自分の子供時分にはどこにでもあった道具類で、いつの間にか見られなくなったものがいくつかありますが、画像のような消し壺や、今戸焼(1)で採り上げた猫こたつなど、さして遠い時代のものだとは思えません。
子供の頃、あがっていった近所のお宅で現役だったり、縁の下や植え込みのやつでの木の下などにごろごろしていたように憶えています。
画像の消し壺は「棗(なつめ)型の消し壺」というのだそうで、今戸焼の職人さんによって考案されたデザインなのだそうです。画像の品自体がれっきとした今戸焼屋さんによるものかどうかわかりません。博物館の今戸焼研究家の先生だと、「出自のわからないものは認めない」と足蹴りにされてしまうかもしれませんが、日常会話の中での今戸焼のイメージの範疇で十分通用するものだと思います。
この黒いつやは「黒みがき」の仕上げですね。素焼きしたものの表面を那智石と灯明油で磨き、水?溶きした黒鉛粉を塗って再度焼き上げると聞いたように理解しています。
肉厚で蓋もずっしりと重く、安定感のある本体と重たい蓋とで、確実な消火がされていたのでしょう。
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