ロッキングチェアに揺られて

再発乳がんとともに、心穏やかに潔く、精一杯生きる

2015.1.31 情報誌「ライフライン21 がんの先進医療」掲載のお知らせ

2015-01-31 15:06:55 | お知らせ
 昨日発行された、がん患者と家族に希望の光を与える情報誌「ライフライン21 がんの先進医療」vol.16 2015年1月号に、私の「闘病記・私のがん体験(乳がん)の第1回(初発から再発まで)」が掲載されました。

 今月号は小児がん特集ですが、「がん治療」最前線、患者会に訊く、がん治療(標準治療)の基礎知識などのシリーズものに加え、患者会講演や各種がんに関する情報が満載です。乳がんについても、術後のケア(化学療法による皮膚障害のためのケア)、リンパ浮腫の治療とケア、放射線治療の副作用とその対策等のお役立ち情報が掲載されています。

 この雑誌は書店での販売だけでなく、全国のがん診療連携拠点病院にも配布されているそうです。もしご興味がありましたら、お手に取って頂けると幸いです。

 株式会社蕗書房発行、株式会社星雲社発売 定価1,143円+税で、年4回(1月、4月、7月、10月)の季刊発行誌です。
 私の闘病記はあと2回、4月号、7月号に連載の予定です。
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2015.1.30 不正は許さない!~トラッシュ!この街が輝く日まで~

2015-01-30 19:43:30 | 映画
 夫と2人で標題の映画を観た。
 ブラジルが舞台で、少年たちが活躍する映画・・・ということ以上のことは知らずに映画館に出かけたのだが、大当たりだった。
 スラム街が舞台ということで、かつて観た「スラムドック・ミリオネラ」のようなファンタジーをイメージしていたのだけれど、実際は手に汗握るスリルとサスペンス。
 2時間弱、時間を忘れて思いっきりドキドキハラハラさせられたけれど、観終わった後は、希望のあるラストシーンに心地よい疲れで、満足感一杯!という1本だった。

 舞台はブラジル・リオデジャネイロ郊外。ゴミ山で金目の物を探し、その日その日を精一杯生きる少年たちは皆14歳。我が日本では“魔の14歳”とか、“中2病”とか言われる難しいお年頃だけれど、映画の中の彼らの生活は実に過酷だ。自分たちでは選ぶことの出来ない生まれた国や環境により、子どもたちの運命は本当に雲泥の差なのだ、と唸らされる。私だったらとても生きていけないだろう、自然淘汰だな、と下を向く。

 ある日主人公ラファエルが、ゴミ山の中からひとつの財布を拾う。記憶力抜群の相棒ガルドと下水管で暮らすラットの3人は、財布に隠された重大な秘密を明らかにしようとするのだが、その所為で命を狙われることに。半殺しの目に遭いながらもその良心に従い、真実を明かそうとする少年たちに、汚職にまみれた警察の容赦ない追跡の手が伸びる。その背景には、迫りくるブラジルオリンピックにまつわる不正の影が透けて見える。
 いってみれば少年たちが拾った財布は世界の“希望”が詰まったものなのだろう。ガルドの言葉を借りれば“貧乏人はゴミ同然の扱いを受ける”という絶望の街で見つけたこの“小さな希望”を頼りに、街全体に輝く奇跡を起せるのかというストーリーなのである。

 スクリーンで躍動する圧倒的な生命力に溢れた3人の少年を演じたのは、オーディションで選ばれた無名の少年たちだという。ごくごく自然な演技で、観る私たちを魅了する。
 肉親からも世間からも見放された子どもたちを優しく導きたいと願いながら、立ちはだかる現実との葛藤の中にあるアメリカ人神父、母親のように彼らを見守る若き女性オリビア。豪華なキャストが脇を固めており、その人間味溢れる存在感で物語に深みを持たせている。

 クライマックスの暗号解きシーンにもドキドキハラハラのしっぱなしだったが、物語のキーとなる6月17日に丸がついたカレンダーに、自分の誕生日を見つけて、ちょっとびっくり。これには夫も「6月17日だったね~」と気づいたようで、なんとなく+αのオマケを頂いた気分。

