最後の今戸人形師であった尾張屋・金澤春吉翁(明治元年~昭和19年)の作られた土人形です。今戸の土人形の中でもよく知られているものです。
目と耳はスカーレット染料で塗られていて、着物は朱のような顔料、羽織は群青の顔料です。赤でも色を使い分けています。帯は金色のものと緑のものと黒のがあります。
可愛らしい人形なのですが、「その昔、遊女が妊娠しないように、無事月のものを拝めるようにという呪いで求めた」という内容の解説がされている本が多いです。
こうした内容の解説のもとは有坂与太郎の著作に出てくるのがはじめなのではないでしょうか?有坂与太郎はこれをどこから聞いたのでしょうか?当時の古老から聞いた話なのか、あるいは遡って何かに記録されていることなのか?出典についてはっきりと書かれていないので気になります。
こうした内容の古い記述をちょこちょこ探しているのですが、まだみつかりません。ご存じの方がいらしたらご教示いただきたいと思っています。
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おっしゃるとおり、語呂合わせの駄洒落のようで、ばかばかしいようではあるのですが、何分昔は今のように医療がすすんでいませんので、ちょっとしたことでも神頼みだったようです。人形に限らず、例えば、小絵馬などに語呂合わせや形からのイメージで願い事の目的に通じる図柄、絵柄のパターンというものがありました。例えば、牛は草を食べるので、草は瘡に通じ瘡除けの呪いであったり、鶏のとさかは炎の形に似ているから、火を司る荒神様のお遣いとして火除けの呪いに。鳩は豆をつついて食べるので、子供の食事の胸つかえの呪い。犬は多産なので安産の呪い、、などなど。兎は豊穣の願いの象徴であることはおおかた西洋でもそうだそうで、ドイツの友達に聞いたことがあるのですが、特に男性の活力のイメージがあるそうです。詳しいことはわかりませんが、、。雑誌のプレイボーイのマークが兎なのもそのあたりで通じているのでしょう。日本での兎の豊穣とのつながりは中国からきているのでしょう。中国の民間玩具の泥人形にも仲秋の兎があります。山東省済南市の薬を搗く兎など代表的なものでしょう。薬は無病、長寿の願いで、我が国では安産、子孫繁栄の方向に願いが向くのが自然だと思います。その点、この今戸の月見兎の話はマイナーな方向への願いで職種としても特殊な呪いのような気がします。具体的な記録があったら知りたいのです。