カルテ番号 り・1(32)
「先生、やっと判りました。
何故、柳さんがここに来るように言ったのか。
最初は治療なんて必要ない、って思っていたのです。
でも、ここは治療だけではないのですね。
道を示してくれる場所なのですね。
必要な人だけが訪れる場所なのですね」
院長は苦笑した。
「いいえ、それは違います。
私がアピールする能力が無いからなのです。
結果的に、必要な人しか来ないのです。
実に困ったものだ・・・
仕事は出来るのですが、その仕事が来ない。
多くの人は私を誤解しているのです。
私の無能力とはいえ、私が本当に困っていると信じてくれない」
そういう院長は少しも困ったように見えなかった。
だから、静はその言葉を無視して、院長に訊ねた。
「実は、ちょっと奇妙な光景が見えたのですが・・・
一昨日の夜に私の頭の中で見た光景です。
女性が三人と男性が一人。
とてもいい雰囲気だと感じました。
その女性の一人は柳さん。
男性は・・・多分、先生・・・」
(登場する人物・組織・その他はフィックションです)
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