東京の土人形 今戸焼? 今戸人形? いまどき人形 つれづれ

昔あった東京の人形を東京の土で、、、、

歌舞伎座6月興行 夜の部

2018-06-25 23:49:52 | 日々

 知り合いのご招待で昨夜歌舞伎座の夜の部へ出かけてきました。それこそ願ったり叶ったりの演目です。吉右衛門丈の「夏祭」の団七九郎兵衛と新・芝翫丈の「巷談宵宮雨」の2本立て。おいしい組み合わせです。2演目とも先々代の中村勘三郎さんで観て、わくわくした思い出があります。先々代勘三郎さんの長兄が先代吉右衛門さまでその当たり役のひとつが団七九郎兵衛。また勘三郎さんの岳父が6代目菊五郎さまで戦前に「新世話物」として初演されたのが「宵宮雨」なので、特に今回勘三郎さんの追悼とか初代吉右衛門追悼とか6代目菊五郎追善とかの肩書はありませんが、自分の十代から二十代はじめにかけて大好きだった勘三郎さんを思い起こす狂言建てです。

今回の吉右衛門丈による「夏祭」いうまでもなく愛嬌たっぷり余裕たっぷりで流石。初代吉右衛門さまの当たり役だったのは有名な話ですが、先代のこの狂言の演技は動画とかで保存されていないので観ることができませんが、今日での芝居の名人がうれしそうにほくほくとして演じているというのが観ていてもう嬉しくなってくるという感じでした。釣船の三婦役の歌六丈、お辰役の雀右衛門丈、お梶役の菊之助丈とも吉右衛門一座のいつものユニットで安定していますね。先々代勘三郎さんの上演では団七とお辰を兼ねて演じるのが見ものでした。吉右衛門丈にも兼ねて演じてもらえたら、、という欲張りな希望もありましたが、雀右衛門丈のお辰も勝気でありながらしっとりとしていいと思いました。

「宵宮雨」は6代目のあと勘三郎さんの当たり役で、リアルな所作やいやらしい感じの役作りで面白かったです。今回、新・芝翫丈が演じられるということで、どうかと思っていたのが実際悪くなかったです。ここでも雀右衛門丈のおかみさんがよかったですね。役としてそんなに人情深いおかみさんという感じに書かれているわけではないように思いますが、雀右衛門丈だとしっとりしていていい役になっているなと思いました。劇中で蚊遣りを焚くところがあるんですが、火鉢型の黒い器からもくもく煙が立つところ、オペラグラスで何度もしげしげ観ていました。作り物の新規の道具なのか、それとも藤波小道具に昔から伝わっている道具なのか気になりました。知人の話では昔からの道具らしいということで、そんなら今戸焼なのか???と気になりました。幕間のお弁当は三越で買ってきた亀戸升本のあさりめしのお弁当。芝居が跳ねてから、日曜の夜なのでいつも寄る店は閉まっていたりで、昼間のうちに物色していた「天狗酒場」が歌舞伎座そばに新オープンしていて、値段もリーズナブルで悪くありませんでした。サラダとハイボールで一息ついて帰りました。