おはようございます。10月に入りました。今月4日に100歳の誕生日を迎える日野原重明さんは、愛用の10年手帳に9年先までの予定を入れているそうです。
生き生き箕面通信1028(111001)をお届けします。
・10月の注目点はギリシャ危機
「ギリシャ危機」という爆弾が爆発すると、まわりまわって私たちの日本人の生活にも大きな影響が出ます。爆発するかは、今月中旬までにギリシャへの融資実行が決まるか、にかかっています。
ギリシャの金融・財政危機を救うためにユーロ圏(17か国)が出した知恵が、「欧州金融安定化基金」(EFSF)という、いわばペーパーカンパニーの設立でした。ここが4400億ユーロ(約46兆円)まで融通できるようにするというアイデアです。しかし、これが実際に動き出せるためには、加盟各国の承認が必要です。一方、ギリシャの支払い期限は今月中旬に迫っています。それまでに加盟国すべてが承認するかどうか。まさに手に汗握るカウントダウンです。
融資が間に合わなければ、ギリシャは支払いができず、金融破たん。ポルトガル、イタリア、アイルランドなども危ない。ギリシャ国債を多く抱えているフランスなどの金融機関にもその大津波が押し寄せ、破たんの連鎖、ドミノ倒しが現実のものとなりかねません。
いまはアメリカも経済状態が悪く、支えるのはムリ。中国も不動産バブルがはじけつつあります。成長著しいとされるその他のBRICsでも、例えばロシア、インド、ブラジルが支え切れるものでもありません。もちろん、日本にもその力はない。
結局、ドイツなど欧州勢がだましだまし、時間をかけて解きほぐすしかありません。問題はそれでしのげるかどうかです。ギリシャの国民は、ストなどで政府を揺さぶっています。ドイツの国民にしても、「我々の税金で、なぜギリシャの国民を救わなければならないのか」と、不満を高めています。
ギリシャの金融・財政危機は、「世界の資本主義はこの問題を乗り切れるのか」という課題を突きつけています。「解」の見通しは立っていません。