5種類目の馬の割型がゆうべ出来上がりました。まだ自分自身が型慣れしていないのと、割型自体が熟成していないなどから、まだぼちぼち抜いている状況です。抜き出したばかりなので画像の人形もちょっとふやけたような感じですが、これから乾いていけばフォルムももっと締まって見えてくると思います。
この人形は都内の近世遺跡から出土した色のとれた人形(土質も江戸在地系と呼ばれているもの)を写真に撮らせていただいて、それを頼りにモデリングしたものです。「馬乗り鬼平」(鬼平犯科帳の鬼平)と勝手に呼んでいますが、つまりは火事装束姿のお侍が馬に乗っているという構図なのです。鬼平とちょっと違うかな?と思われるのは被り物。鬼平だと陣笠みたいのを被っていますが、この人形には兜のようです。兜から腰のあたりまで火伏せのマントのようなものを被っていて頭から腰にかけてのラインが独特です。左手には采配を持っています。馬の耳は別に作って貼り付けるあったのでそれに倣ってます。今戸焼の土人形としては割と大きなほうだと思います。お手本に色が残っていませんから、想定して塗ることになりますが、まずはこうのようなお侍の火事装束のことを調べて有職的な配色をつかんでから、それを江戸時代の今戸焼の人形調の配色の染料や顔料で塗っていこうと思います。今戸焼の古い人形には割と地味なリアルぽい彩色のものもあることはありますが、当時の感覚として手元のある色で(それも安い色)で効果的に余計なものは省略して塗る、という姿勢だったと思うので、有職に絶対的にこだわる必用はないのですが、乾燥させて焼き上げるまでにちょっと調べてみようと思います。