生き生き箕面通信

大阪の箕面から政治、経済、環境など「慎ましやかな地球の暮らし」をテーマに、なんとかしましょうと、発信しています。

生き生き箕面通信1057 ・「もんじゅ」を直ちに廃炉へ

2011-10-30 07:06:21 | 日記

 おはようございます。経産省の前でフクシマのお母さんたちが今日も、「原発を直ちに止めてもらいたい」と座り込みを続けています。マスメディアはこうした動きを伝えません。こうした動きを伝えない(無視する)ことで、原発維持の動きに加担しているのです。
 生き生き箕面通信1057(111030)をお届けします。

・「もんじゅ」を直ちに廃炉へ

 高速増殖炉「もんじゅ」は今日も一日5500万円のムダ遣いをしています。結果的には、大惨事になるまで巨額の費用をかけて一生懸命に維持しようとするのが、現政権の方針です。

 大地震などが起きた場合、どの原発でも大惨事につながることは、今回のフクシマ原発事故が明らかにしました。しかし、あれから7か月。野田政権は、現在止まっている原発の再稼働のきっかけを模索しています。

 高速増殖炉は、世界のすべての国が「開発はムリ」という結論を出しました。まずアメリカが1983年に撤退、つづいてイギリス、ドイツも、そしてフランスは98年に撤退しました。未練がましく残っているのは、唯一日本だけです。その日本でも95年にナトリウム漏えい事故が起きました。あわや大惨事という事故でした。温度計が折れてそこからナトリウムが漏れ出したのです。この時は奇跡的に助かりました。

 今も商業化のめどは全くついていません。もんじゅは現在は「原型炉」にすぎず、これで技術を確立できると、次の段階として「実証炉」に進み、さらにそのうえでやっと「商業炉」へたどり着く段取りです。それが、ざっと40年後の2050年目標です。それもまったく実現性はないのです。それまでに一体いくらつぎ込むつもりでしょう。すでに1兆6千億円がつぎ込まれています。これだけでも、採算が取れない結論が出ています。

 それでも、あきらめない。その理由はただ一つ。いつでも「核兵器を造れる」からです。高速増殖炉では、極めて純度の高いプルトニウムができます。これを取り出せば、すぐに優秀な「小型の核兵器」が造れます。

 しかし、コントロールがむずかしいナトリウムを冷却材として使用、配管も地震に弱いものにならざるを得ない設計上の宿命を抱えています。「もんじゅ」は、福井県の若狭湾に面して建っています。琵琶湖までの距離は近い。だからいったん事故が起きると、ナトリウムとともに飛散するプルトニウムは琵琶湖に降りそそぎます。「近畿の水がめ」琵琶湖は放射能で汚染されます。近畿、中部地方が放射能汚染にさらされるのです。いや、放射能汚染は、偏西風にのって太平洋をわたり、アメリカ大陸へ、さらに地球を一周します。

 地震は活動期に入っています。もんじゅのすぐ近くを大きな断層が走っていることが分かりました。もんじゅを建てたころには、まだ分かっていなかったことです。つまり、地震はいつ起きてもおかしくない。今日か、明日かもしれません。もんじゅは地震に弱い。経済性は絶望的という結論が出ています。

 今日にも「もんじゅは廃炉とする」という結論を出すことが、世界に対する日本の責務です。