おはようございます。中国の明・清朝時代の皇后の宝飾品を中心とする「北京・故宮博物院展」が神戸で本日まで開かれています。その清朝は、孫文らの革命運動によって倒されたのでした。
生き生き箕面通信1036(111009)をお届けします。
・明日は中国の辛亥革命100周年――民主化はいまだし
清朝を倒した辛亥革命は、中国大陸で連綿と続いた専制王朝に終止符を打ったという意味で歴史的意義を持ち、いまも輝きを放っています。
この革命を起こした孫文が最初に武装ほう起した長江中流域の武昌に「辛亥革命博物館」が完成し、昨日、式典が開かれたと報じられています。
孫文は若いころ日本に留学し、その後、日本で革命のための組織を立ち上げました。日本人・宮崎滔天は孫文革命を、全財産をはたいて自らは赤貧の生活に甘んじながら支援し、行動を共にしました。革命に必要な武器調達のほとんどを滔天が仲介し助けました。新しくできた革命博物館では、宮崎滔天のことも紹介されているそうです。
孫文が掲げた理想は、「民族主義、民権主義、民生主義」の三民主義の実現でした。その革命から20年後、日本は満州事変を起こし、中国大陸を侵略しました。日本は、清朝最後の「ラスト・エンペラー」溥儀(ふぎ)をかいらいの皇帝として、「満州国」という植民国家をでっちあげたこともあります。多大な影響と損害を与えたのです。第2次大戦後、共産中国は貧しい国でしたが、日本への賠償は求めないと宣言し、実際に求めませんでした。
来年は、日中国交正常化40周年にあたります。日中両国はさまざまな歴史を織りなしてきました。地政学的にも隣人の関係は変えることはできない。にもかかわらず、政権の座についた民主党の中には、例えば前原誠司氏を筆頭に「中国は軍事力を強化し続けており、最大の脅威」と、脅威論だけを声高に叫ぶ愚かな政治家が大きな影響力を持っています。
日中両国は、切っても切れない一衣帯水の関係にあります。来年は、中国では習金平氏が国家主席へ就任し、政権が変わります。共産党一党独裁に象徴されるように中国の民主化は、まだ不十分です。
来年はまた、日中韓三国にアメリカとロシアも加えた「東アジア・サミット」も予定されています。しかし、世界は、日本の外交が何をめざし、どこへ向かおうとしているか、まったく見えずに困っています。
さまざまな要素が絡み合いながら、歴史が作られています。はっきりしていることは、私たち自身が歴史の主人公の役割をきちんと果たすことです。そのためにも、私たち自身の基盤の弱い民主主義を、よりしっかりしたものとして使いこなす技が求められます。
中国の民主主義はいまだしです。日本もです。