生き生き箕面通信

大阪の箕面から政治、経済、環境など「慎ましやかな地球の暮らし」をテーマに、なんとかしましょうと、発信しています。

生き生き箕面通信673 ・立花隆氏のマッカーシズム

2010-10-09 07:30:31 | 日記
おはようございます。中国の刑務所に収監されている劉暁波氏へのノーベル平和賞が決まりました。ノルウェーのノーベル平和賞委員会に拍手を送りたい気分です。
生き生き箕面通信673(101009)をお届けします。

・立花隆氏のマッカーシズム

 ここ1,2年の立花隆氏の言動が狂っています。常軌を逸した発言を繰り返していますが、何があったのでしょうか。

 今朝の朝日は、小沢一郎氏の「強制起訴」に関連してオピニオンのページ(25面)で特集を組み、立花氏を登場させました。「民意は検察権力の上に立つ」という見出しが氏の主張です。つまり、司法の場では民意が最重要で、検察の判断より「正しい」という主張です。

 もちろん民主主義の国ですから、民意が重要であることには誰しも異存はないでしょう。しかし、いわゆる民意が大きな間違いをしてきた歴史は枚挙にいとまがありません。とくに戦争が始まる場合は、民意があおられ、そのあおられた民意で突っ込んでいく形がとられてきました。

 アメリカでも、マッカーシズムという「民意の嵐」が吹き荒れた時代がありました。”赤狩り”、つまり共産主義色を嫌悪する民意をあおり、チャーリー・チャップリンはスイスへ”亡命”せざるを得ず、以後、チャップリンはアメリカ嫌いになりました。

 当時、マッカーシズムを支持したのは、ウォルト・ディズニー、ゲーリー・クーパーや、後の大統領になるケネディ、あるいはロナルド・レーガンで、民衆は熱狂して密告も大流行しました。

 これに反対したのは、ヘンリー・フォンダ、グレゴリー・ペック、カーク・ダグラス、バート・ランカスター、キャサリン・ヘップバーン、フランク・シナトラ、ベニー・グッドマンらでした。

 立花氏はもともと、田中角栄の「金脈追及」で一躍名を知られたこともあるのでしょうか、角栄的なものには反射神経的に拒否するようです。多くのマスメディアにも同じ傾向が顕著です。

 マッカーシズムと同じように”民意”なるものをあおりたてて、いまの「反小沢ムード」があります。彼らには、小沢氏はすでに有罪です。立花氏も朝日への寄稿で「小沢一郎の強制起訴……」と、敬称なしの呼び捨て、犯罪人扱いで書いています。「推定無罪」の原則を持ち出すのも恥ずかしい、少なくとも知性のある人間のふるまいとは見えません。

 立花氏が、それなりに影響力のある新聞紙上で事実上の有罪扱いをすることは、重大な「人権侵害」です。この点では、朝日の見識も疑わざるを得ません。というよりも、朝日自体がこれまでに重大な「人権侵害」を冒してきたのですから、立花寄稿は朝日主導の「反小沢キャンペーン」の一環と思われます。

 もし、強制起訴の結果、最終判決が「無罪」だった場合、朝日や立花氏は自分の責任をどう果たすことができるのでしょう。

 小沢氏への執ような”魔女狩り”的追及は、日本のジャーナリズムの幼稚さを臆面もなくさらけ出した事例として歴史に残ることになります。