カルテ番号 や・6（11）
翌日の午後、予定の仕事を終えてから、あの公園に向かった。
ジョギングウェアではなく、スーツ姿だ。
いろいろな人と、様々な情報を得るのは、重要な仕事だ。
それが企画になるのは、勘が働く相手だ。
昨日の茂木氏は、玲香の勘に響いたのだ。
何か面白い事をしている。
昨日と同じベンチに茂木氏はいた。
二人の女性と一緒に。
確か、幹部もいると言っていた。
すると、この女性がそうなのか。
とても会社の幹部にはみえない。
年代は、５０代後半か、６０代かもしれない。
会社員の匂いがしない。
茂木氏はニコニコと手を振った。
二人の女性もニコニコしている。
玲香は、近づき、挨拶をした。
「柳玲香と申します。
以前、茂木社長にはいろいろご指導いただいた事があります。
今日は、今回の会社の内容について、お話を聞きに伺いました。
どうぞ、よろしくお願いいたします」
茂木氏は昨日よりも更に機嫌がよかった。
「まぁ、そんなに固い話じゃない。
気楽に、楽しく、第二の人生を歩く話じゃ。
最初の仕事、第一の人生は、仕事が人生を支えた。
仕事によって、暮らしを支えた。
だが、今度は少し違う。
人生が仕事を支える、という発想だ」
（登場する人物・組織・その他はフィックションです）
（過去のプログは本館 「氣の空間・氣功療法院」です。
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