ロッキングチェアに揺られて

再発乳がんとともに、心穏やかに潔く、精一杯生きる

2022.5.11 採血後腫瘍内科診察、エンハーツ28クール目 さらに6割に減量24回目無事終了

2022-05-11 23:56:57 | 治療日記
 
 昨夜は久しぶりのお友達との再会に幸せ一杯な気分。入浴後、日付が変わらないうちに眠りにつけた。
 明け方お手洗いに起きたら、そのまま眠れず目覚ましが鳴った。浴槽足湯をして足のマッサージを終え、身支度をして階下のレストランへ。
 昨夜あれほど食べ過ぎたのにもかかわらず、何やらもうお腹が空いている。お腹も快調である。

 欲張らずにサラダとポタージュスープを少々、小さなデニッシュを1つ、バナナ、オレンジ、パイナップルを一切れずつ、黒酢べリージュースを並べる。オムレツだけは焼いて頂いて、カプチーノを飲み、新聞を持って退散。

 BSで朝ドラを視、母にDuo通話で、今晩は体調不良が見込まれるので連絡しないと伝える。荷物はまとめて部屋に置き、最低限の手提げだけで身軽に出た。今日も昨日位の高めの最高気温になるという。
 GW明けの週、病院は混雑しているのを覚悟して早めに出たのだけれど、受付のIDカード機から並んでいる。採血受付へ移動して、ピンク色の受付番号表を取り、40人近く待っていることを示す電子掲示板を見てがっくり。それなのになぜか7分待ちとなっている。おかしいなと思ったらどんどん数字が変わって、最終的に23分待ちとなった。椅子もかなり埋まっている。

 薄いコートをエコバッグに入れてブラウス1枚になる。昨日読み切れなかった酒井さんの「家族終了」を読みながら時間を潰す。「採血室へどうぞ」となったのは30分近く待ってから。今日の採血担当はベテランの検査技師Yさん。何度もお世話になっている。ラッキー。全く痛まずに針刺も抜針も済んで5本採取。待ち時間は長かったけれど、幸先は良い。お礼を言って席を立つ。

 止血をしながら向かいの腫瘍内科に移動する。待合い椅子はかなり混み始めていて、定位置の席は確保出来ず、受付正面の席を確保してから受付へ。いつものように問診票の追加を頂き、息切れ以外全て「ない」に〇をして、息切れの「ある」の前に“たまに”を追加した。保険証もチェックして頂く。
 酒井さんの本を読み続ける合間に、昨夜お目にかかったお友達とLINEでやり取りをしながら待ち時間をやり過ごす。

 採血から1時間過ぎたところで、血圧測定。107-65、脈拍が82。その後、普段なら30分ほど待てば”中待合いへどうぞ”に番号が出るのだけれど、今日は全くダメ。内科受付から番号が出るまで2時間近くかかった。
 さらに10分ほど待って、先生がドアを開けて会釈をされる。病院チェックインから先生にお目にかかるまで2時間半以上。やはりお正月とGW明けの病院は鬼門である。

 「おはようございます。」と挨拶して、荷物を籠に入れ、自分の体調管理ノートやエンハーツダイアリー等を出して席に着く。
 まずは体温計を渡され、脇に挟む。6度5分。
 「退職後の生活、どうですか?」と問われ、「これまでは治療翌日となる木曜日はどうしても出勤しなければならなかったのですが、退職して這ってでも行かなければならない、ということがなくなったので精神的に楽でした。それでも、木曜日から日曜日までの4日間は一歩も家から出られなかったため、さすがにこれでは足が萎えてしまう、と月曜日の夕方一番近いカフェにお茶を飲みに行き、火曜日には、これまでなら仕事をしているのだから、とその代わりに映画を観に行ったものの、結局かなり疲れました。でも、そのおかげで結果として不調期間が1日短くなった感じでした」とご報告。

 「コデインはどうですか?」と訊かれ「飲んでいません。」と即答。「ほお」と言われ、「気圧の変動時等は圧痛を感じ、痛みが全くない、というわけではないですが、コデインを飲まなければ耐えられない、というほどではありません」と補足する。「おかげさまで、です。」と。

 「今日の採血の状況ですが、まぁ、特に問題はなさそうですね。」とのこと。PCを覗き込むと、マーカーは今回もコンマちょっと下がっている。安定しているとのご判断だ。そして、2週間後CT予約の確認と8月までの化学療法室の予約を入れてくださった。
 というわけで今日も治療続行、28クール目になった。

