神戸の作家さんなのですぐに読みました。
シングルで二人の娘を育て、借金せな仕方ない生活を送る一家の物語。運送屋さんの事務をしていたママはおでん屋で佐々木君と出会い、結婚。おでん屋のおやじの家の裏山でテント生活をしていた佐々木君は所帯を持って、サラリーマンになるが、二人目の娘を身籠っているときに、テント生活へ逆戻り。離婚後は、ママは山の住宅へ引っ越し、営業補助の電話勧誘の仕事に就くも、ストレス一杯でやるせない毎日。子どもたちへも十分なことをしてあげれなく、ダメママに陥りそう…。
そこで目にするのは海。お父さんとベランダから眺めていた海の記憶とともに、お父さんの言葉も。
「許すっちゅーのは人生で一番大きな冒険やしな。」
海はすべてを飲み込んでくれる存在。つまりは許してくれる。海を視界に入れたら、再出発できるのかなぁと思いながら読了。地名は出てこないながらも、神戸色たっぷりのストーリーです。
『うめももさくら』(石田 香織 著、朝日新聞出版、本体価格1,800円)