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生き生き箕面通信

大阪の箕面から政治、経済、環境など「慎ましやかな地球の暮らし」をテーマに、なんとかしましょうと、発信しています。

生き生き箕面通信689 ・政権交代の意義を消失させる民主党の罪――菅(仙石)政権が先細りへ

2010-10-26 06:20:39 | 日記
おはようございます。
生き生き箕面通信689(101026)をお届けします。

・政権交代の意義を消失させる民主党の罪――菅(仙石)政権が先細りへ

 結局、民主党政権は、この国をどんな国柄にするつもりなのか、見通しは立たないようです。有権者は1年あまり見守りましたが、いまだにこれといった方向性の兆しすらうかがえません。

 世界の大激動期に直面して国の安全をどう確保するか、という最も基本の問題に対しても、漂流時代の自公政権と同じ。何も変わっていない。「日米安保頼み」だけ。新たな時代に対応しようとする積極性、ダイナミズムはない。自公と同じ路線で政権交代の意義をおとしめています。

 外交面で何か得点をあげたでしょうか。いまのままでは、横浜で開かれるAPECも成果が心配です。

 経済政策も、いわば無策。補正予算案、これから編成する本予算案にしても、赤字財政をさらに悪化させる結果になりそうです。若い人たちが苦しむ”雇用危機”に対して、なんらかの希望が持てる対策が取られているでしょうか。

 年金、福祉、介護も全くの霧のなか。

 国を長期にわたって安定させる根幹は、国民の民度、生活風土です。その根底に横たわるのは「教育」。ところが、これがなおざりにされたままです。

 そして、政権内からもれてくるのは、「俺が総理だ」(菅)、「あいつはダメ菅だ」(仙石)、そして「私は天下の蓮舫よ」と、高級ファッションとか称するボロに身を包んでイキがる”若手議員”。

 身を捨てても国事にあたろうとするステーツマンはいずこ。

 この日本の回天に役に立つ小沢一郎という大ナタは、相変わらず「政治とカネ」という呪文で錆びるに任せています。現時点で日本の進む地平を切り開けるのは小沢氏かいないのですが、新聞・テレビには見る眼がなく、それに惑わされる有権者も、日本を沈没させることに一役買わされています。

 アメリカが戦後直後から日本列島全体にかけ続けてきたマインド・コントロールの”奇力”から、日本の国民が自ら覚醒するときはくるのでしょうか。

生き生き箕面通信688 ・「毅然とした気概」は強調すべきでしょうか

2010-10-25 06:32:33 | 日記
おはようございます。「伊波洋一さんを励ます会」が10月29日18時30分から大阪市中央区民センター(堺筋本町)で開かれます。カンパを募っています。
生き生き箕面通信688(101025)をお届けします。

・「毅然とした気概」は強調すべきでしょうか

 本日の読売新聞朝刊は、「『尖閣』が問う対中外交」に焦点を当てた10月の論壇をまとめています。対中外交という具体的な事例にもとづいて安全保障に関する議論が深まることは大いに歓迎すべきことと期待して目を通しました。

 そのなかで「危ない傾向」を感じたのは、中西輝政・京大教授が「中国の無法を阻止する戦略はあるか」(正論)と題する論考です。そのなかで「領土、領海は軍事力を用いても自らの手で守るという、それこそ毅然とした気概」を見せなければ、アメリカも同盟パートナーとしての日本を見捨てると警告している内容です。

 ぼくは、その論考を読んでいませんが、「ああまた、『毅然とした気概』だ」と、ぶ然とした気持ちにとらわれました。わたしたち日本人は、「毅然とした気概」という言葉が大好きです。さっそうとして「男の中の男」、「百万人といえども我行かん」の死をも恐れぬ勇者のイメージです。

 それはそれで、大切な一面でしょう。しかし、それが、中西氏が主張するように「軍事力を用いてでも」となり、「軍拡」路線への布石になっています。そこから一歩も出ないのでは、どうでしょう。そこで思考停止してしまうのではなく、さらに、知恵を働かせるしなやかな戦略と行動をつちかうことこそ大切だと思われます。

 その点、高原明生・東大教授が「日中関係の課題と展望」(外交)のなかで、「多国間枠組みを通して国際規範の順守を求めていくことが必要であり、有効」と指摘しているそうですが、同意します。

 高原氏は、今年のASEAN(東南アジア諸国連合)地域フォーラムで、近隣諸国が束になって中国の南シナ海での行動を非難したことが中国外相を激怒させた例を引き、中国を国際的なルールのなかに引き込む努力を説いているのです。

