生き生き箕面通信

大阪の箕面から政治、経済、環境など「慎ましやかな地球の暮らし」をテーマに、なんとかしましょうと、発信しています。

生き生き箕面通信1053 ・読売新聞の異様な「米国広報紙」化

2011-10-26 06:33:30 | 日記

 おはようございます。政府機関が、原発コストを1.1円高く試算したと発表しました。しかし、こんなインチキな発表に大手メディアは、まともな批判を加えていません。そもそも基礎となる原子力発電コストそのものが闇に隠されたままで、その上に積算根拠があやふやな「事故対応費」を加えたもの。結果は、事故対応費を加えても、「原発が安い」という都合のいい数字です。
 生き生き箕面通信1053(111026)をお届けします。

・読売新聞の異様な「米国広報紙」化

 今の日本政府は、アメリカ政府の圧力に耐えかねて、「とりあえず、アメリカさまのお怒りをなだめるほかない。つまり、辺野古への移設を進める努力をしている姿をお見せしよう」というところのようです。こういうときこそ、ジャーナリズムがきちんとした議論の視点を提供する必要があります。ところが、本日の読売新聞は、一面をはじめ社説でも、「アメリカさまのいう通りにせよ」と、あたかもアメリカ政府の広報官役でもあるかのように日本政府の尻を叩いています。読売新聞の「売国新聞」ぶりは、ますます異様さを増してきました。

 アメリカ政府は、日本を「保護国」とみなし、そのように扱ってきました。鳩山首相(当時)が、「日米関係のあり方について話し合いたい」と、オバマ大統領に3度にわたって申し入れしましたが、歯牙にもかけられず拒否されました。完全に侮辱されたのですが、日本のメディアは、これを取り上げませんでした。

 歴史を振り返れば、アメリカという国は、清教徒が中心になって東部13州で「独立」してから、「西へ、西へ」と、西部開拓と称して領土を広げ、太平洋沿岸まで達しました。その過程では、先住民(インディアン)を虐殺し、土地を取り上げてきました。アメリカという国は、いわば「血塗られた歴史」のうえに築かれたのです。その後は太平洋を超えて、アジアまで手を広げてきました。この西へ進む西漸(せいぜん)運動のエネルギーは、今もふつふつとたぎっています。アメリカの景気回復、雇用促進、失業率低下のためにも、アジアの成長力を活用する必要がある。それが、TPP(環太平洋経済連携協定)の推進にアメリカが熱心な理由であり、本音は「日本まるごといただき」作戦です。

 「日本まるごといただき」作戦をより強固に進めようとするのが、今回のパネッタ米国防長官の来日でした。来月のオバマ・野田会談を控え、野田首相に「普天間移設の結果も出します。TPPにも参加します。次期戦闘機(FX)はアメリカさまのものを買わせていただきます。武器輸出3原則も緩めて、アメリカさまのおっしゃる通りにします」といわせる段取りをつけにきました。そして、その「言質」を得たために、昨日のパネッタ長官は、ニコニコご機嫌で記者会見に臨んでいました。

 そして、今朝の読売新聞は社説で、「アジア太平洋の平和と安定を確保するには、日米の防衛協力を拡充し、同盟の実効性を高めることが肝要である」と、アメリカとの「一体化」の必要を強調しました。アメリカは、「泥舟」と化しつつあります。アメリカはいわば泥舟に日本を乗せる”ワナ”を仕掛けているのです。
世界は大きな変動期に入っています。ただ、アメリカさまの尻馬に乗って行けば、日本は安泰なのでしょうか。読売新聞の論調は、日本をただアメリカさまに「献上するだけ」、いわば「売り渡すだけ」になりはしないでしょうか。読売新聞がはなから”イロ”のついた姿勢を鮮明にしているならクレームをつけることはないのですが、「中立」を標榜しているだけに、世論を惑わす擬態を指摘せざるを得ません。読売はなぜかくもおかしくなったのか、残念です。