おはようございます。非民主的な候補には投票しない「落選運動」を展開してきた社会派弁護士が、韓国のソウル市長にほぼ決まりました。昨日行われた市長選の投開票で朴元淳(パク・ウォンスン)氏が当選を確実にしたのですが、これは来年の大統領選にも大きな影響を与えそうだと見られています。
生き生き箕面通信1054(111027)をお届けします。
・「ギリシャくん、ありがとう」とドイツのメルケルおばさん
ギリシャの債務不履行(デフォルト)危機に端を発したユーロ危機が現在も続いているかように、メディアが相変わらず危機をあおっています。しかし、事の重大性は明らかに峠を越えた、といえます。ドイツの連邦議会(下院)が資金の融通を認める決議を昨日、圧倒的多数で可決したからです。
ユーロ(欧州共同体)は、その本質はいわば「ドイツ帝国」です。ドイツの経済力が欧州の経済力を引っ張っています。その力の元は、「ユーロ」という国際通貨。それがいまでは、アメリカの「ドル」とともにどんどん値下がりし続けています。「ドル安」と雁行する「ユーロ安」。だから、ドイツの製品は、世界中に飛ぶように輸出できています。
つい数年前まで、1ユーロは140円ほどでした。それが現在は105円ほど。つまりドイツは日本より3割ほど安く売れるのです。儲からないはずがない。ドイツにしてみればいわば、ウハウハなのです。
「ユーロ安」は、もちろん”ギリシャ危機”が原因です。ドイツがもともとの通貨「マルク」だったら、ここまで「マルク安」にはなりません。ひとえに「ユーロのおかげ」であり、「ギリシャくんのおかげ」です。
国際的な投機筋は、いろいろと仕掛けてくるので、不安定要因ではあります。ギリシャが落ち着いても、次は「イタリアが危ないぞ」、いや「ポルトガルも、スペインも危ない」と、危機をあおる材料に不自由はしない。そしてそれは、世界経済の波乱要因ではあります。しかし、その投機筋というか、世界のばくち打ちも、すべて台なしにしてしまっては得になりません。そこはギリギリのところで稼がせてもらうシナリオです。それはいまのところ、ドイツの「得」にもなっているのです。
ドイツのメルケル首相は、ハラの内では「ギリシャ君、ありがとう」と、大いに感謝しているはずです。だから、少々お金を出してもそれ以上の”もうけ”があるから、ユーロをつぶすことは絶対にあり得ないと見ることができます。今回の危機が落ち着いた後にはっきり見えてくるのは、ユーロ(欧州共同体)が「ドイツ連邦帝国」に変身した姿ではないでしょうか。
日本は、アメリカに引きずり回されるTPP(環太平洋経済連携協定)ではなく、中国や韓国などと結ぶ「東アジア共同体」を模索すべきだと思います。