 前原外相も、「毅然とした気概」をしばしば口にします。そういえば、中西氏も前原氏も、京大の高坂正尭ゼミの出身です。日本の”保守”は、すぐ「毅然とした気概」という精神論を持ち出します。先の大戦でもそうでした。それから、ほとんど進化せず、思考停止したままです。

 それにしても、せっかく政権交代した民主党政権、いまだに国を守るための安全保障を明記した党綱領ももてず、漂流を続けています。論客の間ですら、いまだに中西氏のような論考が幅をきかせているお寒い状況が続いているのです。


生き生き箕面通信687 ・前原外相(日本)の時代錯誤

2010-10-24 07:15:45 | 日記
おはようございます。
生き生き箕面通信687(101024)をお届けします。

・前原外相(日本)の時代錯誤

 本日の読売新聞朝刊に「アメリカからの指示(命令)」が掲載されています。リチャード・アーミテージ・元米国務副長官の「日本は国益守る決意示せ」と題する寄稿です。
 
 主旨は、「アジアの海への支配力を力づくで強めようとする中国に対し、日本は確固たる立場を貫くべきだ」というものです。

 まず、中国漁船衝突事件について、「船長は法廷で裁かれ、有罪であれば、少なくとも罰金刑が科せられるべきだった」と、日本が無罪放免したことを叱りました。そのうえで、「中国からの謝罪要求を拒否したのは賢明だった。日本政府がこうした毅然たる態度を維持できることを、私は願っている」と、お褒めに預からせ、「今後も中国には強く出なさい」と励ましています。

 氏は、今年4月に中国の軍艦10隻が沖縄の南の宮古海峡を通過したことや東シナ海で大規模な実弾演習を行った事実を指摘し、「これは明らかに、この地域を力で牛耳る意思がある、というメッセージである」と強調しました。

 だが、「まだ手遅れではない。日本は、11月に横浜で開かれるアジア太平洋経済協力会議(APEC)首脳会議を利用して、地域の先頭に立つ意思を表明するべきだ」と、具体的な指示(命令)を伝えています。

 さらに、日本は「防衛費の増額を図るべきだ」「武器輸出禁止措置を緩和することができる」など、明確な内政干渉で、ご主人さまであるアメリカの意志を伝えています。このくらい明確で丁寧に指示してやらないと、”頭の悪い”日本の現政権は理解できないであろうと判断したとても”親切な”指示に仕方なのです。

 この指示を受け取った菅政権は、どう動くでしょうか。まず、前原外相は、「わが意を得たり」と、アーミテージ氏の指示通り内閣で主張します。その強い姿勢に押される格好で菅首相が横浜でのAPECで、対中国向け何らかの姿勢を表明するのでしょう。ただ、中国との付き合い方がいまだに分からない”すっからかん”さんは、むにゃむにゃと意味不明の発言に終始することも十分に想定できます。

 その点、前原外相は、明確です。「アメリカさまが大切。アメリカさまと一蓮托生」と、対中国強硬路線を突っ走ります。

 ところが、そのアメリカは、実はとっくに「中国は戦略的パートナー」へ舵を切っています。アジアの問題は、日本ではなく、中国と協力して決める、と決めたのです。いまや、アメリカにとっての日本は、基地負担や思いやり予算を出させる”財布”にすぎません。

 だから、前原外相の強硬路線は、アメリカにとっては中国への「ビンのふた」役を果たさせる、つまり道化役をさせて中国へのカードに使う役回りなのです。

 また、本日の読売新聞がアーミテージ氏の指示を伝える役割を与えられ、読売はそれを有り難がってしっかりとアメリカさまのメッセンジャー・ボーイを務めています。日本はそんな国になってしまいました。


生き生き箕面通信686 ・岩見隆夫氏も落ちたもんだ

2010-10-23 07:01:54 | 日記
おはようございます。
生き生き箕面通信686(101023)をお届けします。

・岩見隆夫氏も落ちたもんだ

 週刊誌「サンデー毎日」の今週号(10月31日号)で、政治評論家の岩見隆夫氏が「『週刊朝日』の『妄想』記事に仰天した」というコラムを書いています。ぼくは、岩見氏のコラムに仰天しました。

 「週朝」の記事は、小沢問題に対して「捏造された『政治とカネ』 小沢起訴は無効である」と、世の主流の論調に真っ向から切り込む意欲的な内容でした。主流が「限りなくクロ」とほぼ”有罪説”であるのに対して、反主流が「小沢はシロ」 と断じたものでした。

