生き生き箕面通信

大阪の箕面から政治、経済、環境など「慎ましやかな地球の暮らし」をテーマに、なんとかしましょうと、発信しています。

生き生き箕面通信687 ・前原外相(日本)の時代錯誤

2010-10-24 07:15:45 | 日記
おはようございます。
生き生き箕面通信687(101024)をお届けします。

・前原外相(日本)の時代錯誤

 本日の読売新聞朝刊に「アメリカからの指示(命令)」が掲載されています。リチャード・アーミテージ・元米国務副長官の「日本は国益守る決意示せ」と題する寄稿です。
 
 主旨は、「アジアの海への支配力を力づくで強めようとする中国に対し、日本は確固たる立場を貫くべきだ」というものです。

 まず、中国漁船衝突事件について、「船長は法廷で裁かれ、有罪であれば、少なくとも罰金刑が科せられるべきだった」と、日本が無罪放免したことを叱りました。そのうえで、「中国からの謝罪要求を拒否したのは賢明だった。日本政府がこうした毅然たる態度を維持できることを、私は願っている」と、お褒めに預からせ、「今後も中国には強く出なさい」と励ましています。

 氏は、今年4月に中国の軍艦10隻が沖縄の南の宮古海峡を通過したことや東シナ海で大規模な実弾演習を行った事実を指摘し、「これは明らかに、この地域を力で牛耳る意思がある、というメッセージである」と強調しました。

 だが、「まだ手遅れではない。日本は、11月に横浜で開かれるアジア太平洋経済協力会議(APEC)首脳会議を利用して、地域の先頭に立つ意思を表明するべきだ」と、具体的な指示(命令)を伝えています。

 さらに、日本は「防衛費の増額を図るべきだ」「武器輸出禁止措置を緩和することができる」など、明確な内政干渉で、ご主人さまであるアメリカの意志を伝えています。このくらい明確で丁寧に指示してやらないと、”頭の悪い”日本の現政権は理解できないであろうと判断したとても”親切な”指示に仕方なのです。

 この指示を受け取った菅政権は、どう動くでしょうか。まず、前原外相は、「わが意を得たり」と、アーミテージ氏の指示通り内閣で主張します。その強い姿勢に押される格好で菅首相が横浜でのAPECで、対中国向け何らかの姿勢を表明するのでしょう。ただ、中国との付き合い方がいまだに分からない”すっからかん”さんは、むにゃむにゃと意味不明の発言に終始することも十分に想定できます。

 その点、前原外相は、明確です。「アメリカさまが大切。アメリカさまと一蓮托生」と、対中国強硬路線を突っ走ります。

 ところが、そのアメリカは、実はとっくに「中国は戦略的パートナー」へ舵を切っています。アジアの問題は、日本ではなく、中国と協力して決める、と決めたのです。いまや、アメリカにとっての日本は、基地負担や思いやり予算を出させる”財布”にすぎません。

 だから、前原外相の強硬路線は、アメリカにとっては中国への「ビンのふた」役を果たさせる、つまり道化役をさせて中国へのカードに使う役回りなのです。

 また、本日の読売新聞がアーミテージ氏の指示を伝える役割を与えられ、読売はそれを有り難がってしっかりとアメリカさまのメッセンジャー・ボーイを務めています。日本はそんな国になってしまいました。