水上陽平の独善雑記

水上陽平流の表現でいろいろな事を書いています。本館は http://iiki.desu.jp/ 「氣の空間」

「風間陽水の依頼簿(カルテ)・725」

2015-10-20 19:37:38 | Weblog



カルテ番号 む・2(25)

村木は急に素直になれた気がした。
「先生、自分はもう先が見えた、と思い込んでいました。
これ以上、元気に変わることはない。
大人しく、そっと残りの人生を過ごせれば上出来だと。
そういう気持ちが、衰える元だったのですね。
変化を求めない守りの姿勢。
それは、生きる気力も湧いてこない姿勢だったのですね」

院長は静かに答えた。
「生きている限り、変わり続けます。
この世は肉体があり、時間が一方通行に流れていますから。
ただ、変わる方向に違いがあるのです。
変化を求めない生き方は、衰えという変化を加速します。
変化を求める生き方は、元気という変化をもたらします。
どちらが正解という事はありません。
その人の選択となります」

村木は、望まぬ変化の選択をしていた、と気づいた。
「本当は、やりたい事があった。
定年退職したら、やりたい事があった。
でも、どんどん気力が減少していると感じていた。
このままでは、やりたい事も出来ないのではないか。
その前に、やりたい事が無くなってしまうのではないか。
振り返って、後悔、愚痴の人生だったと思う事が増えていた。
それらは、全て自分が選んでいたのですね。
まだ、間に合いますか?」

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「風間陽水の依頼簿(カルテ)・724」

2015-10-19 19:03:47 | Weblog



カルテ番号 む・2(24)

「私の扱う氣は調和の氣です。
生命ある限り、生命を活性する方向に働く氣です。
とはいえ、衰えた氣に無理やり力を与えるわけではありません。
鍵は調和なのです。
調和が生命を最も無駄なく活性する方向だったのです。
その私の氣が村木さんの氣に干渉したわけです。
その為、村木さんの氣が動きだしたわけです。
それを村木さんが、体感した、という事になります。
ですから、感じた氣は、私のではなく、村木さんの氣です」

村木は、その説明が、今一つ解り難かった。
そんな村木を見て、院長が更に言った。
「そうですねぇ・・・
私の扱う氣は、村木さんの中でスイッチを入れる氣と思って下さい。
生命を活性するスイッチです。
スイッチが入ると、後は村木さんが勝手に変わり始めるわけです。
私が村木さんを直接変化させているわけではありません」

村木が想像していた氣とは違った。
村木は氣が作用するとしても、もっとエネルギー的に想像していた。
「それは、例えば病に対しても同じでしょうか?」
「大筋では、同じです。
多少、直接生命力の量を応援する氣にも変わるようです。
氣は、役目を自動的に変えて、生命にとって最適を選ぶようです。
ですから、スイッチを押す役目と同時に、エネルギーにもなるようです。
それは、私が意図してやっているわけではありません」

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「風間陽水の依頼簿(カルテ)・723」

2015-10-18 18:45:11 | Weblog



カルテ番号 む・2(23)

「先ほどの村木さんの感じた氣の話に戻りますね。
村木さんの氣は、生命力を維持し、時には高め、時には調整する。
誰も同じですが、そういう働きを体内でしていると思って下さい。
村木さんの氣は、その役割をさぼっていたわけです。
さぼっていたのには、もちろん理由があります。
村木さんが、意識で命令していたからです。
もう、歳なのだから、大人しくしていろ、と。」

院長は村木の顔を見て、微笑んだ。
「もちろん、これは例え話です。
でも、思い当たる事があるのではありませんか?
自分で自分を抑制し始めた。
それは、仕事上の事だったのでしょう。
仕事上の方針は様々でいいでしょう。
でも、仕事を離れた個人の生き方とも同調してしまった。
そして、生き方は生命力と繋がっています」

その通りだった。
会社での地位と定年までの時間。
あとは、守りでいい。
無事に過ごせばいい。
それが、生き方の指標となった。
元々は、積極的に攻めるタイプだったのに。

