生き生き箕面通信

大阪の箕面から政治、経済、環境など「慎ましやかな地球の暮らし」をテーマに、なんとかしましょうと、発信しています。

生き生き箕面通信1037 ・欧州の金融危機が現実化――デクシアが破たん

2011-10-10 07:38:42 | 日記

 おはようございます。
 生き生き箕面通信1037(111010)をお届けします。

・欧州の金融危機が現実化――デクシアが破たん

 欧州の金融大手デクシアが昨日午後、主に経営基盤を置くフランスとベルギー両国政府に支援を要請し、ついに破たんが現実のものになりきました。問題は連鎖的に破たんが広がり、金融ドミノ倒しとなるのか、それとも食い止められるのか。

 メルケル・ドイツ首相とサルコジ・フランス大統領は昨日急きょ、ベルリンで会談し、公的資金の注入など金融不安の拡大を食い止める緊急対策を協議した模様と伝えられています。預金者保護策も動き出すようです。

 デクシア破たんが連鎖を起こすなら、欧州全体を巻き込み、アメリカ、アジアにも飛び火して世界中に広がりかねない。その影響は08年のリーマン・ショックどころではありません。

 奇妙なのは、本日朝刊のメディアの扱いです。朝日新聞は一面トップに持って来ました。しかし、日経は一面で扱ってはいるものの、「独仏首脳 欧州銀 増資で一致」だけの見出しで、ここだけ見れば「なんのこっちゃ」という扱いです。7面の関連記事で、ようやく「デクシア破たん」が分かるといった作り方をしました。明らかに意図的です。「できるだけ冷静に受け止められるよう報道機関としては平静さを保つ」というところでしょうか。

 読売新聞も、1面では「仏ベルギー 欧金融大手を解体 デクシア ギリシャ危機後初」の見出しを立てました。これは「金融大手を解体して、対策は十分に進められる」というメッセージを主にしたものです。

 日経、読売を並べて見ると、そのニュースの伝え方の陰から「財務省の意図」が立ちのぼってきます。「いたずらに危機をあおることは控えていただきたい」、おそらく財務省高官から、あるいは財務大臣直々に新聞各社に、そしてNHKをはじめテレビ各局に”要請”があったものと推察できます。そうとでも見なければ、極めて異常な作り方です。

 「危機をあおる」ことは避けるべきでしょう。といって、「情報隠し」はすべきではない。大きな危機を小さく見せるのは、原発事故で「ただちに命に影響はありません」と言い続けた官房長官と一緒です。かつての大本営発表による「世論誘導」と同じことです。情報は、冷静に、しかし正しく、過不足なく伝えることに徹するべきです。

 日本のメディアは、相変わらずの体たらく。ジャーナリズムの進化がまったく見られません。「お上のお達しが最優先」、あるいは「お上の広報機関」なのです。それは、お上がコントロールできる日本独自の「記者クラブ」制度にあります。

 根本的な問題は、ギリシャ国民が生活水準の大幅な切り下げ、公的サービスの急激な縮小を受け入れるか、のはず。その点については、本日のメディアは一切何も伝えていません。

 世界中が息をひそめて見守る「ユーロ危機」。どんな知恵を出すのか、それで乗り切れるのか、結論が出るまでには時間がなく、しかし、時間がかかります。