水上陽平の独善雑記

水上陽平流の表現でいろいろな事を書いています。本館は http://iiki.desu.jp/ 「氣の空間」

「迷解剣客商売・33」

2011-06-02 18:18:36 | Weblog



並外れた力持ちの女性がいた。
通称、金時婆さん。
本名は、おせき、54歳。
当時は、20歳過ぎれば年増。
27歳くらいでも大年増。
でもなぁ・・・婆さん、は酷いだろう。
ワシより若いし・・・

剛力だけでなく、とても親切な女性だ。
武士を橋から川に投げて(他人の)子供を救った。
目撃した小兵衛は、その武士達の仕返しを心配して芝居する。
おせきの家に居候するのだ。
その時、寝食代として2両(30~40万)を差し出す。
おせき、こころよく、あっさりと受け取る。
小兵衛「こいつは、ホンモノだ」と直感する。
下手に遠慮したり、断ったりしないから、本物の親切者だと見切る。
もちろん、無料でも同じ態度だったろう。

その怪力は生まれつきだと知った小兵衛。
「人間の備わったものの恐ろしさ、見事さ・・・
まことに不思議なものだな、人間という生き物は・・・」
人の心の不思議さ、辻褄の合わぬ仕組みと充分知っている。
だが、体の能力の可能性は、感嘆し尊敬する仕組みがあった。
小兵衛は、心の未熟さと体の見事さを知って人を観る。
(「深川十万坪」より)

        
(過去のプログは本館 「氣の空間・氣功療法院」です。
治療・若返り・悩み相談受付中。日本中出張します)
コメント
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