水上陽平の独善雑記

水上陽平流の表現でいろいろな事を書いています。本館は http://iiki.desu.jp/ 「氣の空間」

「風間陽水の依頼簿(カルテ)・378」

2014-10-31 19:37:01 | Weblog



カルテ番号 の・7(11)

看板を見て、ここが予約制になっていることを知った。
彼女も見落としていたのだろう。
いきなり訪ねて、診てもらえるのだろうか?
それとも、ここで、帰ろうか。
駐車場で、少し考えていたら、治療院から院長らしき人が出てきた。
駐車場にいるから、不審に思われたのかもしれない。

このままでは気まずいので、野上香織はウンドウを下げて挨拶した。
「あのう・・・予約していないのですが、診てもらえますか?」
口が勝手に動いた。
「どうぞ、お入り下さい」
院長は微笑んで、入り口のドアを手にもっているタオルで拭いた。
どうやら、ガラスを拭きに出てきたようだ。
そして、治療院に入ってしまった。

野上香織はバッグを持って、車から出た。
院長が男の人だと知ってからも、まだ心は軽い。
普段のように、身構える緊張感が無い。
何だか、楽だぞ。
どうなるのか、わからないが、楽だぞ。


(登場する人物・組織・その他はフィックションです)


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