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「風間陽水の依頼簿(カルテ)・722」

2015-10-17 19:23:40 | Weblog



カルテ番号 む・2(22)

「皆さん、エネルギー的な氣を注いでくれる、と思っているようです。
その部分もあるのですが、そんなものはオマケです。
考えてみて下さい。
御自分の生命力をその時だけ他から補っても、続かないでしょ。
その人の人生はまだまだ長いのです。
エネルギーを補給する方法は、一時しのぎなのです。
大切なのは、本人の生命力が活性する事です」

その通りだと思う。
ナントカドリンクを飲んで、一時的に元気になってもその場だけだ。
そして、そういうモノに頼ると身も心も弱くなる、といわれている。
院長は言った。
「一時しのぎも必要な時があるのですが、本人が元気になるわけではありません。
それよりも、自力とか底力が向上する事が、いろいろな解決にも繋がります。
生命力の活性というのは、生きる事を応援する力と同一です」

院長の話は村木の心に響く。
「生きるのは本人です。
生命力も本人です。
活性するのも、本人側に主導権があるのです」
村木は、自分の衰えからの脱却を他に頼ろうとしていた事に気づいた。
自分で回復しようとしていなかった。
回復してもらえると、勝手に思っていた。

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「風間陽水の依頼簿(カルテ)・721」

2015-10-16 19:18:18 | Weblog



カルテ番号 む・2(21)

そして頭部に手を触れて、
「お話はしていてかまいませんよ」と言った。
村木は氣を感じる、なんて無いと思っていた。
自分は、そういうことに鈍感だと思っている。
実感が無かったから、氣を感じる、ということが想像できないのだ。
ところが・・・
「こ、これは、何ですか!」
何かが身体の中で動いているのを、ハッキリと感じている。
院長は
「何でしょうねぇ?」とのんびり答えた。

「これが、氣、なのですか?」
院長は少し真面目な表情で言った。
「そうですねぇ・・・
多分、氣といえば氣ですが・・・
村木さんの想像する氣ではないと思います。
村木さんは、私からの氣を想像しているでしょう。
でも、動いているのは、村木さんの氣です。
私の氣に反応して、動いているのだと思いますよ」

院長の氣ではない・・・。
自分の氣?
どういうことだ?
院長はそんな村木の表情を見て、解説してくれた。
「氣といっても多種多様です。
病気という病の氣もあります。
私が扱うのは、生命を活性する。
あるいは、調和させる氣だと思って下さい」
とても、ゆっくりとした口調だった。

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「風間陽水の依頼簿(カルテ)・720」

2015-10-15 19:28:40 | Weblog



カルテ番号 む・2(20)

確かにそうだった。
あの時、自分の考えではなく、何かが自分を動かした。
自分の中の何かが、勝手に言葉となっていた。
まるで、何かに操られるように宮司に話しかけた。
そして、そのまま、ここの連絡先を教えてもらった。
馬鹿げている、と思いながらも電話して予約した。
それ以降、調子がいいのは事実だった。

「実感がないのですが、これが氣の効果ですか?
ここに来る前に、電話しただけで調子が戻ってしまうわけですね。
それなら、来なくても済んでしまうのではないですか?」
院長は
「実際、そういう方もいるのです。
私も何もしていないので、治療費をいただくわけにもいきません。
お蔭で、貧乏です・・・」と言って、苦笑した。

「にわかには信じられませんが、調子が良くなるならいいです。
予約時間は2時間でお願いしましたが、もうしなくてもいいということですか?」
院長は笑いながら言った。
「村木さんが、もういい、というのならいいです。
でも、まだ身体の調子を診ただけですよ。
気功を体験するのは、これからなのです」
それを聞いて、村木はホッとした。
これで終わりでは、調子が上がったのは嬉しいが、何だか詐欺のようだ。

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「風間陽水の依頼簿(カルテ)・719」

2015-10-14 19:22:26 | Weblog



カルテ番号 む・2(19)

院長の言葉は断定している。
だが、村木はそれほど期待していたわけではない。
強く思ったこともない。
「お言葉ですが、それほど望んで来たというわけではありません。
失礼ながら、気功というものにも、半信半疑なのです。
それでも、通じてしまうのですか?」

