翌年でもあり、ロッキーがお墓の前に椅子を置き、妻に話しかける姿が切なくて涙を誘われたのを覚えている。)、ロッキーも寄る年波といった風貌ですっかりしょぼくれている。
 「クリード チャンプを継ぐ男」では奇しくも亡き親友アポロ・クリードの息子アドニスに請われてトレーナーとなる。トレーニングを続ける中、初期のリンパ腫が見つかる。妻の闘病を見てきたからだろうと思われる諦観した台詞が重い。当初、治療しないというが、アドニスに説得され、闘病しながら2人でチャンピオンベルトに挑む。実の親子を超えるほどの弟子との関係が築かれていく。一方、一人息子のロバートはカナダに住み、ずっと疎遠であることもわかる。孫もいるが、会ったこともないようだ。

 それから3年。本作では、33年前の第4作「ロッキー4 炎の友情」でアポロをリングの上で死に追いやった旧ソ連のボクサー、イワン・ドラゴとその息子ヴィクターが、ロッキーと今は世界チャンピオンとなったアドニスに挑戦状を叩きつけてくる。イワン・ドラゴはかつてロッキーに敗れたという因縁もある。アドニスとヴィクター、それぞれにとっての父親の弔い合戦である。憎しみしか持たない彼らと試合をする意味はない、とロッキーからセコンドを断わられ、リングに沈んだアドニス。その後、再起をかけてロッキーとデス・ヴァレーで地獄の特訓を重ねる。ロッキーが病を克服したことがうかがえる。

 イワン・ドラゴも60歳を超え、かつての氷のような殺人ファイターの面影は消え失せている。深く刻まれた皺から、ロッキーに敗れた後、悲惨な人生を送ってきたことが見て取れる。妻に去られ、「国辱!」と罵られ、一人息子を鍛えあげることだけを頼りに生きてきた30余年間。そのしごきに耐え、厳しい父と、自分を捨てた母に認めてもらいたいと願う息子の孤独とやり場のなさ。とんでもなく強い大男の胸に秘められたその切なさが胸に迫る。

 本シリーズではロッキーもドラゴも戦わない。セコンド役に徹している。ラストシーンで“It’s your time.”とロッキーが言うように、アドニスたちの時代の幕開けである。
 アドニスはアポロの息子とはいえ、愛人の子だ。父とは会ったこともない。施設で育っていたところ、アポロの正妻メリー・アンに引き取られともに暮らすようになる。歌手であるビアンカと交際を続け、本作で結婚、女の子の父となり、父の墓前で勝利を報告する。ロッキーも自らの息子ロバートを訪ね、和解する。このシーンも素敵。実生活ではスタローンは一人息子を亡くしているという。ロッキーの部屋に飾ってある息子とのツーショットは、実の子とのものであるということを知り、ぐっときた。イワン・ドラゴもアドニスとの死闘で最後にはヴィクターにタオルを投げ、すんでのところで息子の命を救う。

 ボクシングシーンのリアルな描写もさることながら、こうした3組の父と息子のドラマも効果的に組み込まれていて、胸が熱くなる。ドラゴ父子を捨てた母を演じたブリジッド・ニールセンがそのままの役で出演していたのにも驚いた。私生活では54歳で5番目の夫の子供を出産したという話にも恐れ入ったが、30年の重みを感じる登場だった。

 それにしても、あの「ロッキーのテーマ」が本当にここぞ、という絶妙なタイミングで鳴り出すのである。否応なく胸が高鳴る。横で観ていた夫曰く、あの音楽が流れ出した瞬間、私の身がぐっと前に乗り出したのがわかった、そうだ。そうなのである。身体を乗り出して2時間10分、涙も滲ませつつ堪能した。
 やっぱりいくつになっても私はロッキーが好き。42年もの間、この役を演じ続けているスタローンは凄い。大満足の1本だった。

 と、一晩過ぎても興奮冷めやらないのだけれど、今日は大ポカをやってしまった。月に1度のお楽しみマッサージWさんサロンの予約はいつも日曜日。手帳にも明日にチェックをしていた。すっかりその気で今日は土曜日恒例の寝坊をし、ごみ捨てと洗濯を済ませ、夕飯のポトフの仕込みをして、さて、お昼の時間・・・ふとラインを見ると、Wさんから「今日はご予約ではなかったでしょうか。ご体調が悪いのでは、と心配しております」と連絡が入っていた。なんということか。慌てて予約カードを見ると確かに明日ではなく今日であった。この思い込み・・・なんと間抜けなことか。平謝りをして明日はいかがでしょうか、と訊くと午前中は予約が入っていたが、午後からなら、と入れて頂いた。本当に申し訳ない。新年早々しっかりしなくては、という出来事である。

