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江戸一新

2022-11-24 17:09:07 | 

 12月20日発売予定『江戸一新』(門井慶喜著、中央公論新社)のゲラを読ましてもらいました。明暦3年の明暦の大火による復旧、復興への物語です。主人公は老中・松平伊豆守信綱です。

 彼は姉から「臆病者な子じゃのう。(中略)いや、それでいい。臆病者はそれ故に、たくさんものを考える」あらかじめ精いっぱい思案する。そなたは日本一の臆病者になりなされ。」と言われ、自身の身の振り、強みを磨き、「知恵伊豆」と呼ばれる人となりました。

 些事さえもインプットし、その上で当時の江戸の人間が抱える課題を、江戸一新とされる都市開発で解決し得る、恐るべしアウトプットの持ち主です。その後の江戸の発展、また、文化の熟成を考えれば、現代の東京、そして、クールジャパンの生みの親かも知れません。

 「生きるとは考えること。いや考え抜くこと。」この言葉は、AI時代に生きる我々にも主体性を持って生きるための格言かもしれません。

『江戸一新』(門井慶喜著、中央公論新社、本体予価1,800円、税込予価1,980円)

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