水上陽平の独善雑記

水上陽平流の表現でいろいろな事を書いています。本館は http://iiki.desu.jp/ 「氣の空間」

「風間陽水の依頼簿(カルテ)・1012」

2016-08-22 21:41:12 | Weblog



カルテ番号 よ・6(22)

百合は考えた。
言葉の意味を考えた。
自分を変えたい、というのは、満足できる方向に変えたいのだ。
もっと嫌な自分に変えたいのではない。
それならば、変えるというのは特別な方法ではない。
共通な方法であり、共通な方向。

「先生、変える、と思っていたのは勘違いだったのですね。
変えるのではなく、色を薄くする事だと思います」
院長は笑顔で言った。
「吉永さん、よく気づきましたね。
言葉を教わるのではなく、自分で気づく。
それが、自分の足で歩く人生です。
吉永さんは、自分で人生を決めている、一人前の人ですね」

百合はそんなふうに言われたのは初めてだった。
自分の意見など言えず、自分の人生は隠れて生きる事だと思っていたのだ。
確かに、この地域に来てから、自分が一人で考えて言えるようになった。
この院長とのやり取りも、自分で考え、自分の意見を言えている。
もう、自分の変えたい性格になっているような気がした。
何も大きな出来事がなかったのに、不思議だった。

(登場する人物・組織・その他はフィックションです)

(過去のプログは本館 「氣の空間・氣功療法院」です。
治療・若返り・講演、お話会依頼、悩み相談受付中。日本中出張します。
ブログで書いた「迷説般若心経」  「迷説恋愛論」  「迷説幸福論」
誰か出版してくれぇ~
18年間封印していた本物の「氣入れパワーストーン」を販売開始 「笑顔の雑貨屋Yakkoo」)
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「風間陽水の依頼簿(カルテ)・1011」

2016-08-21 19:26:30 | Weblog



カルテ番号 よ・6(21)

個性と性格を混同していた。
個性はどんな状態になっても個性。
個性がない人はいない。
この世は全て、個性で成り立っている。
自分らしさ、なんて最初から意味のない言葉だった。
人と同じに揃えても、個性が消えるわけではない。
個性を出そうとしても、個性は最初から存在する。

では、性格は?
「先生、本来の性格が明るく光るもので共通。
では、後天的な性格はどう考えればいいのですか?」
院長は言った。
「個性の色は電球に描かれていますね。
その色は電球の光、明るさで浮かび上がります。
個性の色が濃ければ、明るさよりも色が目立ちますね。

多くの皆さんが悩みところは、その部分ではないでしょうか?
色が暗い、好きな色ではない、というのは、明るさが表に出ない。
つまり、色が濃く描かれているわけです。
色を変えようと塗っても、なかなか満足しませんね。
それは、明るさ、光が薄くなるからです。
生物、生命あるものは、共通なのですよ。
生命が輝く時、満足できるものなのです」

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「風間陽水の依頼簿(カルテ)・1010」

2016-08-20 19:04:55 | Weblog



カルテ番号 よ・6(20)

百合は訊ねた。
「育った環境で様々な色が付くということですか?
そうだとすると、時代や家庭は選べません。
個性といっても、変えようがない色もあります」
院長は答えた。
「時代や家庭は選べませんが、色は選べるのですよ。
受け身で付く色もありますが、色のほとんどは選択しています。
反応のままではないのですよ。

例えば、同じ家に育った兄弟でも、全く違う個性になります。
もちろん似た色もありますが、正反対の色もあります。
これは、環境の受け身として色が決まるのではない、という事です。
とはいえ、全てが本人の選択した色でもありません。
周りの人、モノや出来事や人と出会うタイミング、その他の出来事。
色というのは、とても複雑です。
人だけでなく、モノも複雑な色で成り立っています。

人を含む生き物、生命があるものは、全て複雑な色の個性があります。
人が認識できる変化を超えて、モノも複雑な個性です。
この世に、同じモノは人だけでなく、何一つありません。
工場で大量生産されるモノだって、細かく見れば同じモノはありません。
大きく見れば、星々もそうです。
全て違う模様の個性が集まっている世界。
それを、色の世界と書いて、色界といいます、この世の事です」

