おはようございます。世界中に広がりつつある若者中心の「抗議」のデモは、どのような形へ世界を変えていくのか方向性が見えずにいます。しかし、この胎動は、「21世紀の民主主義」を模索する要素を内包しているように見えます。結晶するまで時間がかかります。日本でも粘り強く胎動を続けましょう。
生き生き箕面通信1043(111016)をお届けします。
・中国の「文化強国」路線と競い合いを
「文化体制改革の深化」を主要議題とする中国共産党の六中全会(大17期中央委員会第6回全体会議)が、昨日から4日間の日程で始まりました。
「中国の国力にふさわしい文化ソフトパワーを形成すべきだ」と、胡錦濤国家主席は強調しています。「文化は、総合的な国力競争において重要な要素になってきている」との認識に基づくものです。
これまでの中国は、めざましく成長する経済力と、著しい伸長をみせる軍事力が注目されてきました。そこへ「文化力」を加える国家戦略です。胡錦濤主席の”置き土産”でもあります。中国は来年から第18期の党大会を行い、習近平氏へ政権交代が行われます。
ただ、中国の「文化」には、国を大混乱に導いた「文化大革命」がありました。
その後、「民主主義という文化」を花開かせようとした若者の大きな力は、「天安門事件」で権力側に圧殺された歴史があります。
新しい「文化強国」をめざす路線も、市場経済化された「経済性文化産業」と、党の管理を強める「公益性文化事業」の区別を明確にする、とも強調されています。つまり、あくまでも経済に奉仕する、稼げる「文化」なのです。
それでも、「軍事力」で競合するよりはよほどまし。芸術をはじめ、アニメ、キャラクターなど幅広く文化力の競い合いを始めたいものです。決して生易しくはない。むしろ苦汁を飲まされる場面も多いはずです。しかし、だからこそ、闘い甲斐があるのではないでしょうか。
中国自身、文化力が高まれば、それは必ず「民主化」へのベクトルが働きます。民主化のソフトパワーを開花させた中国でなければ、中国自身が生き延びることはむずかしい。共産党一党独裁も、そろそろ限界が見えつつあります。中国の「文化強国」路線を歓迎します。