 さて、2020年、5年後に迫った東京オリンピック。その頃まで命が繋げているかどうかは神のみぞ知る、であるが、巨額のお金が動くのは必至だろう。こんな不正や収賄が行われるのは映画の上だけであることを切に望みたい。

 今日は息子の誕生日。彼が生まれて初めて一人で迎える誕生日だ。10代最後の年、19歳になった。昨年の今頃はまさか翌年の誕生日に彼が自宅にいないなどとはゆめゆめ思っていなかった。あっという間の巣立ち、そして1年だ。
 今日は予報通り朝から雪。「誕生日おめでとう」のLINEを送ったついでにベランダからの雪景色の写真を送ったところ、「気をつけて」と返ってきた。今日で学年末試験等も終わり、部活とバイトを終えて来週末に帰省するようだ。
 経済的な心配をしなくてよい学生生活を送ることが出来ることに感謝し、“不正は許さない”という気概を持って映画の少年たちのように逞しく生きていってくれたら、と思う。

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2015.1.29 利己から利他へ、がんサバイバーとして出来ること

2015-01-29 19:54:21 | 日記
 何度もご紹介している朝日新聞静岡版に連載中の渡辺先生のコラムの最新号。またも深く頷いた。以下、転載させて頂く。

※   ※    ※(転載開始)

がん内科医の独り言(2015.1.24)
がんサバイバー
 ■経験生かし他者のため
 「がんサバイバー」の勉強会を開きました。治った人、治らない人、再発した人、家族まで含めてがんサバイバーと呼び、日本には約600万人いるそうです。私たちが診療で接する患者だけでなく、治療は終わったけれど、不安や心配が抜け切れない人、我々からみると「元患者」と思える人などが含まれます。
 看護師、医師、薬剤師などの医療者が広く社会に目を向け、がんサバイバーをどう支援するのか。その考え方や、技術を学び、共通認識をもつため、土曜日の午後を使った勉強会です。講師にがんサバイバー2人を招きました。
 ひとりは30代の女性。浜松市でがんサバイバー向けショップの店長をしています。抗がん剤による脱毛に対応するウィッグ(かつら)や帽子などの販売、治療中の体調管理やお化粧、お肌のケアの指導をしています。まさに、がんサバイバー自らが、がんサバイバーの生活を支援しているのです。
 治療中の体験談も聞きました。誰にも相談できないつらい日々を過ごし、離婚を乗り越え、家族や友人の支援を受けて希望を見いだした――など、胸に迫るものがありました。
 もう一人の講師は、岐阜県でがん患者団体を主催している60代の女性です。「患者お茶会」や、医師などを講師に招いた勉強会を定期的に開き、正しい情報を提供することで、患者の心配や不安を軽減し、がん検診普及活動や地域の医療行政と連携して数々の提言などをしているそうです。
 がん治療の真っ最中の患者は自分のことで精いっぱいで、他人のことなどとても考えていられません。しかし、その経験を生かし、他の患者、世の中のために役に立ちたい、という「利他の心」で活動している講師の姿勢に感銘をうけました。
 看護師や医師は天職として利他の行為が基本です。「利他の心」を共有できた実り多い勉強会でした。(浜松オンコロジーセンター・渡辺亨)

(転載終了)※   ※   ※

 医療関係者に接していると、実に天職としての利他な仕事であることを痛感する。普通の暮らしをしていれば、人はどうしても利他よりまずは利己ということになるだろう。それは当然のことだと思う。けれど、がんになってからは、確かに利他の心が目覚めているように感じる。
 自分の経験が、患者として辛い思いをしている人に何かの役に立てるなら、と素直に思うからだ。それほどがんという経験(特に、再発後のエンドレスの治療)は私にとって肉体的には勿論、精神的にそれほど大きなストレスだったということだろう。

 患者会で話をさせて頂くのも、原稿を書かせて頂くのも、こうして日々ブログを綴るのも、私にとってはそういうことだ。加えて、これには自分の気持ちを整理して落ち着かせるため、家族に言い辛いことを書くことでやんわり伝えるため、などという意味もあるのだけれど・・・。