 岩見コラムの論旨は、「『週朝』の特集には「捏造」とか「無効」という決定的な単語が異様であり、それで売れ行きが伸びるのかもしれないが、ただごとではない」と、ライバル誌を”売らんかな主義”の次元に持ち込んで、バッサリと斬っています。

 岩見氏がコラムの中で相手を批判するために使った単語は、「メチャクチャな文章である」「一種の思い込み」「週刊誌では『言葉の暴走』が日常のことになりつつある」と、ただごとではありません。

 ぼくは、この箕面通信675(10月12日)で書きましたように、問題の週朝の特集を高く評価するものです。決して「メチャクチャな文章」などではありません。ましてや「一種の思い込み」でもありません。

 何よりも不思議な感じがするのは、岩見氏が小沢問題の事実関係と今までに明らかにされた証拠について十分に自分の頭で検証してお書きになっているかどうかです。ジャーナリストとしては、それこそ「法と証拠」、つまり事実の正しい把握が基本のはずです。

 ところが、氏のコラムから判断する限り、「小沢氏は限りなくクロ。ほぼ有罪」とする一種の思い込みから書いた「メチャクチャな文章」になっています。

 岩見氏は、現役時代は毎日新聞のスター記者で、同社の編集局長も務めました。もっとも、その時に、「グリコ事件の真犯人と想定される4人を取り調べ」という”大スクープ”を1面から社会面まで潰して大々的に報じ、それが結局は大誤報だった、という”輝かしい戦歴”もお持ちです。

 また、氏が編集長を務めたこともある「サンデー毎日」でも、週朝と同じ前週に、週朝とほぼ同趣旨の「小沢氏に対する検察の暴走」の特集を組んでいます。

 岩見氏は、「朝日新聞は社説で、小沢氏に対し『自ら議員辞職の決断を』と書いており、こちらが正しい」と軍配を挙げています。しかし、新聞社が作り上げた主流の風潮こそいま問われなければならない、と”主流ジャーナリズム”批判が巻き起こっているのです。

 岩見氏には、本物のジャーナリストから発する輝きも迫力も感じられません。権力側にどっかりとあぐらをかいた肥満評論屋のようにお見受けします。

 氏のコラムの結語、「もっと言葉を大切にしようではないか」を、そっくりそのまま、氏にお返ししなければなりません。週朝さん、ちゃんと反論してくださいよ。来週号が楽しみです。


生き生き箕面通信685 ・「国連待機軍をつくれ」――小沢氏の平和創出構想

2010-10-22 06:18:58 | 日記
おはようございます。1962年の本日、時のケネディ米大統領がテレビ演説し、「キューバにソ連の核ミサイルが持ち込まれた」と発表、その撤去を求めて、一気に核戦争の危機(いわゆるキューバ危機)が高まりました。
生き生き箕面通信685(101022)をお届けします。

・「国連待機軍をつくれ」――小沢氏の平和創出構想

 小沢一郎氏の年来の主張は「世界の平和は国連中心に構築する」というものです。

 「一見、夢のような話だが、核兵器を国連の管理下に置く」ことも提唱しています。

 国連中心主義の一環として、「国連が常設軍を保持する場合、自衛隊を提供する」とも明記しています。これは、よく引き合いに出される小沢氏の著書「日本改造計画」に盛られた内容です。今から17年前に講談社から出版されました。

 ユニークな見方は、「アメリカ自身が『国連重視の平和戦略』へと歴史的な転換を図るのではないか」という点です。背景には、国防費負担の重圧に押しつぶされそうなアメリカの現状があり、さらに東西冷戦が終結した世界情勢の大変化があるわけです。

 アメリカは赤字財政から、もう「世界の警察官」は担いきれません。それなら、国連に大規模な司令部を新設し、旅団規模の常設待機軍を国連に提供するといった政策を打ち出す可能性がある」とも記しています。国連軍に多くの国からの派遣を求めて、これによって安全保障を維持しようという構想です。

 アメリカ国内の産軍複合体は、自己の権益が侵されることは容認できず、いまのところアメリカの国連中心主義はおいそれとは進みません。

 しかし、いまや西側のNATO(北大西洋条約機構)にロシアの参加が検討される時代です。こうしたそれぞれの地域の安全保障体制が広がり、相互に連携するようになれば、結局、国連中心の世界的な安全保障体制ができます。そして、それこそが国連の当初の狙いだったのです。

 核の問題はもちろん、武器開発あるいは武器取引についても国連の監視下におき、無用な紛争を予防することも重要になります。

 ともあれ、「国連中心主義の安全保障体制確立」は、日本が先導し、主導できる分野です。自衛隊は国連に提供するくらいのことは、日本の決断でできるのです。