 今日は澄み切った青空が広がる穏やかな土曜日だった。センター試験初日。例年雪の心配をするのだけれど、暖かくてよかった。それでも空気が乾燥している。受験生には体調を崩さず頑張ってほしいと思う。
 午後から夫がクリーニング店に行くのに同行して、ついでにお散歩がてらカフェで遅いランチをしてきた。

 ところで体調のことであるが、久しぶりに胸痛が引かず、空咳も気になる。ロキソニンに加えてコデインのお世話になる。なんとか落ち着いてくれると良いのだけれど。そろそろアリミデックスの副作用で手指のこわばりも気になるレベルになってきた。うまく付き合っていかないと・・・。
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2018.2.18 最も人々を幸せにするものこそ~グレイテスト・ショーマン~

2018-02-18 19:11:31 | 映画
 昨日は瞑想ヨーガのクラスの帰り道に一人で標題の映画を観た。
 せっかくペアチケットが当たったので、「一緒にどう?」と夫を誘ったのだけれど、何分ミュージカル映画のことを「普通に会話していて、いきなり歌い出すあの不自然さがどうしても気に食わない」そうで、「一人でどうぞ、ノーサンキュー」と剣もほろろのレスポンスだった。

 まあ、隣でつまらなそうにモジモジされたり、鼾をかかれたりするのではたまらない。結果、一人で思いっきりミュージカルの世界に浸れたので、おひとり様鑑賞大成功であった。昨年観た「ラ・ラ・ランド」も素敵だったけれど、私としてはこちらの方が好きだろうか。かつて観た「ラ・ミゼラブル」も思い出した。

 地上最大のショー(ザ・グレイテスト・ショー・オン・アース)と名付けた大サーカスを始めたことで知られ、アメリカでショービジネスの原点を築いた伝説のプロモーターとも言われる興行師P・T・バーナムを主人公にしたものだ。主人公を演じるのはヒュー・ジャックマン。

 とにかく最初からテンポの良い運びにあっという間に巻き込まれた。2時間弱、一気呵成に、彼の波乱万丈な人生を共に駆け抜けた感じとでも言おうか。
 貧しい仕立て屋の息子として生まれ、下級階層から這い上がったバーナムは、裕福な階層出の妻にその生活を捨てさせる。彼女は文字通り彼への愛だけのためにバーナムと一緒になるのだが、その後、妻や娘たちの幸せのためにショーを始め、成り上がりといわれながらも成功を納め、妻の両親を見返そうと社交界にもアピールし、前のめりに「もっと」を追い求めすぎた挙句の挫折を味わうことになる。
それでも、ラストには一座のメンバーや家族とともに再起を果たすという、最も幸せなものを再確認するハッピーエンドがあくまでも心地よかった。

 そして、それぞれのエピソードの間に語られる9曲のミュージカルナンバー。それぞれメッセージをしのばせたフレーズにも心動かされ、涙腺を刺激された。知らず知らずのうちに緩やかに身体を揺すり、音楽に乗っている自分に気づいた。

 特に外見(巨人や小人、髭を生やした女性等など)や人種ゆえに差別を受け続けて来た一座のメンバーたちが、「This is me」と前を向き、誇り高く歌いあげる姿には心揺さぶられた。ダイバーシティの今の世の中、あらゆる人たちに向けた人生の応援歌に相応しいのではないだろうか。ユニークな存在であることの肯定と、映画の中の辛口の評論家が言ういわゆる「人類の祝祭」という一座のパワー溢れる歌と群舞は素晴らしかった。

 彼の出し物にはインチキなものも混じり、大衆である観客たちはそれを受け入れ、エンターテイメントとして楽しんだわけだが、一つだけは本物を出したいとスウェーデンの歌姫を担ぎ出す。家族を置いて彼女と国内各地で公演ツアーを重ねた結果、彼女も出し物の一つでしかないなら、と彼の元を去っていく。破産し、差し押さえされ、愛妻が実家に戻ってようやく家族の大切さに気づくバーナム。

 バーナムの言葉である「最も崇高な芸術は人を幸せにするもの」というエンドクレジットの前に映し出された文字を見ながら、夢見ること、愛すること、その力に惜しみない拍手を送りつつ、元気をもらった1本だった。

 ペアチケットはまだ1枚手元にある。もう一度観てもいいし、息子に送ってあげてもいいなと、いまだ感動の中にいる私は、思っている。


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