 もちろん治療が終わったわけではない。それどころかこれからも生ある限りずっと続くわけだから、残念ながら全て自分の生活を投げ打って・・・というわけにはいかない。あくまでも自分の生活(仕事や趣味を含む)をうまくコントロールしながら、それ以外の時間をこうして利他のことに使っていくのが、今の私に出来るベストの選択だと思う。

 これまでも多くのお友達を見送ってきた。皆、どこかにそうした気持ちを持っていたのではないかと思う。残酷なことだけれど、どんなに立派な人も、どんなに素敵な人も、もっともっと長生きして欲しかった人も、旅立っていかざるをえないのを見てきた。
 彼女たちがどんな思いで利他の気持ちを持って、自分が病気と闘う中で、患者会の仕事に尽力したり、その生き様をブログに綴ったり、発言したりしてきたのか。そのことに思いを馳せると、あらためてその尊さを想う。

 私も生ある限り自分が経験したことを自分だけに留めることなく、その一端でも担っていくことが出来たら本当に幸せだな、と思う。


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2015.1.28 三たび、なんて素敵な贈り物!~大津先生のブログから

2015-01-28 21:56:37 | 日記
 読売新聞の医療サイトyomiDr.の連載を何度もご紹介させて頂いている大津先生のオフィシャルブログ(医療の一隅と、人の生を照らす)1月25日の記事で、「あるブログから~ロッキングチェアに揺られて~さんより」というものを見つけた。
 私が20日に書いた記事(直球ど真ん中!~がん患者だって働きたい!)を引用してくださっているのである。
 単細胞な私は、三たび(1度目はなんて素敵なグレイトジョブ!、2度目はなんて素敵なグレイトニュース…再び!)、嬉しくて、“木に登っている”ので、以下、転載させて頂く。

※   ※   ※(転載開始)

皆さん、こんにちは。大津です。

ヨミドクターの記事『がん患者だって「働きたい」』
について、~ロッキングチェアに揺られて~さんがブログで触れてくださっていますが、実際に体験されている方の言葉として学びとなりましたのでご紹介します。

2015.1.20 直球ど真ん中!~がん患者だって働きたい!

(以下転載)

(以上転載)

貴重なご体験のお話、ありがとうございます。
皆さんもきっと経験があると思いますが、一部の大作家さんを除いて、何かを書いて、著者に反応が感じられるくらいの反響を得るというのはなかなか稀なことなのではないかと思います。
例えば、論文を書かれる方もそうだと思いますが、一生懸命書き上げてようやく専門誌に掲載されても、「おそらくこの存在を知る人はほとんどいないのだろうな」というくらいの感触しか得られないことも少なくないのではないかと思います。
また往々にして、「共感できる」という場合と同様に、「まったく共感できない」という場合こそ、何かひと言伝えたい、と思う動機となることが多いのではないかと思うのです。
すると、結構厳しいご意見のみ頂戴することになったり。それはそれで非常に貴重な経験であり、感謝しています。
そのようなわけで、取り上げて頂けるというのはとても嬉しいことです。
もちろんペタ、いいね、メッセージ、私としてはすべて大変励みになっています。
ありがとうございます。

(転載終了)※    ※    ※

 そう、先生が書いておられるとおり、こうして日々ブログを綴りながら全く何の反応もないと、やっぱりちょっと寂しい。閲覧人数や頁は機会的に判る。ああ、これだけの方が見てくださっているんだな、平均してお一人が数ページ閲覧してくださっているのだな、と判るから、その数字が増えていくのは嬉しいものであるが、それでもコメントで実際の声が頂けるのはもっと嬉しい。

