goo blog サービス終了のお知らせ 

生き生き箕面通信

大阪の箕面から政治、経済、環境など「慎ましやかな地球の暮らし」をテーマに、なんとかしましょうと、発信しています。

1462 ・国民をバカにした外務省のイラク戦争検証結果

2012-12-22 07:21:05 | 日記

おはようございます。                                                                                       生き生き箕面通信1462(121222)をお届けします。

・国民をバカにした外務省のイラク戦争検証結果

 「イラク戦争とは何だったのか」を検証した検証結果の要旨が昨日12月21日、外務省から発表されました。これを伝えた朝日新聞は、「米国が開戦理由とした大量破壊兵器(WMD)が、実際には確認できなかった点を『厳粛に受け止める』としているが、支持に至る政府内の議論には一切触れず、検証とはほど遠い内容だ」と、厳しく批判しました。

  改選前の当時のブッシュ大統領は、「イラクのフセイン大統領(当時)がWMDを隠し持っている」と世界に派手に宣伝し、ドイツなどが自省を求めたにもかかわらず、強引に戦争を始めました。わが国の当時の小泉純一郎首相は、他の国が二の足を踏むなか、いち早く「開戦を支持する」と、ブッシュ氏にもみ手ですり寄りました。

 その後、WMDはなかったことが判明し、米国内でも「開戦は間違いだった」という検証結果が出され、同調して派兵した英国内でもブレア首相(当時)を喚問するなどして「派兵は誤りだった」という結論を出しました。日本だけが、「あの戦争は間違いだった」という検証をしていませんでした。

 今回、ようやく検証結果を出したわけですが、政権中枢がどのような議論を経て「米国支持」の結論を出したのかは、明らかにしませんでした。これでは、検証結果と言える内容ではありません。相変わらず、外務省の隠ぺい体質が国民をバカにした報告で済まそうとしているわけです。

 この姿勢に対して、朝日は少なくとも批判をしています。しかし、読売新聞はひどい。朝刊4面で取り上げましたが、「イラク戦争『おおむね適切』」という見出しで、外務省の役人報告をただたれ流すだけでした。しかも扱いはベタで、ほとんど気がつかないような隅っこにさらっと掲載しました。つまり、この検証結果にはできるだけ注目させない、という配慮がありありです。

 日本は、「人道復興支援」の名目で自衛隊を派遣し、戦争に参加しました。それだけに、きちんとした検証をしなければなりません。ところが、日本は「検証」という作業が極めて不得手です。当時、国会内に「イラク戦争検証委員会」をつくる動きがありましたが、その後結局、うやむやになってしまいました。

 そうした政治の動きをきちんとフォローして、監視しなければならない役割のジャーナリズムが、政治と同じ歩調で、しっかりした検証を求める動きが極めて弱い。日本の民主主義の頼りなさは、こうした日々の動きの中で、国民が無関心のようにみえるところにあります。政府やマスメディアがいいかげんであっても、ほとんど反応しない。つまり、権力側のやりたい放題をただだまって見過ごす。

 権力側は暴走を始めています。26日に安倍政権が発足すれば、さらに加速するでしょう。あとになって、「こんなはずではなかった」といっても時すでに遅し、となりそうです。国民をバカにした政治は、一層勢いを増しそうです。国家権力は、リヴァイアサンに化けつつあります。