おはようございます。今月1日の「箕面通信」で、「10月の注目点はギリシャ危機」としましたが、昨日のユーロ圏17か国首脳会議は欧州版IMFを前倒しで設立するなどの対応策で合意し、山場を越えたようです。あとは、ギリシャなどの債務をだましだまし減らしていくことで何とかなるメドがついたようです。
生き生き箕面通信1051(111024)をお届けします。
・持続可能な社会をめざして――「ミツバチの羽音……」
「祝島のおばあちゃんたち、すごいなあ」と思いました。30年近くも毎週月曜日に「原発をつくらせないぞ」と、デモを続けて頑張ってきた。祝島の闘いを追い続けた「ミツバチの羽音と地球の回転」というルポルタージュ映画の上映会が昨日、箕面のメイプルホールで開かれました。「すべてはつながり影響し合っている」ということを、ミツバチのひそやかな羽音でさえも回りまわって地球の回転に影響を及ぼす、ということで題名にした鎌仲ひとみ監督の作品です。
「自分たちが住む島を、原発なんぞにかき回されては子孫に申し訳ない。自分たちの世代は決して原発と妥協しなかった」――そんな思いが、瀬戸内海の片隅で30年間も「反原発」を貫かせる原動力となったようでした。
映画の中で、スウェーデンの小さな町で進められてきた再生可能エネルギーへの取り組みが紹介されていました。スウェーデンは、国民投票で「脱原発」を選択し、さらに化石燃料からもおさらばするために風力や波力エネルギーの活用にいろいろ工夫しながら取り組んでいました。
祝島でも、太陽光発電の試みが始まっていました。しかし、そのずっと以前に中国電力が瀬戸内海の入口にあたる祝島(山口県)に原発建設を計画し、住民懐柔のために巨額のカネをつぎ込みました。しかし、祝島の誇り高い漁民は、いきなり振り込まれてきた巨額の漁業補償金を即刻送り返したのでした。しかし、カネの力に懐柔された議員もいた上関町議会は「埋め立て認可」を議決します。
本日の読売新聞社説は、「原発の安全向上へ連携深めよ」というタイトルで、来日したフィヨン仏首相と野田首相との日仏首脳共同宣言を高く評価し、さらに原発推進の尻を叩いています。この社説は「日本の成長戦略を推進する上で、原発などインフラの輸出は重要だ」と、原発輸出大賛成が読売新聞の立場であることを明確にしています。
ついでながら、本日の読売新聞朝刊は、パネッタ米国防長官の「普天間基地を早く解決しろ」という内容の寄稿を、「7月に就任したパネッタ長官が日本のメディアに寄稿するのは初めて」と恭しくありがたがって、全文掲載しました。アメリカの国際略の「広報紙」と化しているのが、読売の実態です。
野田首相は、フランス首相との共同宣言に見られる通り、「原発推進」を明確にしつつあります。次は休止中の「原発再稼働にゴー」です。原発へのこだわりは、「プルトニウムへのこだわり」であり、「核兵器へのこだわり」を秘めたものです。
私たちは、祝島のおばあちゃんたちの30年近くも闘い続けてきた粘り強さを、大いに学ぶ必要があるようです。