海びらきがされて、ビーチで海水浴を楽しんでいる人々の姿がニュースに流れるようになって、ほとんど真夏といってよいのでしょう。確かに暑いですが、まだまだこれからもっと暑い天気になるような気がします。
暑い時にも使えるというジェル状膠を先日みつけたので、どうしても、という場合にはそれをつなぎに絵の具を使うこともできるかと思いますが、昔の職人さんたちの季節に移り変わりに沿った仕事の仕分けというのは、季節ごとの気候と扱う最良の特質とを見極めて動いていたはずで、そういう理由から、この時期には絵の具や膠を使う工程よりも、土を精製したり、練ったり、型に詰めて形を起こして干す、乾燥したら、素焼きをして貯めておく、といったあたりの仕事が中心だったはずです。自分でもそのとおりに動くことが一番適しているんだと思います。
浅草三社様裏手の被官稲荷神社へお納めする鉄砲狐は年3回に分けて一定数ずつというお約束になっています。まさに夏の間に1年分の素焼きまでをプールしておいて、あとは涼しくなってから納期前に3分の一ずつ彩色するようにしています。昨年焼いておいた残り分がわずかありますが、それに作り足していくとしてもまだまだ半分にも達していなさそうなので、もう少し気持ちを引き締めて一日あたりの抜き出し数をもっとふやさなければ、と思っています。
材料の土も鉄砲狐用に石膏吸水鉢で水気を抜いて粘りを出すため、発泡スチロール製の蓋付箱に貯めて備えていますが、昨年の経験では、まだまだ目標数をあげるためには巨大なバケツ一杯分くらい以上、濾した泥を寝かせておく必要があるので、毎朝泥をかき回しては篩にかけて濾しています。
例年新年の干支向けの人形は遅い出だしになってしまうのを反省して、今年は早めに、と思って、一種類目だけは原型や一番型は用意できています。サンプルとして抜き出して乾燥素焼きして塗る予定ですが、他の型も作っておかなければと思っています。
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