院長は穏やかに頷いた。
「多分・・・その時の村木さんが素直だったのでしょうね。
なまじ、強く思ってしまうと、力みが入ってしまう分、通じないことがあります。
何となく、ここに来たかった、という気持ちが底にあったのではないでしょうか。
村木さんが、宮司さんの話を聞いた時、行きたい、と思ったはずです。
理屈や考えではなく、身体の底の声に従ったのでしょう。
だから、今、村木さんはここにいるのです」

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「風間陽水の依頼簿(カルテ)・718」

2015-10-13 19:10:50 | Weblog



カルテ番号 む・2(18)

会社で取引先と渡り合ったこともある村木だ。
ハッタリを最初から仕掛けてくることなど普通にある。
そこには、態度から不自然さがみえる。
変な力みがあるのだ。
相手のタイプが判れば、その先は楽だ。
余裕で交渉できる。
ところが、この院長には力みがない。
力みが無い言葉だから、そのままなのだろう。

「それは、先生が気を送ってくれた、ということですか?」
院長はアッサリ否定した。
「違います。
村木さんが、自分で同調した、ということです。
ここで扱う氣は、生命力と同じと思っていいです。
だから、同調すると、村木さんの生命力が活性するのです」
同調?意味がつかめない。

「どうにも、私の頭が硬いせいか、意味が解りません。
ここに来る前に、先生の氣と通じた、ということでしょうか?
まだ、会ってもいないのに。
確かに電話では少し話しましたが、正体不明の相手と同じです。
それでも、私から同調した、というのですか?」
院長は笑って答えた。
「そうですよ。
村木さんは、望んで、ここと同調したのです」

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「風間陽水の依頼簿(カルテ)・717」

2015-10-12 19:21:16 | Weblog



カルテ番号 む・2(17)

「歳と共に多少の衰えはありますが、今年に入ってから特に感じるのです。
気力が無い、というか、前向きになれない、というか」
院長はじっと村木の顔を見ていた。
「村木さん、大丈夫です。
以前はそうかもしれませんが、今は気力が湧いています。
今後については、村木さん次第です。
まぁ、いつでも、気力や生命力に関しては、本人次第ですが・・・」

そうなのだ。
数日前、ここに電話してからは、調子が上向きだ。
今日は特にいい。
だが、たまたま、ということかもしれない、と思っていた。
それに、そんな変化を院長は会っただけで判るのだろうか?
氣の専門家、というのは、本当かもしれない。
実は、気功師といわれても、半分くらいしか信じていなかった。

「今日は何だか調子がいいようです。
ここに予約してから、何だか調子が良くなった気がします。
これも氣の効果ですか?」
ほとんど社交辞令の言葉だ。
本心では、そんなことは思っていない。
ところが院長は、
「ここでは、よくあることです。
氣の効果というのは、往々にして、このように現れます」
と真っ向から肯定した。

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「風間陽水の依頼簿(カルテ)・716」

2015-10-11 19:50:23 | Weblog



カルテ番号 む・2(16)

治療院はすぐ見つかった。
道沿いだが目立たない雰囲気がある。
きっと、流行ってはいないのだろう。「
利益を追求してきた会社人間だった村木には、欠点が幾つも見える。
人を寄せ付けないわけではないが、アピールはしていない。
一応看板はあるが、サビが浮いている看板は逆効果なのだ。

予約制なので、他の患者とかちあうことはない。
玄関を開け、声をかけると、思いのほか明るい返事があった。
「どうぞ、上がって下さい」
人嫌いというわけではなさそうだ。
治療院の外見とは違い、すんなりと馴染む雰囲気がある。
そうか。
頓着しない、ということなら、納得する。

「全体的に調子が悪い、ということでしたね。
お話をしながら受けられますので、横になって下さい」
簡単な記入はしたが、特に何も訊ねてこない。
腹部や胸部、そして頭部を軽く触ってから院長は言った。
「特に心配するようなところはないと思います」
この間、僅か数分だった。
そんな簡単な診方でいいのだろうか?

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