 今回も前回同様の処方に。「エルカルチンが魚臭くて吐き気を催すほど飲み辛い。これまでは仕事に行かなければならなかったので飲んできたが、仮に倦怠感が辛くてもこれからは家にいられるので、試しにやめてみるのはどうか?」と言ってみたら、「あえて辛くなるのはよくないですから、飲んだらどうですか」と言われてしまった。
 鼻をつまんでジュースで流し込むしかないようだ。がっかり。お礼を言って、診察室を出る。

 化学療法室へ移動するとお1人だけ待っていた。受付番号は23番だ。これまで一番遅い番号で先月の記録を更新。10番台のことが大半なのに。
 タッチの差で私の後に、相談員さんと思しき女性が連れてきた男性がチェックインする。何やら色々ご不満があるようで、延々と治療をするのしないのと相談員さんに訴えている。声を荒げるわけではないけれど、とにかくお話が止まらない。
 「今日は1時間で終わって帰れると思ったら、ここに来て5時間かかると言われる。こんなところ(!)で昼食は摂りたくないので、外に出たい。今日は仕方ないから治療をしても次回は止めたい、エトセトラエトセトラ」
 耳をそばだてるつもりはないけれど、誰も話をしていない静かな空間なので全部聞こえてしまう。

 先月同様LINEのお友達になった門前薬局に、LINEで処方箋の写真を送る。薬局での待ち時間が大幅に軽減されるので、有難い。
 Krさんから「お待たせしてすみません」とイメンド125㎎が届き、その場で飲む。どんどん待合い受付に人が滞留してくる。助手さんから「あと30分くらいでお席にご案内出来ると思います」と言われる。まだ先は長い。夫やお友達にLINE報告。

 化学療法室では見たことのない看護師さんがカートを押しながら忙しそうに行き交っている。
 30分ほど食事に出ていた件の男性が戻ってきて、私より先に(点滴時間が長いから、と)空いたベッドに案内される。「6時間くらいかかりますので、ベッドにしましょうね」とKrさんに言われ、また「話が違う云々・・・」と。
 私も14年半の間、6時間ほどかかる点滴のこともあった。会計は閉まり、救急受付で支払いをして真っ暗の中、裏口から帰ったことも二度や三度ではない。だからこそ、今まで命が繋げているのである。この男性は治療をしないでどうしたいのだろう、とちょっと頭を傾げてしまった。
 Krさんや、助手さんから(順番を抜かして)すみません、と言われる。いえいえ。

 ようやく席に通されたのは化学療法室に入ってから小一時間してから。しかも残念なことに、数台しかない一番古いグレーのリクライニングチェアだった。14年半前、まだ小さかった化学療法室に設置されていた代物で、当時使ったことがある。今の新しいものと違って足の部分が小さく、殆ど上げられない。
 新幹線の椅子程度で背もたれのラインが全然身体に合わず、少し座っているだけで腰痛になる。いつもは膝掛にするタオルケットを腰に挟むが、大して効果がない。足は靴を脱いでも殆ど上に上がっていないので、床に着きそうだ。

 20分ほどしてニューフェイスのHさんが針刺しに見える。針刺しはいまいちだったけれど、引継ぎがちゃんとされていたようで、強力なテープでペタッと貼らずに、ガーゼを当てて紙テープで固定してくださった。
 
 ほどなくして最近お顔を見なかったMさんが薬を届けに来てくれて、アロキシ、デキサートの吐き気止めから点滴スタート。15分ほどでぶどう糖にチェンジ。そして10分で終了。
 ところがその後のエンハーツ以降の点滴バックが吊るされていない。Sさんが見えて「終わりですね」と。「エンハーツやっていないですよ?」と言うと、「確認します。」と。
 今日は要遮光のエンハーツは別に保管されていたと、持ってきてくださった。ほっとする。吐き気止めとぶどう糖だけ入れて帰ったらお笑いである。

 前回、エンハーツにオレンジ色の遮光カバーがかかっていなかったので、そのことを言ってカバーをつけてもらったことも言ったら、平謝りだった。人の出入りも激しく、看護師さんたちは本当に忙しいから、お任せします、の姿勢で眠ってしまってノーチェックではダメなのである。

