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『リズム』や『カラフル』など、当店でも大変お世話になっている森絵都さんの「ことば」をテーマにつむぐ8篇の短編小説集。中には、光村図書小学校教科書「国語6」掲載の「帰り道」も収録されていますので、小学生高学年からお読みいただけます。
言葉はとても大切です。そこには優しさも、刃物のような鋭さも忍んでいます。発する人と受け取る人の感じ方の違いや、「言葉ってこわいけど、でも言葉がないとほんとのことがわかんないまま終わっちゃ」ったり、使う言葉が変わると発する人も変わったり、伝えられなかった言葉の存在によって、伝えたかった相手は心の中でずっと生き続けたり、言葉は人の意識や行動を変えたりと、本当に多くの意味合いを持っています。それらを、短篇の中の主人公である小学生や動物は胸にしまい込んでいます。
また、各短篇には9人の人気イラストレーターの挿絵が絶妙にコラボされています。言葉の深さを和らげるように。
『あしたのことば』(森絵都著、小峰書店、本体価格1,600円)
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