カルテ番号 と・8(9)
遠山史郎は思い切って言った。
「もし肝臓が僕の怒りからなら、僕の生き方を変えないとダメですか?」
院長は笑いながら言った。
「いいえ。生き方はその人のモノです。変えるのも変えないのも自由です。
それに、生き方と感情は別のものですから、切り離せばいいわけです」
遠山史郎はその言葉にショックを受けた。
今まで、そんな風に考えたことはなかった。
院長は人の心を読めるのか、と疑うような話を続けた。
「例えば革命という国の政策に対立する運動がありますね。
どちらが正しいか間違いかは問いません。
その時、よくスローガンにされるのが怒りを持って立ち向かえ、などです。
私は怒りを持てば、物事が平和になるとは思えません。
怒りは自他共に毒なのです。
ですから、変えるのには感情を冷静にして事を起こすべきでしょうね」
遠山史郎が今までしてきた事。
正しいと信じていたが、怒りが底に必ずあった。
正しい間違いの前に、冷静であったなら、もっと違う方法もあったのだろう。
そうなのだ。
正しい間違いよりも、人は感情で対立してしまう。
自分の怒りが衝突を作ってきたのかもしれない。
(登場する人物・組織・その他はフィックションです)
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