カルテ番号 と・8(4)
のんびり屋の母だが、それでも息子が病気になったら困ると思っていた。
生真面目すぎる性格だ。
友人もほとんどいない。
ある日、普段は自分が使っている車のカギとお金を渡して言った。
「欲しい土産物があるから、買いに行って。
群馬県北部の温泉地にあるから。
ついでに日帰り温泉に寄って、のんびりしてらっしゃい」
母が気を使ってそう言ってくれていることぐらいは判る。
温泉で元気になれるとは思っていないが、用事を兼ねてのドライブならいいか。
そして、指定されたお菓子の土産を買って、幾つもある日帰り温泉に寄った。
普段は長湯ではないが、時間をつぶすのも目的だ。
湯に出たり入ったりして、数時間を過ごした。
帰り道に錆びた看板が目にとまった。
気功療法院。
半分つぶれかけたような治療院だが、一応やっているようだ。
ふと、気まぐれがおきた。
そのまま駐車場に入れて、玄関から声をかけた。
「あの~、気功は初めてですが、してもらえますか?」
「どうぞ~」
少しは緊張していたのだが、拍子抜けするような声だった。
(登場する人物・組織・その他はフィックションです)
(過去のプログは本館 「氣の空間・氣功療法院」です。
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