生き生き箕面通信

大阪の箕面から政治、経済、環境など「慎ましやかな地球の暮らし」をテーマに、なんとかしましょうと、発信しています。

生き生き箕面通信678 ・本物のリーダーシップと民主主義を見た

2010-10-15 06:34:09 | 日記
おはようございます。中国は今日から「五中全会」。この国はまだ民主主義の後進国です。
生き生き箕面通信678(101015)をお届けします。

・本物のリーダーシップと民主主義を見た

 チリの落盤事故救出の過程で、久々に本物のリーダーシップと民主主義に接した思いです。一鉱山労働者のルイス・ウルスアさん(54)が実行した一連の行動は、「人間のすばらしさ」を示す結果でもありました。

 事故発生直後、33人もの人間が地下深くに閉じ込められました。地下深くだから、絶望的な状態に置かれたことは全員が悟ったでしょう。暗闇、、2日分と伝えられた乏しい備蓄食料、情報がない救出活動の進み具合。地上とパイプがつながるまでの17日間は、自分の努力だけではどうにもできない絶望状態だったはずです。

 その中でウルスアさんは、規律を保つことで「地上からの助けという希望」を呼びかけ、「危機管理で最も重要な規律」を維持することに腐心したようです。備蓄されていたのは2日分のツナ缶と牛乳。それを48時間ごとに1人あたりツナはスプーン2さじ、牛乳はコップ半分。

 また、24時間を3分割し、「仕事班」「睡眠班」「休憩班」に分け、それぞれが自分の責任を果たすようにした。

 全体の雰囲気を明るく保つための「盛り上げ係」はマリオさん、不安の相談に乗る「相談係」は最年長のゴメスさん。身体や精神の弱い人への配慮も欠かさなかった。それぞれの人の持ち味を見極め、たくみにそれを引き出した。決定は、すべて多数決による民主主義。チリの地下深くで、弱い立場の人をも思いやる本物の民主主義が機能していたのです。

 とはいえ、すべてがうまくいったわけではない。事故直後は、落盤による粉じんで、ほとんどの人の目が見えなくなり、パニック状態へ。相談係のゴメスさん自身が、毎日マイナスのオーラを受け続けたストレスから精神が不安定になったとも。

 一歩間違えば、修羅場だったはずです。だから、たとえ救出されても、地上に出てきたのは仲間を見殺しにしたケモノのような”強者”ばかり、ということもあり得る極限状態だった。

 地下に閉じ込められた人々の人間としての絆、地上の家族との絆、大統領も駆けつけ国を挙げての救出行動は、全体として「人間」を見直すことになりました。ちなみに、神戸大震災のとき日本の首相は、危機管理の欠如を指摘されました。

 33人の最後に救出されたのが、ルイス・ウルスアさん。彼には、一度ぜひ日本に来て国会で話をしてほしいものです。