 2冊目は初めましての作家、保坂和志さんの「ハレルヤ」(新潮社文庫)。帯には「この猫は神さまが連れてきた 谷中の墓地で拾った子猫、花ちゃんとの18年8か月」とある。表紙には片方の目が潰れた白が基調の猫と作者と思しき人の下半身の写真。裏表紙には「生には終わりはあるかもしれないがそれを死とは呼ばない-。花ちゃんは外に出るのが好きな猫だった。腫瘍が見つかったのは17歳のとき。余命2週間を宣告されると花ちゃんは大きな声で鳴いた。懸命に生きるハナちゃんとのかけがえのない日々を描いた『ハレルヤ』。愛おしさに満ちた傑作短編集」とある。

 読みながら、あれ?と思う。チャーちゃんという猫が登場する話と重なって何かデジャヴ感がする。その名前は瞑想ヨーガ講師のSさんが「『死んだらどうなるの?』を考える時、おすすめの絵本♡」という記事で紹介されていたものだ。ビンゴだった。あわせて読んでみたくなった。
 
 腰が痛くて、と訴えたら(席は移動出来そうにないので、と)看護助手さんが足を置く台とタオルケットの追加を、Mさんが足台に置いてよいという枕を持っていてくださった。あれこれ重ねて大分楽になってほっとした。有難いことである。

 その後エンハーツとぶどう糖と生理食塩水、順調に進む。
 薬剤師のもう一人の男性Kさんが見える。今回も体調を報告し、退職後の投与後の過ごし方を試行錯誤中であることをお話。薬局への情報提供書を書いて頂く。
 
 採血結果のプリントアウトを見ると、白血球は4,000、好中球は1,300ほど。コレステロールは相変わらず若干H、その他アルブミンも相変わらず若干のLだった。
 Krさんが見えてまたお詫びを言われて恐縮する。終了時の血圧測定はやや高め。134-70。脈拍数は75。抜針もKrさん。早業だった。

 我慢していたお手洗いは使用中。ご挨拶をして化学療法室を出、急いで腫瘍内科で受付表を出し、会計待合いに移動してからお手洗いへ滑り込む。待合い椅子はとても混んでいる。10分ほど待ってから自動支払機で11万円強をカード払い。

 外に出るとコートは不要なほどの暖かさ。ブラウス1枚で日傘を差し、薬局へ移動する。数人が待っている。LINEで写真を送った後、今日も30分ほどして「お薬の準備が出来ました」という連絡が入っていたので、待ち時間はほぼなく、ほどなくしてIさんから名前を呼ばれる。

 この4週間の間、旅先でも体調伺いや薬についての質問等のLINE連絡があり、湯あたりをしたこと等もお伝えしていたので、話が弾んでしまった。
 「電話は必要ですか」と問われ、「LINEでやり取りができるので大丈夫です。」とお答え。もし何か気になることがあれば、ご連絡くださいとのこと。先生へのFAXも必要ならして頂けるとのこと。後からいらした方に抜かれることもなく、10分ほどで電子マネーで6,000円強の支払いを済ませる。
 今日の病院と薬局での滞在時間は6時間弱。もし薬局で1時間待ち時間が発生していたら、せっかく3時間レイトチェックアウトにしてもらったホテルのチェックアウト時間も間に合わない。
 
 大急ぎでホテルの16階の部屋に戻って、水分補給して一服。お手洗いも済ませ、荷物を整理してからチェックアウトした。
 駅ビルに向かい、野菜タップリの小さいサイズの冷麺を頂いて、最後の快速電車に乗った。化学療法室で起きていたので、本を開きながら寝落ち。気づけば降りる駅になっていて慌てて降りた。

 荷物(買い込んだ文庫と手持ちの文庫合わせて7冊、馬鹿である)が重くて手に食い込んでくる。今日は夫は出勤だからお迎えがない。タクシーで帰ればよいのに、なんとなく歩いてしまった。
 生協のお届け品がどっさり。ため息をつきながら収納し、今日頂いた薬やら何やらの片付けをする。ようやく座ったところで出張直帰の夫がいつもより30分早く帰宅した。

 何やら急激に眠くなって、そのままリビングで転寝。
 2時間以上たっぷり眠って、息子が母の日のプレゼントに送ってくれた双子パンダの写真がプリントされた限定地下鉄一日券を見て和む。
 夫がまだ食事を摂っていないというので、一緒に遅い夕食。生協から届いた冷やし中華をちょっぴりと小さなお稲荷さんとかんぴょう巻きを1つお腹に入れられた。

 明日から少なくとも1週間は体調不良が見込まれるが、もう行かなければならない所はない。今回は4日連続籠城蟄居にならないように、動ける時は動きたいなと思う。
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