今日は28日。改めて残る今年に納められるものは納めねば、、、と急いでいます。古今東西の土人形にお詳しい方だったら、画像をご覧いただいて「与市兵衛だ」「火の用心だ」と思われることと思います。これは伝統的な今戸の古典型ということではなく、20数年前に近くの王子で始まった年中行事「王子 狐の行列」に因んで提灯を提げた狐を、というご要望により創作したもので当時は王子稲荷参道にある葛餅屋さんで鬻いでいただいてました。数年間か置いていただいていたのですがそのうち作らなくなっていました。今回、久しぶりに改めて原型を起こして作ってみました。
この狐のポーズですが、古い伏見人形の型で「与市兵衛」(浄瑠璃「仮名手本忠臣蔵」5段目(山崎街道)に登場するお軽の父親の名前)と呼ばれる人形、それと山形の古い相良人形にも伏見から型どりしたらしき「火の用心」と呼ばれる人形が伝わっておりどちらももお爺さんが提灯を提げて千鳥足で歩いているといった体の型です。またおそらく伏見か相良からの影響で秋田の八橋人形の古いものに頭だけ狐に挿げ替えて左腕を「くの字」から普通の状態に直したような型の人形も見られるのでそれらをアレンジして作ったのが20年ほど前。今回はオリジナルの「与市兵衛」や「火の用心」のようにポーズを戻してみました。
配色については20年前は朱の着物に群青の羽織だったのを、今回は紫土べんがら風の色に羽織を墨で黒く塗るか、藍色系にするか迷った挙句に藍色系にしてみました。久しぶりにやってみましたが、落ち着いてみないとどんなものかまだわかりません。
これらの狐は大晦日に間に合うよう王子「ヤマワ」さんへお持ちする予定です。
余談ですが、このお手本となった伏見の「与市兵衛」や相良の「火の用心」と同じ構図の人形は東京の近世遺跡からも出土しており東京の土(江戸在地系)でできている作例があるので、今戸でも作られていたと考えられると思います。
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いつも思うけれど、勢ぞろいしている姿が良すぎて、うっとりします。
おはようございます。ありがとうございます。明日にはヤマワさんにお持ちする約束なのですが、着物部分の「紫土べんがら」風に混色して作った色にムラが出やすいので塗りなおしていました。ご指摘の丸いもの、原作にあるからやっているという程度で実のところ確実に何なんだかわかっていません。「3べん廻って煙草にしよう」とかいいますから「煙草入れとか煙草を呑む提げもの」なんだろうなと漠然と思っていましたが何で丸いんだろう??とも。天神様とかお内裏様の土人形だと刀の鍔でもともと孔をあけてあとから刀身に見立てた木片を通していたものが、鍔の丸だけ残っている、なんてこともあり、身を守るための刀の名残なのかとも、、。これまで既に作っている狐で「宝珠抱き狐」という伏見人形をもじったものもあるんですが、やっぱり腰に丸いものがすいています。だんだん気になってきています。青の袖なしのお猿さんも同時に塗っている最中ですのでもう暫くお待ちくださいませ。
画像のキツネさん、表情が優しくて、笑顔が良いですね!!
今年一年、いまどきさんは色々と大変だったと思いますが、ゆっくりとした新年をお迎え下さいね!
ありがとうございます。お仕事が重なっていらっしゃるのですね。お体大切になさってください。このところ不精になって狐の行列を観に行ってません。お店にほうにははじめての型なのでどうなるかわからずそんなにたくさんお持ちしていなかったのですが、どうなったか気になっています。新年がウリ坊さまにとってよい年でありますようお祈りしています。来年もよろしくお願いいたします。