カルテ番号 り・1(23)
静はその言葉の意味もわからず、曖昧に頷いた。
それにしても、柳玲香という女性は不思議な感じがした。
自分よりもかなり年下のはずなのに、頼ってしまいたい年上に思えた。
この温泉場も、振り返ってみると、自分を待っていたかのようだった。
お互いの携帯番号を教え合い、治療院の印象を後日知らせる約束をした。
先が見えないのに、不安は無かった。
つい一週間前の外にも出られないような不安感はどこにいったのだろう。
その日のうちに治療院に電話をして、明日の予約をとった。
電話に出た院長の印象は、特に何も感じなかった。
それよりも、今日知り合った柳玲香という女性が気になっていた。
今度は、もっと訊いてみよう。
どんな仕事をしているのか?
どんな立場でいるのか?
次の日、教えられた治療院に向かった。
力石静の泊まっているビジネスホテルから30分ほどだった。
やはり、一昨日の野天風呂の帰り道に感じた処のような気がした。
その時は気づかなかったが、錆びついた看板があった。
目立たない。
これでは、普段は見過ごしてしまうだろう。
それに、こんな山の中で・・・
(登場する人物・組織・その他はフィックションです)
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