 そして「共感できる」場合以上に「全く共感できない」場合にこそ伝えたい、一言言わせてということになるのだ、ということが最近良くわかってきた。
 私はヘタレなので、あえて共感できないことに一言コメントさせて頂く、までのエネルギーはない。そのまま(ふーん、私はそうは思わないけれど)と読み逃げすることが多いのだけれど、考えてみれば、一言物申す!とあえて厳しいご意見を寄せてくださる方は大切にしなければならないと思う。
 もちろん、それは真摯に考えてくださっての物申すであって、ただ相手を傷つけるためのネガティヴコメントではないのは言うまでもないのだけれど。
 尤も、そういうものに対していちいち落ち込まないで、上手にスルーする術も身につけてやり過ごさないと、不特定多数の方に対して発信するブログを続けていくのはとても厳しいな、とも思う。

 とにかく、取り上げて頂けるということはとても嬉しいことだ。これをお読み頂いている方々は、何かのご縁で辿り着いてくださった方なのだととても感謝している。

 書くことはとても孤独な作業だ。そして自分の身を切り刻みながら書くことも多い。もちろん、自分の気持ちを整理する上で書くことはとても大切なことだと思うけれど、やはりこうして発信していながら全く反応がないとそれはそれでつまらない。
 だからこそ先生から三たび、こんな大きな励みを頂いて、また頑張って書き続けるぞ、と思う単純な私なのである。


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2015.1.27 銀婚式、その後のおまけ

2015-01-27 21:03:50 | 日記
 銀婚式からほぼ半月が経った。ごく普通の毎日を送っているうちに、四半世紀に一度の記念イベント(?)の各種お楽しみは全て出揃ってしまった。
 息子からの夫婦湯呑が先頭を切り、次に旅行中の記念団体写真が届き、名前を彫ってもらった琉球ペアグラスが届き、そして写真館で撮った写真も出来上がってきた。

 旅行は17人のこじんまりした御一行様だった。ご夫婦が我が家を含めて6組、ご家族3人が1組、女性同士のお友達が1組、とご一緒した団体メンバーもよく覚えている。驚くことに、どう見ても私が一番の若輩者。団塊世代(いや、もっと年長の方々も含め)の先輩たちの、それはそれはお元気なこと。それはさておき、実際には僅か1週間前に撮った写真なのだが、すっかり現実生活に引き戻されているので、旅行したのはなんだか遠い昔・・・の感じだ。

 ペアグラスは1週間から10日後をお愉しみに、と言われたけれど随分早い到着だった。短い自由散策時間に雨宿り方々入ったお店で、殆ど衝動的に慌てて注文したので(加工費すらろくに確かめずに・・・なんとも無謀である。)どんなものになるのか・・・とちょっぴり不安だったけれど、イメージ通りの素敵な仕上がりだ。
 さて、このグラスで何を飲もうかと思案したけれど、結局、まだ使うことが出来ずに食器棚に飾ってある。食洗機にもかけられない品物だから、日常使いというわけにはいかなそう。かといって食器棚の肥やしにしてはもったいないので、時間も気持ちもゆとりのあるときに使いたいと思う。

 最後は、いつもお世話になっている写真館で撮影した記念写真。毎年1月末、息子の誕生日に家族写真を撮り続けて、早くも19年が経とうとしている。注文したのは六つ切りの写真と、キャビネ版の写真立てを含む3ポーズだったのだが、長いことご愛顧頂いているので、と写真館からのサプライズプレゼントとしてクリスタルガラスの写真立てが入っていてびっくり。「祝 銀婚式 2015.1.14 Anniversary スタジオのロゴマーク」と彫られていた。いやいや、なんとも心憎いこと。照れつつも気を良くして早速飾っている。次回、息子の成人式記念写真の早撮りの予約も済ませてきた。

 2人の六つ切り写真といえば、5年前結婚20年の折、息子の誕生日のついでに撮ってもらった写真がある。これまでそれを額に入れて飾っていたのだけれど、それと比べれば、私の皺も、夫の白髪も間違いなく増えている。当時、私はタキソテール後の脱毛中で、ミディアムロングのかつらを被っているし、顔色もくすんでいてイマイチな容貌だから、今回の方が歳は重ねているものの元気な感じに見えて嬉しい。

 そんなこんなでお楽しみも全て出揃った。26年目に突入した結婚生活は、来月、息子が春休みで一時帰省する迄、静かな2人暮らしが続いていく。

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