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「風間陽水の依頼簿(カルテ)・1009」

2016-08-19 19:18:50 | Weblog



カルテ番号 よ・6(19)

院長は続けて話した。
「育ってきた環境で個性が作られるとした場合。
個性は変わるし、変える事ができるわけです。
話の都合上、変わらない事を話しても意味がありません。
ですから、個性は変えられる、という方で話しますね。
つまり、個性は環境で作られる、あるいは、育つ。
実際、皆さんが想像する個性は、ほとんどこちらだと思います」

百合の悩みだった性格もそうだ。
名前負けして、揶揄されて、次第に閉じこもりになったのだ。
決して生れ付きの閉じこもりではない。
個性でもない。
院長は、百合が理解しやすいように考えながら話している。

「生れ付きの大きさ、明るさの強さは変わりません。
ですが、その電球に色がついてきます。
様々な色と濃さがあります。
赤や青や黄色、緑、紫、それらが混じり合っています。
似たような色合いはあるかもしれません。
それでも、一つとして、同じ模様はありません。
人口の分、いいえ、過去と未来の分も含めて、同じ模様はありません。
それが・・・個性です」

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「風間陽水の依頼簿(カルテ)・1008」

2016-08-18 19:41:26 | Weblog



カルテ番号 よ・6(18)

百合は電球を思い描いた。
院長はゆっくりと話を続けた。
「電球の大きさ、明るさの強さは、それぞれあります。
生れ付き大きな電球の人と小さな電球の人がいます。
それから明るさの強さも、それぞれ違います。
大きな電球の人が強いわけではありません。
強さと大きさは別々です」

なるほど。
見た目の大きな人と、小さな人。
あるいは、大人と子供。
「明るさの強さは生命力の強さだと思って下さい。
小さな電球でも、特に明るい光もありますね。
例えば赤ちゃんは、生命力が一番強いともいえます。
幼児や子供が成長できるのは、生命力が強いからです」

百合は言った。
「電球の大きさや、明るさの強さが個性ですか?」
院長は少し間を置いてから答えた。
「そういう言い方もできますね。
個別の生命を個性とすれば、生れ付きが個性ともいえます。
その場合、個性は動かせないモノとなります。
生れ付きですから」

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「風間陽水の依頼簿(カルテ)・1007」

2016-08-17 21:47:24 | Weblog



カルテ番号 よ・6(17)

落ち込むと暗くなるのは、反応。
暗いのは性格ではない。
百合は自分が暗いのは性格だと思っていた。
院長は続けて言った。
「多くの人が反応を性格だと勘違いしています。
反応は、生命を守る為の本能と後天的な学習とがあります。
いずれにしても、性格ではありません」

百合はよくわからなくなってきた。
「先生、先ほどの性格と個性の違いを教えて下さい。
あの~・・・できれば、もっと分かりやすくお願いします」
院長は笑って言った。
「まぁ、分かり難い話ですよね。
そうですね・・・例え話にしましょう。

私のいう性格は、生命の核、性質だと思って下さい。
だから、皆さんに共通です。
明かりが点いている電球を思い描いて下さい。
その光が生命です。
その明るさが性格です。
光が消えると、いわゆる死という状態です。
ですから、生きている限りは、皆さん明るい」

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「風間陽水の依頼簿(カルテ)・1006」

2016-08-16 20:28:33 | Weblog



カルテ番号 よ・6(16)

生命は明るい方向に向かっている。
当たり前だった。
暗い方向に向かっては生きられない。
生物など無くなってしまう。
生きているモノは、全て明るい方向に向かっている。
「でも、辛く苦しい事も多いです。
だから暗くなってしまいます」

院長は頷いて言った。
「そうですね。
生きていくには、辛い事、苦しい事も多いですね。
ある意味、誰でも辛いし、苦しいし、悩んでいます。
ただ、それを表に出すか、抑えるかは個性です。
また、別な何かに転嫁する道もあります。
いろいろな道を進む為のエネルギーにする場合もあります。
辛い、苦しい事をどうするか、それはその人の選択です。
辛いから、苦しいから暗くなる、というのは選択肢の一つです」

