生き生き箕面通信

大阪の箕面から政治、経済、環境など「慎ましやかな地球の暮らし」をテーマに、なんとかしましょうと、発信しています。

生き生き箕面通信1049 ・関電のお先棒を担ぐことにした朝日新聞

2011-10-22 06:50:47 | 日記

 おはようございます。世界最大級のソーラーカーレースで、日本の東海大チームが2連覇を達成。三洋電機の太陽電池とパナソニックの蓄電池の優秀さが証明されたのです。原発ではありません。
 生き生き箕面通信1049(111022)をお届けします。

・関電のお先棒を担ぐことにした朝日新聞

 朝日新聞(大阪版)は、「関電の節電要請」問題を本日の一面トップに持って来ました。これは、関西電力が「原発再稼働」の意図を秘めて「節電問題」を活用しようとしていることに対し、朝日新聞がそのお先棒を担ぐ構図を示しています。

 記事の内容は、「今冬の節電について、10%程度の要請幅を軸に検討している」というものですが、節電の開始時期を、「運転中の原発が残り1基となる12月19日前後とする方向だ」と、わざわざ「原発残り1基」を強調しているのがミソ。関電が「原発再稼働」の山場を、「12月19日」に持ってくるシナリオであることを示しています。

 実は昨日、関電社長の八木誠氏が、会長を務める電気事業連合会(電事連)の記者会見を行い、冬の節電要請について述べたのです。八木氏は電事連の会長ですから、電力業界の重要課題である「原発再稼働」について手腕を問われています。まず、自らの関電において、再稼働の先鞭をつけてみせる立場にあります。そのために、利用するのが「原発を再稼働しなければ、電力不足は避けられません」というプロパガンダです。

 実は朝日朝刊は、昨日も関電の電力不足問題を8面で大きく扱い、「原発を動かさなければ、電力不足の心配がある」という”キャンペーン記事”を掲載しました。この記事では「揚水発電を使えると、電力需要をかなりまかなえるのだが、その揚水発電のためには原発の電力で揚水することが頼み」というのです。揚水をするには、原発に頼らずとも、例えば最近多くの企業が自衛のために設置した自家発電からの買電でもまかなう道はあるのです。原発以外の電力をまかなう道があることにはまったく触れずに、ただひたすら「原発が動かなければ、大変な事態になる」という記事の書き方は、「関電の広報紙」と同じです。関電は、読売新聞と並んで、朝日新聞も掌中におさめた形です。

 なぜ、こうなるのでしょうか。ひとつには「記者クラブ」制度があります。電力業界担当の記者がおり、電力記者クラブがあります。電力業界の広報担当者は、ひんぱんに銀座などの高級クラブなどで担当記者を”ご接待”します。残念ながら担当記者は、飼い馴らされる。そのご接待に抵抗して、毅然とした態度を貫けば、「あいつは変わり者」というレッテルを貼られて、取材に応じない。記者をコントロールするなど簡単なものです。その結果が、フクシマ原発事故に対する東電最高幹部の責任追及もほとんど行われませんでした。おとなしいものです。フリーの記者が追求すると、記者クラブ記者が「そんなこと質問するなよ」と邪魔する始末なのが実態です。記者クラブ記者は、腐りきっています。

 野田首相も「原発再稼働派」です。「ストレステストの結果、安全性が確かめられれば、再稼働させる」と明言しています。まだ、フクシマ原発事故の原因究明すらきちんと行われず、検証がすんでいないにもかかわらず「再稼働させる」つもりなのです。そして、メディアは、読売新聞ばかりでなく朝日新聞も出先の担当記者は「再稼働」の記事を書いて、読者の頭に「やはり原発は必要だよね」と刷り込みます。これが日本の現実です。