百合は小さく言った。
「暗くなったのは、自然だと思います。
誰でも落ち込めば暗くなります」
院長は逆らわずに言った。
「そうですね。
落ち込めば暗くなりますね。
私も暗くなりますよ。
それは反応ですが、性格ではありません」

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「風間陽水の依頼簿(カルテ)・1005」

2016-08-15 19:20:42 | Weblog



カルテ番号 よ・6(15)

元に戻る。
それなら出来るかもしれない。
百合は自分の性格が嫌だった。
人目を避け、話もできない自分が嫌だった。
でも、どうしても、そうなっていた。
特に明るくなくてもいい。
普通でいい。
それで充分。

院長の話はゆっくりだった。
首の後ろに当てられた手が温かい。
「誰でも赤ちゃんだったでしょ。
その時、赤ちゃんは根暗でしたか?
誰でも、明るかったでしょ。
人の性格は、後から作ったものです。
本当は、明るいのですよ」

百合は言った。
「では、誰もが同じ性格だったのですか?
一人一人、違うのが人間ですよね?」
院長の口調は相変わらずゆっくりだった。
「個性と性格を分けて下さいね。
性格、つまり、生れ付きの大元、核は同じです。
生は生命です。
生命は、明るいから生命なのですよ。
明るい方向に向かっているから、生命なのですよ」

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「風間陽水の依頼簿(カルテ)・1004」

2016-08-14 19:34:16 | Weblog



カルテ番号 よ・6(14)

「吉永さんは、人に遠慮しながら暮らしていたのでしょうね。
すると、どうしても姿勢が閉じる形になります。
具体的には両腕の間隔が狭くなり、胸が閉じます。
つまり肺と心臓が圧迫されたままです。
首も下向きになりがちだから、首の後ろに負担がかかったままです。
もちろん、仕事上の姿勢でもあるでしょう。
ですが、仕事を離れても似た姿勢でいたのではないでしょうか」

百合は何度も姿勢が貧相だと指摘されたことがある。
それは、人に遠慮して生きている姿勢だったのか。
院長の手が胸の真ん中、首の下に置かれた後、楽になった。
肺や心臓が楽になったという事なのだろう。
首の後ろが溶けるようになったのも、同じく解放されたからだろう。
時間にして、僅か。
それでも、解放される事に百合は驚いていた。

「あの~・・・先生」
「なんでしょう?」
「性格って、変わりますか?」
院長は少し考えてから言った。
「吉永さんの想像する性格は、多分思い込みですよ。
生きている間に、作ってしまった性格ですよ。
だから、変えるというよりも、本来の性格に戻る。
変える事もできるでしょうが、戻る方が簡単ですし無理がない」

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「風間陽水の依頼簿(カルテ)・1003」

2016-08-13 19:32:21 | Weblog



カルテ番号 よ・6(13)

この院長は仕事をする気がないのか、とも思った。
暇なのに、せっかく来た患者を帰すのは、変だろう。
でも、仕事に誠実だからこそ、余計な事はしないのかもしれない。
院長はあっさりと頷いて言った。
「わかりました。では、気功を体験してみますか?
話はしながらでもできますから」
「お願いします。私、気功って初めてです」

マットに仰向けになると、リラックスして寝ていればいいという。
院長の手が、軽く身体のアチコチを触る。
一か所に5秒くらいだった。
首の下に触れた時だけ、2分くらい動かさずにいた。
そして、手が離れた時、呼吸が楽になっているのに気付いた。
少し楽になったのではなく、とても楽になっていた。

それから頭の方に移動して、最初は首の下に手が入ってきた。
温かい。
少し熱いくらい温かい。
人間の体温ではない温度だと思った。
何か温める器具でも使っているからのような熱さだった。
そして、首の後ろの骨が柔らかくなっていく感じがした。

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